社用スマホの保険を実質無料にできるのは代表者の1台だけです

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

スマホ保険の比較記事を見る →

社用スマホの保険代を、毎月払わずに済ませたい。この条件で調べていくと、行き着く先はたいていクレジットカードに無料で付いてくる補償です。

その補償は実在します。 ただし年会費0円で使えるのは本会員1名分だけで、社員43名の会社なら残りの42台は補償の外に置かれたままになります。

社用スマホの保険を実質無料にできるのは年会費0円のカードに付く補償だけです

「実質無料」の正体は、三井住友カードが用意している「選べる無料保険」というサービスです。 カードの年会費以外に保険料はかからず、7つの補償プランから1つを選ぶ形になっています。

選べるプランは公式ページに次の7つが並んでいます。

  • 旅行安心プラン(海外・国内旅行傷害保険)
  • スマホ安心プラン(動産総合保険)
  • 弁護士安心プラン(弁護士保険)
  • ゴルフ安心プラン(ゴルファー保険)
  • 日常生活安心プラン(個人賠償責任保険)
  • ケガ安心プラン(入院保険(交通事故限定))
  • 持ち物安心プラン(携行品損害保険)

このうち社用スマホに関係するのがスマホ安心プランです。 公式はこのプランを次のように説明しています。

スマートフォンの万が一に備える安心の保険サービスです。

破損・故障・盗難にあった場合に補償され、加入手続きから保険金請求までWebで完結できます。

ここで最初の関門があります。 法人が持つカードは、原則としてこのサービスの対象から外れているためです。

提携カード、法人カード(ビジネスオーナーズ、ビジネスカード for Ownersを除く)は『選べる無料保険』の対象とはなりません。

名指しで例外とされているのは2枚だけです。 三井住友カード ビジネスオーナーズと、三井住友ビジネスカード for Owners の2つです。

このうち年会費が永年無料なのは前者だけになります。ビジネスオーナーズの公式ページには 「本会員、パートナー会員ともに永年無料」 と書かれています。

さらに見落としやすいのが初期設定です。 何も操作しなければ、選ばれているのは旅行安心プランのほうになります。

三井住友カード Visa Infinite・Oliveフレキシブルペイ Visa Infinite・プラチナ・ビジネスプラチナカード for Owners会員の方は、初期設定として旅行安心プラン(旅行傷害保険)のほか、スマホ安心プラン(動産総合保険)が付帯しています。

この4種類に当てはまらないカードは、自分で切り替えない限りスマホが1台も守られていません。 手続きはVpassにログインし、MYページTOP中段の「選べる無料保険」バナーから進む流れになっています。

実質無料のスマホ安心プランはカードのランクで補償が3段階に分かれます

同じスマホ安心プランでも、補償の中身はカードによって違います。 公式の保険金額一覧から法人向けの6枚を抜き出すと、次のように3段階に分かれていました。

カード補償内容保険金額
ビジネスプラチナカード for Owners物損/自然故障/盗難等10万円/10万円/5万円
ビジネスゴールドカード for Owners物損/自然故障5万円/5万円
ビジネスオーナーズ プラチナプリファード物損/自然故障5万円/5万円
ビジネスオーナーズ ゴールド画面割れのみ5万円
ビジネスカード for Owners画面割れのみ5万円
ビジネスオーナーズ画面割れのみ5万円

免責金額はいずれも5,000円と記載されています。 ビジネスプラチナカード for Owners だけは支払いの上限に別の注記が付いていました。

4…修理不能や盗難などにより有償交換または再購入をした場合にお支払いする保険金は5万円が限度となりますが、補償期間を通じてお支払いする保険金は修理費用の保険金と合算して10万円を限度とします。

ここで注意したいのが、プランの概要文と実際の補償範囲がずれている点です。 概要文には「破損・故障・盗難にあった場合に補償」と書かれていますが、年会費が無料のビジネスオーナーズの欄に書かれているのは次の1行だけでした。

画面割れにより修理した場合(免責5,000円)

水濡れも自然故障も盗難も、この欄には含まれていません。 概要文だけを読んで申し込むと、実際に事故が起きたときに想定との差が出ます。

三井住友カード(NL)は年会費永年無料で、「選べる無料保険」の対象カードとして保険金額の一覧に載っています。スマホ安心プランを選べば、画面割れの修理費が5万円まで補償されます(免責5,000円・調べた時点)。ビジネスオーナーズの公式ページには、1度のお手続きで三井住友カード(NL)を同時にお申し込み可能と書かれています。代表者ご自身の1台をまず無料の枠で守るなら、この2枚を同時に申し込む形が近道になります。
まず代表者の1台を年会費0円の枠で確保してください。

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実質無料の補償は選んだ月には始まらず初年度は30日の空白もあります

補償は翌月1日から

プランを選んだ日から補償が始まるわけではありません。 公式は開始のタイミングを次のように定めています。

毎月20日までに選択したプランが、翌月1日午前0時から補償開始されます。選んだプランの補償期間は補償開始から1年間となります。

21日以降に手続きをすると、次の締め切りは翌月の20日になります。 つまり補償が動き出すのは翌々月の1日で、その間に画面が割れても対象にはなりません。

始まったあとも、初年度にはもう1つの空白があります。 ビジネスオーナーズの注記には次のように書かれていました。

1…初年度契約においては、補償期間開始日からその日を含めて30日以内に発生した損害は補償の対象となりません。

さらに補償を受けるための条件が1つ付いています。 同じ注記の3番目にある通信料の要件です。

3…事故発生時点において、当該カードで対象スマートフォンの直近2ヵ月以上の通信料を決済していることが補償適用条件となります。

この条件は法人にとって扱いにくい形をしています。 ビジネスオーナーズの支払い口座について、公式は次のように案内しているためです。

お支払い口座は個人口座のみ設定できます。三井住友カード ビジネスオーナーズにて法人名義口座・屋号入り口座の設定をご希望の場合は、別送いたします「変更届」をご返送いただくか、三井住友カード(NL)と三井住友カード ビジネスオーナーズを別々にお申し込みいただくようお願いいたします。

社用スマホの通信料を、個人口座から引き落とされるカードで払い続ける構図になります。 法人名義の口座にしたい場合は、あとから変更届を出す手続きが別に要ります。

一度始まった補償は、途中で別のプランに変えられません。 公式の切替ページには次のように書かれています。

補償期間が開始すると 1年間はプランの変更ができません。 補償期間満了後に別の補償プランを適用したい場合は、補償期間満了の3ヵ月前から変更手続きができます。

カードそのものが切り替わったときの扱いも決まっています。 ここは自分で申し込んでいない場合にも起きるところです。

カードのお切替えをされた場合(カード更新時に自動でランクアップした場合なども含む)、カード切替え前の補償プラン選択有無に関わらず、 切替え前カードのプランは無効になり、切替え後カードのプランは初期設定となります。

カードが切替わった場合、切替え前のカードで選択していた補償プランは引継がれず、 旅行安心プラン(初期設定)が適用となります。

初期設定に戻るということは、スマホの補償が消えるということです。 ランクアップの案内が届いてカードが変わった月に、気づかないまま無保険になる形になります。

実質無料の枠は本会員1名分で43台のうち42台が外に残ります

ここが「実質無料」の限界です。 ビジネスオーナーズを申し込める人は、公式のカード概要で次のように限定されています。

満18歳以上(高校生は除く)の法人代表者、個人事業主(副業、フリーランスを含む)の方

社員はこの条件に当てはまりません。 ビジネスオーナーズはそもそも代表者本人が持つカードとして設計されています。

三井住友カード ビジネスオーナーズは、 法人代表者・事業主ご本人にて管理いただくカード です。

パートナーカードは18枚まで追加できます。 ただし「選べる無料保険」の適用範囲について、公式が書いているのは家族会員に関する1行だけでした。

ご家族会員の方はお申し込みいただけません。本会員の方と同じプランの適用となります。

法人カードのパートナー会員がここに含まれるかは、公式ページのどこにも書かれていません。 書かれていない以上、社員の端末まで補償が広がると考えて設計するのは危ない状態です。

社員43名・社用スマホ43台の会社で、確実に言えるところだけを数えるとこうなります。

項目台数
社用スマホの総数43台
ビジネスオーナーズの本会員1名
年会費0円で確実に補償される端末1台
補償の外に残る端末42台

しかもその1台が守られるのは画面割れだけです。 修理費が5万円を超えた分と免責の5,000円は会社の負担になります。

無料で付く補償は台数ではなく会員に紐づきます。端末を何台持っているかではなく、カードの本会員が何人いるかで補償できる数が決まります。

会社が所有する端末に保険をかける前提を整理したい場合は、契約者と使用者の関係から見ておくと判断しやすくなります。 その整理は 会社所有のスマホに保険をかけるときの考え方 にまとめています。

実質無料のまま社員に配ることはできず年9,295円からになります

社員のスマホまで対象にしたいなら、もう1枚の例外カードを見ることになります。 三井住友ビジネスカード for Owners です。

このカードは配れる相手が明記されています。 申込対象の欄に次の括弧書きがあります。

(パートナー会員の方は満18歳以上(高校生は除く)の役職員の方に限ります。)

役職員という言葉が使われているのは for Owners のほうだけです。 年会費が永年無料のビジネスオーナーズには、この記載がありません。

ただし for Owners には年会費がかかります。公式のカード概要から年会費を並べるとこうなります。

カード本会員パートナー会員1名につき
クラシック(一般)カード1,375円440円
ゴールドカード11,000円2,200円
プラチナカード55,000円5,500円

本会員1名にパートナー会員18名を足した19名分で計算します。 クラシックなら年9,295円、ゴールドなら年50,600円が毎年かかる形になります。

この時点で「実質無料」ではなくなります。 そして年会費を払っても、19名分より先には広げられません。

  • パートナーカードの上限は18枚です。本会員と合わせて19枚が最大で、43名の会社では足りません
  • 同時申込では1枚しか作れません。公式は「本会員と同時にお申し込みの場合、パートナーカードを1枚のみお申し込みできます。」と案内しています
  • 2枚目以降は本会員のカードが届いてからの手続きになります

19枚を配り終えても、残りの社員の端末は対象外のままです。 台数を増やす方向でこの制度を使い切ろうとすると、年会費と手続きだけが増えていきます。

個人のスマホを同じ仕組みで守る場合の条件は、法人よりも整理しやすい形になっています。 そちらの内容は クレジットカードでスマホの保険を無料にする方法 に書いています。

実質無料を選ぶ前に確認したい4つの条件

選ぶ前の4つの条件

申し込む前に確認できることが4つあります。 どれもカード会社の画面か手元の明細で確かめられます。

  • 選ばれているプランが旅行安心プランのままになっていないか
  • 事故が起きた時点で、直近2ヵ月以上の通信料をそのカードで払っているか
  • 補償開始日から30日を過ぎているか(初年度のみ)
  • カードのランクが自動で上がる予定が届いていないか

4つ目は特に見落としやすいところです。 自動でランクアップしたカードは切替扱いになり、選んでいたプランが初期設定に戻ります。

Vpassにログインして、いま選ばれているプランを見るところから始めます。旅行安心プランのままなら、スマホは1台も補償されていません。

補償の中身を最終的に決めるのは、公式ページの説明ではありません。 三井住友カードは各ページの冒頭で次のように断っています。

当ページは、カード付帯保険サービスの概要についてご説明しております。実際の保険金のお支払いの可否は普通保険約款および特約などに基づきます。

その約款そのものは、公開されているページからはたどれませんでした。 引受保険会社の名前も、調べた時点では公式の該当ページに記載が見当たりません。

社用スマホの保険の実質無料についてよくある質問

Q. 社用スマホの保険を本当に無料にできますか

A. 年会費が永年無料のビジネスオーナーズを持つ代表者本人の1台なら、追加の保険料なしで画面割れの補償を付けられます。

補償額は5万円で、免責金額は5,000円と記載されています。ただし対象は画面割れの修理に限られ、水濡れや自然故障や盗難はビジネスオーナーズの欄には含まれていません。

Q. 社員のスマホも実質無料の対象になりますか

A. 公式に書かれていないため、対象になると考えて設計するのは避けたほうが安全です。

「選べる無料保険」の適用範囲について公式が示しているのは、家族会員は申し込めず本会員と同じプランが適用されるという1行だけでした。法人カードのパートナー会員をどう扱うかは記載がないため、保険会社かカード会社に直接確かめる必要があります。

Q. スマホ安心プランは申し込んだその日から使えますか

A. 使えません。毎月20日までに選んだプランが翌月1日午前0時から始まる仕組みです。

21日以降に手続きをすると、開始は翌々月の1日になります。初年度はさらに、補償期間開始日から30日以内に起きた損害が対象外と定められています。

Q. カードを切り替えたら補償はどうなりますか

A. 切替え前のカードで選んでいたプランは無効になり、切替え後のカードは初期設定に戻ります。

公式はこの扱いに、カード更新時に自動でランクアップした場合も含めると書いています。自分で申し込んでいなくてもプランが消えるため、切替えの案内が届いた時点で選び直しの手続きが要ります

Q. 引受保険会社や約款はどこで確認できますか

A. 調べた時点では、公式の該当ページに引受保険会社の名称も約款へのリンクも見当たりませんでした。

公式が示しているのは、実際の支払いの可否は普通保険約款および特約に基づくという一文だけです。補償の細かい条件を契約前に読みたい場合は、カード会社に約款の提示を求めることになります。

社用スマホの保険を実質無料にする話は、金額の問題ではなく枠の問題でした。 無料で付いてくる補償は端末ではなくカードの本会員に紐づくため、台数をいくら数えても対象は増えません。

代表者の1台を年会費0円で守るところまでは、公式の記載どおりに成立します。 そこから先の42台をどうするかは、この制度とは別に決める必要があります。

結論:社用スマホの保険を実質無料にできるのは、三井住友カードの「選べる無料保険」でスマホ安心プランを選んだときだけである。年会費が永年無料のビジネスオーナーズなら追加の保険料はかからないが、申し込めるのは法人代表者と個人事業主に限られ、補償されるのは本会員1名分。社員43名・社用スマホ43台の会社なら、守れるのは代表者の1台で、残りの42台は補償の外に置かれる。しかもその1台の補償は画面割れの修理だけで、上限5万円・免責5,000円・初年度は補償開始から30日の除外があり、事故時点で直近2ヵ月以上の通信料をそのカードで払っていることが条件になる。社員に配りたいなら役職員をパートナー会員にできるビジネスカード for Owners になるが、クラシックで年9,295円、ゴールドで年50,600円がかかり、それでも19名分が上限である。
無料で守れる1台と、外に残る42台を分けて考えてください。

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