会社所有のスマホの保険は解約しても保険料が戻りません

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

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会社が持っているスマホに保険をかけるとき、比較されるのは月額と補償額です。約款を読むと、その手前に契約がいつ始まっていつ終わるかという条件が並んでいます。

支払った保険料が戻る場面は、ほとんど用意されていません。入るときも抜けるときも、会社が負担した分は将来に向かってしか効かないという設計になっています。

モバイル保険は月額700円(非課税)で1契約に主端末1台と副端末2台の計3台を登録できます。会社所有のスマホ36台なら月25,200円で、修理費用は3台を通算して年15万円まで補償されます。責任開始日は申込みと告知のいずれか遅い日の翌日で、契約日はその翌月1日です。
確かめるのは月額ではなく、いつ始まっていつ終わるかのほうです。

月700円・最大3台まで

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会社所有のスマホの保険は申込んだ日には始まりません

保険をかけた日から補償が効くと考えると、実際の開始日と1日以上ずれます。

手順条文上の扱い
申込みと保険料の受領契約が成立する
責任開始日申込みした日または告知した日のいずれか遅い日の翌日
契約日責任開始日の属する月の翌月1日

約款の第12条1項に、開始日の決め方が書かれています。

保険契約を申込みした日または第15条(告知義務)に定める告知した日のいずれか遅い日の翌日が責任開始日となります。

申込みと告知が別の日になった場合、遅いほうが基準になります。 総務が申込みを済ませ、告知の入力だけ翌週に回すと、責任開始日はその翌週から数えることになります。

さらに、責任開始日と契約日は別の日付です。契約日は責任開始日の属する月の翌月1日と定められています。

責任開始日の属する月の翌月1日を契約日とします。

この契約日が、あとで出てくる5年や1年の起算点になります。 台帳に記録するなら、申込日ではなく契約日を残すほうが条文と揃います。

社員に端末を配った日ではなく、告知が終わった日の翌日から補償が始まります。配布と申込みを同じ日に済ませても、告知が翌日にずれれば補償のない1日ができます。

加入の前に確認しておく条件は、法人でモバイル保険を契約できるかを整理した記事にまとめています。

保険期間が1年なのでクーリング・オフの対象外です

申込んだあとで考え直した場合の扱いも決まっています。

項目内容
保険期間1年
クーリング・オフ対象外
理由保険期間が1年以内であるため

重要事項説明書の注意喚起情報に、1行で書かれています。

この保険契約は、保険期間が1年以内であるため、クーリング・オフの対象とはなりません。

申込書を出したあとに社内で差し戻しがあっても、無条件で撤回する制度は用意されていません。 撤回ではなく解約として扱うことになり、その場合の返戻は後述の第27条に従います。

会社所有のスマホの保険は法人だけに向けた解除事由があります

約款の解除事由のうち1つは、契約者が法人である場合を名指しで書いています。

解除事由対象
保険金を詐取する目的の事故招致契約者・被保険者
保険金の請求に関する詐欺行為被保険者
反社会的勢力に該当する契約者
反社会的勢力が経営を支配または実質的に関与法人である場合

第18条1項(3)の(エ)が、その条文です。

(エ)法人である場合において、反社会的勢力(注)がその法人の経営を支配し、またはその法人の経営に実質的に関与していると認められること。

個人契約の条文をそのまま流用しているのではなく、法人向けの判定が別に置かれています。 会社として契約する以上、審査の対象は端末ではなく会社そのものになります。

同じ条の3項では、支払事由が生じた後でも解除できると定めています。解除の原因が生じた時から解除までに発生した事故には、保険金を支払わないという扱いです

解除の通知先が社員になることがあります

解除するときに誰へ知らせるかも、条文に書かれています。

状況通知先
通常保険契約者(会社)
契約者の住所または居所が不明被保険者(社員)
その他正当な事由で通知できない被保険者(社員)

第16条4項の後半に、その条件があります。

ただし、保険契約者の住所または居所が不明であるか、その他正当な事由によって保険契約者に通知できない場合には、被保険者に解除の通知をします。

会社が契約者で社員が被保険者という形をとると、会社に届かなかった通知は社員本人へ回ります。 第18条4項にも同じ規定が置かれています。

解除の事由は誰に向いているかが違う

担当者が異動して登録先のメールアドレスが生きていない会社では、この条件に当たります。登録情報を更新していない場合の扱いは、社員の端末の保険で契約後に残る手続きを整理した記事で扱いました。

会社所有のスマホの保険は契約から5年を超えると告知では解除されません

解除する側にも期限があります。第17条は、解除しない場合を5つ挙げています。

解除しない場合条文
契約日時点で解除の原因となる事実を知っていた第17条1項(1)
保険媒介者が告知を妨げた第17条1項(2)
保険媒介者が告知しないことを勧めた第17条1項(3)
事実を知った日から1ヶ月以内に解除しなかった第17条1項(4)
契約日から5年を超えて有効に継続した第17条1項(5)

5年の条文には、ただし書きが付いています。

(5)保険契約の契約日からその日を含めて5年を超えて有効に継続したとき。

ただし、契約日または、保険開始日からその日を含めて5年以内に保険金等の支払事由が生じていた場合を除きます。

5年を超えれば、告知の誤りを理由にした解除は行われません。 ただし5年以内に支払事由が生じていた契約は、この扱いから外れます。

自動継続で更新している会社なら、契約日から5年で1つの区切りが来ます。起算点は申込日ではなく、責任開始日の翌月1日である契約日です。

会社側の事実を知った日から1ヶ月でも解除できなくなります

もう1つの期限は、保険会社が事実を知ってからの日数です。

(4)当社が保険契約または当該被保険者部分の解除の原因となる事実を知った日(正当な事由によって解除の通知ができない場合には、その通知ができる時)からその日を含めて1ヶ月以内にこれを行わなかったとき。

解除の原因を知った日から1ヶ月を過ぎると、その事実では解除しないと定められています。 起算日は事実の発生日ではなく、保険会社が知った日です。

契約の条件を他社と並べたい場合は、法人の端末保険を比較した記事にまとめています。

会社所有のスマホの保険は取消しでも無効でも保険料が戻りません

解除とは別に、契約そのものがなかったことになる場面があります。

事実結果払い込んだ保険料
詐欺または強迫による締結取消し返還しない
保険金を不法に取得する目的の締結無効返還しない
第三者に不法に取得させる目的の締結無効返還しない

第14条の1項と2項に、それぞれ書かれています。

1.保険契約者または被保険者の詐欺または強迫により当社が保険契約を締結した場合には、当社は保険契約者に対する書面による通知をもって、この保険契約を取り消すことができ、すでに払い込まれた保険料は返還しません。

2.保険契約者または被保険者が、保険金を不法に取得する目的または第三者に保険金を不法に取得させる目的をもって保険契約を締結した場合には、当社は当該保険契約を無効とし、すでに払い込まれた保険料は返還しません。

取消しは通知によって行われ、無効は最初から効力がなかったものとして扱われます。 結果は違いますが、保険料が返還されない点は同じです。

重要事項説明書には、この3つが箇条書きで整理されています。申込者と被保険者のどちらの行為でも成立する書き方になっています。

取消しでも無効でも、保険料は戻らない

申込みの入力を誰が行うかという論点は、モバイル保険を法人で使うデメリットを並べた記事で扱いました。

会社所有のスマホの保険は解約しても保険料が戻りません

会社の都合で契約を終わらせる場合の扱いです。

項目内容
解約の方法書面による通知、または画面への入力と送信
解約できる時期いつでも
効力将来に向かって生じる
月払の解約返戻金ない

第26条2項が効力の範囲を定めています。

前1.の保険契約の解約は、将来に向かっての効力を生じます。

過去に払った分がさかのぼって戻る仕組みではありません。 解約した月までの保険料は、そのまま費用として残ります。

返戻の条件は第27条にあります。

保険料の払方が月払の場合、解約返戻金はありません。

ただし、解約日の属する月以降の保険料の入金を確認した場合は、翌月以降の保険料に相当する額の全額を返戻します。

返戻の対象になるのは、解約したあとに引き落とされてしまった分です。 重要事項説明書のほうは、より短く言い切っています。

この保険契約には解約返戻金はありません。

36台で契約していれば、途中でやめても払い終えた分は戻りません。 予算の組み方としては、返ってこない性質の支出として計上することになります。

期間の途中で払い方を変えられません

支払い方法についても、期間中の変更に制限があります。

変更したいもの期間中の扱い
払込方法(クレジットカード・口座振替など)当社の承諾を得て変えられる
払方(月払・年払の別)取り扱わない

第37条の1項と2項で、扱いが分かれています。

2.当社は、契約者より保険料払方の変更の申し出があっても、保険期間中の変更は取り扱いません。

カードを切り替えることはできても、月払と年払の別は期間中に動かせません。 経理の都合で年度の途中から年払いに寄せたい場合、継続のタイミングを待つことになります。

会社所有のスマホの保険は支払いの判断で他社と情報を照会し合っています

支払いや解除を判断するとき、1社の中だけで完結しない仕組みがあります。

制度支払時情報交換制度
参加している先日本少額短期保険協会、少額短期保険業者、特定の損害保険会社
目的保険金の支払い、または解除・取消し・無効の判断の参考
対象保険契約に関する所定の情報

重要事項説明書に、制度の説明があります。

当社は(社)日本少額短期保険協会、少額短期保険業者および特定の損害保険会社とともに保険金などのお支払いまたは保険契約の解除、取消しもしくは無効の判断の参考とすることを目的として、保険契約に関する所定の情報を相互照会しております。

参照される目的に、支払いだけでなく解除・取消し・無効の判断が明記されています。 複数の保険を併用している端末では、この照会が判断材料に入ります。

支払いの判断では他社と情報を照会し合う

他社の保証と重なったときの支払額については、会社のスマホとパソコンを同じ契約に入れた記事で計算しました。

会社所有のスマホの保険は金額でもめると評価人を1名ずつ立てます

支払われる金額に争いが生じた場合の手順も、約款に書かれています。

段階立てる人費用の負担
1双方が書面で選定する評価人 各1名各自が自分の評価人分を負担
2評価人の意見が一致しないとき、双方の評価人が選ぶ裁定人 1名半額ずつ

第39条の1項が、その流れです。

当事者双方が書面によって選定する各1名ずつの評価人の判断に任せます。この場合において、評価人の間で意見が一致しないときは、双方の評価人が選定する1名の裁定人にこれを裁定させます。

会社側も評価人を1名選んで書面で出す必要があります。 金額の交渉を担当者だけで進める形にはなっていません。

費用の分け方は2項にあります。自己の選定した評価人の費用は各自の負担です。

その他の費用(裁定人に対する報酬を含む。)は半額ずつこれを負担するものとします。

裁定人の報酬は半額ずつの負担になります。 争う金額が端末1台分の修理費であれば、手続きの費用のほうが上回ることもあります。

支払われない事由を先に確認したい場合は、業務端末の補償が降りない事由をまとめた記事を参照してください。

話がつかない場合の窓口が決まっています

会社と保険会社の間で解決しないときの相談先も、重要事項説明書に記載されています。

項目内容
名称少額短期ほけん相談室
運営一般社団法人日本少額短期保険協会
位置づけ指定紛争解決機関
受付時間平日 9:00〜12:00、13:00〜17:00

指定紛争解決機関が定められているため、訴訟の前に使える窓口があります。 土日祝日と年末年始は受付の対象外です。

会社所有のスマホ36台で年額を計算しました

社員1人に1台ずつ、36台を配っている会社で計算します。

支払い方計算金額
月額700円×36契約25,200円
年額700円×12か月×36契約302,400円

この302,400円は、契約が途中で終わっても戻らない前提の金額です。 終わり方によって扱いが変わるわけではありません。

契約が終わる理由条文払い込んだ保険料
会社の都合で解約した第27条解約返戻金はない
告知義務違反で解除された第16条5項返還しない
重大事由で解除された第18条5項返還しない
詐欺または強迫で取消しになった第14条1項返還しない
不法取得の目的で無効になった第14条2項返還しない
支払総額が上限に達して補償が消滅した重要事項返戻はない

どの行にも、払い終えた分が戻るという扱いはありません。 ただし第16条5項・第18条5項・第27条には、解除日や解約日の属する月以降に入金された分を返戻するというただし書きが置かれています。

戻るのは手続きのあとで引き落とされてしまった分で、それまでに払った分ではありません。この線引きを社内で共有しておくと、解約の稟議で戻り額を見込まずに済みます。

契約できる条件と月額の考え方は、複数端末の補償を一本化する記事に整理しました。

会社所有のスマホの保険で会社が先に決める3つのこと

契約の入口と出口の条件を踏まえると、申込みの前に決めておく項目が3つあります。

  • 申込みと告知を同じ日に終わらせるか、告知の担当と期日を先に押さえるか
  • 登録する連絡先を個人のアドレスにするか、異動しても生きる共有アドレスにするか
  • 解約時に戻らない前提で、年302,400円を固定費として計上するか

台帳に契約日の列を1つ足してください。責任開始日の属する月の翌月1日が契約日で、ここが5年の起算点になります。

決めた内容は、社内の管理台帳に列として残す形が扱いやすくなります。

  • 申込日ではなく契約日を記録する
  • 連絡先は担当者個人ではなく共有のものにする
  • 解約時の戻り額を予算に見込まない

登録できる端末の条件は、社用端末の保険で登録できる端末を整理した記事にまとめています。

会社所有のスマホの保険についてよくある質問

Q. 会社所有のスマホの保険は申込んだその日から使えますか

A. 責任開始日は申込みした日または告知した日のいずれか遅い日の翌日です。

申込みと告知が別の日になった場合は、遅いほうが基準になります。同じ日に両方を終わらせても、補償が始まるのは翌日からです。

Q. 会社所有のスマホの保険をクーリング・オフで撤回できますか

A. 保険期間が1年以内であるため、クーリング・オフの対象になりません。

重要事項説明書の注意喚起情報に記載されています。撤回ではなく解約として手続きすることになり、返戻の扱いは第27条に従います。

Q. 会社所有のスマホの保険を年度の途中で解約したら保険料は戻りますか

A. 月払の場合、解約返戻金はありません。

解約は将来に向かって効力を生じると第26条2項に書かれています。戻るのは解約日の属する月以降に入金が確認された分だけで、それまでに払った分は対象外です。

Q. 会社所有のスマホの保険は解除されると保険料が返ってきますか

A. 告知義務違反による解除でも重大事由による解除でも、すでに払い込まれた保険料は返還されません

第16条5項と第18条5項に同じ内容が置かれています。解除した日の属する月以降の入金を確認した場合だけ、翌月以降の分が返戻されます。

Q. 会社所有のスマホの保険で解除の連絡は会社に来ますか

A. 原則は保険契約者である会社に通知されます。

ただし住所や居所が不明な場合、その他正当な事由で通知できない場合は被保険者に通知すると第16条4項にあります。登録した連絡先が使えなくなっていると、社員本人へ回ります。

Q. 会社所有のスマホの保険は加入から何年経っても解除されますか

A. 契約日から5年を超えて有効に継続したときは、告知を理由にした解除を行わないと第17条1項(5)に定められています。

ただし契約日または保険開始日から5年以内に支払事由が生じていた場合は、この扱いから外れます。起算点は申込日ではなく、責任開始日の属する月の翌月1日である契約日です。

Q. 会社所有のスマホの保険は月払から年払に変えられますか

A. 保険期間中の払方の変更は取り扱わないと第37条2項に書かれています。

クレジットカードから口座振替へといった払込方法の変更は、当社の承諾を得て行えます。月払と年払の別だけが、期間中の変更の対象外です。

Q. 会社所有のスマホの保険で支払額に納得できない場合はどうなりますか

A. 双方が書面で評価人を1名ずつ選定し、その判断に任せると第39条にあります。

評価人の意見が一致しない場合は、双方の評価人が裁定人を1名選びます。自分が選んだ評価人の費用は各自が負担し、裁定人の報酬は半額ずつの負担になります。

保険をかける判断は、月額と補償額だけでは決まりません。入るときの開始日と、抜けるときに戻らない金額の両方を並べて初めて、社内で説明できる形になります。

36台なら年302,400円が動きます。この金額を戻らない費用として置いたうえで、修理費の実績と比べる順番が扱いやすくなります

結論:会社所有のスマホの保険は、払った保険料が戻る場面がほとんど用意されていない。解約しても解約返戻金はなく、取消しでも無効でも返還されない。責任開始日は申込みと告知のいずれか遅い日の翌日で、そこから数えた翌月1日が契約日になる。台帳に契約日の列を1つ足せば、5年の起算点と解除の期限が同じ行で追える。
月額を比べる前に、途中でやめたときに何が戻るかを確かめてください。

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