保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
知恵袋で「auの補償はいらない」という回答を読んで、社用の54台も同じようにやめられると思っていないでしょうか。その回答が拠り所にしている制度は、契約者が法人になった時点で3つとも外れます。
外れるのは保護の側だけで、毎月の請求はそのまま続きます。 社員54名のスマートフォンと11台のタブレットで、年540,540円が動いています。
社用スマホのauの補償がいらないという知恵袋の回答は個人の契約を前提にしています
知恵袋に並んでいる「やめ方」は、どれも間違っていません。個人が自分の名義で契約したスマホの話としては、書かれているとおりに動きます。

社用スマホは、契約者が会社で、使う人が社員です。この一点で、回答が前提にしている3つの制度がまとめてずれます。
| 制度 | 守る相手 | 社用スマホでの扱い |
|---|---|---|
| 消費者契約法 | 個人(事業のための契約を除く) | 対象外 |
| 特定商取引法の訪問販売・通信販売・電話勧誘販売 | 営業のためではない購入者 | 適用除外 |
| 電気通信事業法の初期契約解除 | 告示で指定された役務の利用者 | 指定外のオプションには及ばない |
個人向けの手順そのものはauの故障紛失サポートがいらないかという知恵袋の質問で分解しています。社用スマホで変わるのは手順ではなく、やり直しが効くかどうかのほうです。
社員54名と11台のタブレットで、年540,540円が出ていきます。 戻せるかどうかを調べているあいだも、この金額は動き続けます。
社用スマホのauの補償は消費者契約法の消費者に当たりません
消費者契約法は、守る相手を条文の冒頭で定義しています。その定義に社用スマホの契約者が入るかどうかが、最初の分かれ道です。
この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
括弧の中が社用スマホの位置です。事業のために契約の当事者になる場合は、個人であっても消費者から外されています。
この法律(第四十三条第二項第二号を除く。)において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。
会社は「法人その他の団体」なので、そのまま事業者の側に置かれます。社員個人の名義で申し込んでも、業務のための契約である限り扱いは変わりません。
この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。

会社とauはどちらも事業者なので、この契約は消費者契約になりません。不当な条項を無効にする規定も、誤認による取消しの規定も、最初から働きません。
社用スマホでは、条項がおかしいと感じても法律で取り消す入口がありません。申し込む前に条件を読む段階が、事実上の最後の防衛線になります。
社用スマホのauの補償は特定商取引法が営業のための契約を外しています
クーリングオフという言葉のもとになっているのが特定商取引法です。この法律は適用しない場面を、第26条でまとめて並べています。
前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
「前三節」が訪問販売と通信販売と電話勧誘販売の章にあたります。この3つに当たる取引でも、次に並ぶ号に該当すれば規定は適用されません。
売買契約又は役務提供契約で、第二条第一項から第三項までに規定する売買契約若しくは役務提供契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供
第1号がこれです。営業のために締結する契約は、この一文で章ごと適用の外に出ます。
- 店頭で申し込んだ場合は、そもそも訪問販売にも電話勧誘販売にも当たらない
- オンラインで申し込んだ場合は通信販売に当たるが、第1号で適用が外れる
- どちらの入口を通っても、社用スマホには章の規定が残らない
申込の方法を変えても結論は動きません。社用スマホに8日のクーリングオフが付く経路は、この条文の並びの中にありません。
社用スマホを社員に渡す場面も適用除外の条文に並んでいます
会社が契約した端末を社員に持たせる場面も、同じ第26条に出てきます。第5号が、事業者から従業者への提供を名指しで外しています。
事業者がその従業者に対して行う販売又は役務の提供

社内で費用の一部を回収する運用にしても、この号の範囲に入ります。会社と社員のあいだにも、消費者向けの巻き戻しは発生しません。
解約そのものの手続きは法人のau故障紛失サポートの解約で整理しています。そこで扱っているのは通常の解約で、この記事で扱っているのは無条件のやり直しのほうです。
モバイル保険は月700円(非課税)で、主端末1台と副端末2台の最大3端末までを1つの契約で補償します。公式のよくある質問には法人契約も可能と書かれていますが、被保険者は個人である必要があるため、契約の数は端末ではなく人数で決まります(調べた時点)。社員54名なら54契約で年453,600円です。auの故障紛失サポートは端末ごとに課金されるので、社員54名が持つスマートフォンとタブレット65台では年540,540円になります。どちらも申し込んだあとに無条件で戻す制度は使えないので、判断できるのはこの2つの数字を並べた最初の1回だけです。
数えるのは台数ではなく人数です。
社用スマホのauの補償に初期契約解除が届く範囲は告示で決まっています
8日以内に解除できるという制度は、電気通信事業法の初期契約解除です。ただしこの制度が届く役務は、あらかじめ範囲が絞られています。
その一端が移動端末設備と接続される伝送路設備を用いて提供される電気通信役務であつて、その内容、料金その他の提供条件、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務大臣が指定するもの
第26条第1項第1号がこれで、対象は総務大臣が指定したものに限られます。指定をどうやって行うかまで、条文に書かれています。
前項各号の規定による指定は、告示によつて行う。
初期契約解除を定めた第26条の3第1項は、対象を「第二十六条第一項第一号又は第二号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約を締結した利用者」と書いています。告示で指定された回線の契約だけが対象になります。
故障紛失サポートは回線に付けるオプションで、この指定の中に置かれていません。au公式の3ページに、クーリングオフという言葉は1件もありません。
社用スマホのauの補償がいらないと知恵袋で読んでも書面で戻す道はありません
初期契約解除が効く契約では、解除の手続きと効果が条文で決まっています。効かない契約では、その手続きごと存在しません。
前項の規定による電気通信役務の提供に関する契約の解除は、当該契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
書面を出した時点で効力が生じます。相手に届くのを待たずに、発した日で切れる仕組みです。
電気通信事業者は、第一項の規定による電気通信役務の提供に関する契約の解除があつた場合には、当該契約の解除をした者に対し、当該契約の解除に伴い損害賠償若しくは違約金を請求し、又はその他の金銭等(金銭その他の財産をいう。次項において同じ。)の支払若しくは交付を請求することができない。
違約金の請求も止まります。戻すこと自体に費用がかからない、という設計です。
前各項の規定に反する特約で利用者に不利なものは、無効とする。
契約書でこれに反する特約を置いても効きません。ここまでが、初期契約解除が届く契約の側の話です。
- 書面を発した時点で解除の効力が生じる
- 解除に伴う違約金や損害賠償を請求されない
- 利用者に不利な特約は無効になる
- 社用スマホのオプションはこの3つの手前にあり、どれも発生しない
会社側でできるのは、通常の解約の手続きだけです。やめた月の扱いも通常の解約と同じで、申込前の状態に戻すことはできません。
社用スマホのauの補償は入る前に54名65台で決め切る形になります
戻す制度が使えないので、判断できるのは入る前の1回だけです。そこで材料になるのは条文ではなく、金額の側になります。
auの月額は機種ごとに分かれています。表記のルールも公式に明記されています。
表記の金額は特に記載のある場合を除きすべて税込です。
| 対象 | 月額(税込) |
|---|---|
| スマートフォン(4G LTE)/ タブレット(4G LTE) | 693円 |
| 2022年5月16日以前発売のAndroidスマートフォン(5G) | 726円 |
| iPhone 15 / 14 / 13 / 13 mini / SE(第3世代) | 790円 |
| iPhone 15 Pro / 14 Pro / 13 Pro | 880円 |
| ケータイ(4G LTE)/ データ通信端末 | 418円 |
社員54名が4G LTEのスマートフォンを1台ずつ持ち、うち11名が業務用タブレットも持つとします。対象は65台になり、693円で年540,540円です。
| 項目 | auの故障紛失サポート | モバイル保険 |
|---|---|---|
| 数える単位 | 端末ごと | 契約する人ごと |
| 対象の数 | 65台 | 54契約 |
| 年間 | 540,540円 | 453,600円 |
| 差 | — | 86,940円 |
端末が増えるほど差は開きます。タブレット11台が丸ごと乗るかどうかが、86,940円の中身です。
補償そのものを持たないという選択は社用スマホの保険はいらないかで扱っています。この記事で比べているのは、入るとしたらどちらか、という手前の1回です。
ここで並べた金額は、公式サイトの表記を調べた時点の内容で計算したものです。契約の数は自社の端末構成や名義の置き方で変わるので、稟議に出す前に台数と名義の一覧を作ってから当ててください。
戻す制度が使えない以上、決められるのは申し込む前の1回だけです。先に54名65台の一覧を作り、86,940円の差を確定させてください。
社用スマホのauの補償がいらないかについてよくある質問
Q. 社用スマホでもクーリングオフはできますか
A. できません。
特定商取引法の第26条第1号が、営業のために締結する契約を適用の外に置いています。店頭でもオンラインでも、社用として契約する限り結論は同じです。
Q. 法人契約でも8日以内なら解除できますか
A. オプションには効きません。
初期契約解除の対象は、告示で指定された第1号と第2号の役務に限られています。回線に付ける補償オプションは、その指定の中に置かれていません。
Q. 知恵袋にある退会の手順は社用スマホでも同じですか
A. 手順は同じです。
違うのは、やり直しが効くかどうかの部分だけです。通常の解約はできますが、無条件で申込前に戻す制度は使えません。
Q. モバイル保険は法人でも契約できますか
A. 契約できます。
公式のよくある質問に、法人契約も可能と書かれています。ただし被保険者は個人である必要があるため、契約の数は人数で決まります。
Q. 693円と700円では社用スマホではどちらが安くなりますか
A. 端末の持ち方で変わります。
1人1台だけなら1台あたり7円の差にしかなりません。54名65台の構成では、モバイル保険のほうが年86,940円少なく済みます。
知恵袋の回答は、個人のスマホの話としては正しく機能します。社用スマホでそのまま使えないのは、書いた人が間違えたからではなく、契約者が法人だからです。
戻す制度がないという事実は、判断を早める材料にもなります。 54名65台の一覧を1枚作った日に、86,940円の差は確定します。
戻せない前提で先に数えてください。
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