法人のau故障紛失サポートの解約は回線をやめても自動では止まりません

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

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社員が退職したので回線を解約した、それで請求は止まったはずだ。総務の方からそう聞いたあとで請求書を並べてもらうと、使っていない番号の行に故障紛失サポートの月額だけが残っていることがあります。

auの故障紛失サポートは、au契約を解約するときに継続か解約かを選べる仕組みになっています。 選ばなければ残るという設計なので、誰も選ばなかった回線の分だけ月額が積み上がっていきます

法人のau故障紛失サポートの解約は3つの意味で使われています

社内で解約という言葉が飛び交うとき、その一語は3つの別々の出来事を指しています。 ここを分けないまま話すと、手続きをしたつもりの人と、まだ何もしていない人が同じ会議に座ることになります。

解約の意味何が起きるか誰かが動いたか
手続きとしての解約退会して月額が止まる契約者本人が動いた
選ばなかった結果解約されず月額が残る誰も動いていない
自動的な解約補償だけが先に消える誰も動いていない

厄介なのは下の2つで、どちらも社内では「何もしていない」状態です。 それなのに片方は課金が続き、もう片方は補償が切れるという逆の結果になります。

解約されなかったのか、勝手に解約されたのか。請求書だけを見ても、この2つは区別できません。

個人の方が自分の回線をやめるときの手順は、au故障紛失サポートの解約手順の記事に整理しています。 法人の場合は手順より前に、いま自社がこの3つのどれに当たるのかを数える作業が要ります。

法人のau故障紛失サポートの解約はau契約をやめても自動では起きません

回線をやめれば付帯サービスも一緒に消える、という前提がここで崩れます。 au公式のご注意欄には次のように書かれています。

au契約を解約する場合、「故障紛失サポート」は継続か解約かを選択できます。

選択できるという書き方は、裏を返せば選ばなければ決まらないという意味です。 手続きの画面で継続と解約のどちらも選ばずに進めば、サービスは残ったままになります。

オンラインで手続きする場合の記載も同じ構造です。

au Online ShopまたはUQ mobileオンラインショップでお手続きの場合、継続または解約を選択できます。

社員の退職に伴う回線整理は、総務が名義変更や解約を一気に処理する場面なので、この選択が最も抜けやすい工程です。 1回線あたり数百円なので、翌月の請求書を合計額でしか見ていないと気づけません。

  • 退職者の回線を解約したのに、故障紛失サポートの明細行が残っている
  • 番号を解約したので、そもそも明細を確認していない
  • 解約したはずの月から、金額が変わらないまま数か月が経っている

料金の内訳そのものは法人のau故障紛失サポートの料金の記事にまとめています。 単価が分かっていれば、残っている行が何台分なのかを逆算できます。

法人のau故障紛失サポートの解約はpovo2.0へ移すと片方だけ消えます

通信費の削減でpovo2.0へまとめて移行すると、2つの補償サービスが正反対に動きます。 au公式には、それぞれ次のように書かれています。

au料金プランからUQ mobile料金プランまたはpovo料金プランへ変更する場合、「故障紛失サポート」は継続となり月額料が発生します。

au料金プランからpovo2.0料金プランへ変更する場合、「持ち込み故障サポート」は自動的に解約となります。

残るのは月額の高いほうで、消えるのは会社が調達した端末を守っていたほうです。 通信費を下げる目的の移行で、補償の穴だけが開くという結果になります。

変更先故障紛失サポート持ち込み故障サポート
UQ mobile継続(月額発生)継続(月額発生)
povo2.0継続(月額発生)自動的に解約

UQ mobileへ移す場合は挙動が揃います。

au料金プランからUQ mobile料金プランへ変更する場合、「持ち込み故障サポート」は継続となり月額料が発生します。

同じコスト削減の打ち手でも、移行先をpovo2.0にするかUQ mobileにするかで補償の残り方が変わります。 通信費の比較表だけで移行先を決めると、この差は検討の材料に載りません。

モバイル保険は月700円(非課税)で、主端末1台と副端末2台の最大3端末までを1つの契約で補償します。公式FAQには法人契約も可能と書かれていますが、被保険者は個人である必要があるため、契約数は台数ではなく人数で決まります(調べた時点)。auと違うのは回線にひも付いていない点で、回線を解約してもプランを変えても、補償が勝手に消えたり勝手に残ったりしません。継続か解約かを選び忘れて月額だけが走り続ける、という状態が起きない作りです。補償が始まるのは申込日の翌日午前0時からなので、回線の解約日より前に申し込んでおけば空白の日も作らずに済みます。社員49名なら49契約で年411,600円です。
回線を解約しても補償の側は動きません。

月700円・最大3台まで

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法人のau故障紛失サポートの解約は一時休止だけ扱いが逆になります

休職の回線は止め方で決まる

産休や休職で回線を一時休止するとき、持ち込み故障サポートは解約と同じ扱いになります。 ただしここには例外がひとつ書かれています。

au契約を解約・一時休止する場合、「持ち込み故障サポート」は自動的に解約となります。ただし、一時休止時に本サービスにご加入中であった場合は、再開時に再加入できます。

この再加入できますという一文が、実は例外中の例外です。 通常の加入条件は次のように限定されているからです。

本サービスのご加入はauのご契約時に限ります。auのご契約と同時に端末をご購入の場合は加入できません。解約などされた場合、再加入できません。

つまり自分から解約すると二度と入れないのに、一時休止で自動解約になった場合だけは戻る道が残されています。 休職者の回線を「どうせ使わないから」と解約してしまうと、復職時に補償のない端末を渡すことになります。

休職者の回線は解約ではなく一時休止にする。同じ「止める」でも、戻ってきたときの選択肢が変わります。

再開後に月額が再び動き出す起点も決まっています。

端末登録を完了した日から月額料がかかります。月の途中で端末登録した場合、日割りとなります。

復職の日に端末を渡しても、端末登録を後回しにすれば補償はその間だけ空きます。 月額が発生していない期間は、守られていない期間でもあります。

法人のau故障紛失サポートの解約を機種変更で忘れると二重に払います

機種変更のたびに、古い端末の分をどうするかという判断が発生します。 故障紛失サポートは、ここでも選択式です。

機種変更時・端末増設時などにより、新しいau携帯電話をご購入いただいた場合、以前にご利用のau携帯電話に対する「故障紛失サポート」は継続か解約かを選択できます。

持ち込み故障サポートのほうは、選択ですらなく自動で残ります。 公式には次のように書かれています。

機種変更時・端末増設時などにより、新しいau携帯電話をご購入いただいた場合、「持ち込み故障サポート」は継続となります。

新しい端末に故障紛失サポートを付けた場合、古い側の持ち込み故障サポートは自分で解約手続きをしない限り残り続けます。 1台の社員に2つの補償が並走し、そのどちらもが毎月請求されます。

状況単価続いた期間無駄になった額
旧端末分を解約し忘れた1人726円18カ月13,068円
同じことが3人で起きた場合2,178円/月12カ月26,136円

金額が小さいので、社内で誰かが気づいて調べ直す動機が生まれにくいところが本当の問題です。 端末台帳と請求明細を突き合わせる担当を決めていない会社では、この行は何年でも残ります。

  • 機種変更のたびに、旧端末側の補償をどうしたか記録する
  • 交換後に不要となった持ち込み故障サポートは、解約手続きを別に行う
  • 請求明細の行数と、稼働している端末の台数を毎月そろえる

法人のau故障紛失サポートの解約と社員への貸与は別々に終わります

auとの契約を終わらせても、社員に端末を貸している状態はそのまま残ります。 会社が社員に無償で端末を貸す関係は、民法上の使用貸借にあたります。

当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。

在職中の業務利用という目的で貸していたのであれば、退職した時点でその目的は終わっています。 目的すら定めずに渡していた場合の規定は別に置かれています。

当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。

どちらの条文でも会社は端末を返してもらえますが、返してもらう手続きは補償の解約とは完全に別の作業です。 補償だけ止めて端末を回収し忘れると、会社の資産が社外に出たまま守られていない状態になります。

終わらせる対象相手手続き
故障紛失サポートau解約または継続の選択
端末の貸与社員返却の受け取りと記録

退職の手続きに、回線の解約と端末の返却を別々のチェック欄として並べる。1つの欄にまとめると片方が抜けます。

法人のau故障紛失サポートの解約後の損傷は責任の所在で分かれます

返ってきた端末に傷や割れがあったとき、誰が直すのかは条文で分かれます。 民法には次のように定められています。

借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

社員の落下や水没であれば原状に復する義務を負いますが、経年劣化や自然故障であればこの限りではありません。 補償が付いていれば保険会社が負っていた部分が、解約後は会社と社員のどちらかへ移ります。

損傷の原因補償があるとき解約後
落下・水没など社員の過失保険や補償で処理社員が原状に復する義務
経年劣化・自然故障保険や補償で処理会社が負担

現実には、その傷が過失によるものか経年によるものかを退職の日に判定するのは簡単ではありません。 補償を外すというのは、この判定を毎回社内でやると決めることと同じです。

修理費そのものを会計上どう扱うかは、社用iPhoneの画面割れの修理費の扱いの記事にまとめています。 誰が払うかを決めたあとに、その支出をどの科目で落とすかという順番になります。

法人のau故障紛失サポートの解約後は端末が戻ってから1年で締まります

請求できるのは返却から1年

社員に費用を請求できる期間にも上限があります。 民法は起算日を返却の日に置いています。

契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならない。

起算日は解約した日ではなく、会社が端末を返してもらった日です。 退職から半年後に倉庫を整理していて傷に気づいた、という進み方をすると残り時間が少なくなります。

  • 返却を受けた日を、端末台帳に日付として記録する
  • 返却の場でその場の状態を写真に残す
  • 修理に出すかどうかの判断を、返却日から起算して決める

補償を解約するという判断は、リスクを保険会社から社内へ移す判断であり、そのリスクには期限が付いているということになります。 期限のあるリスクを引き受けるなら、返却の記録を残す仕組みが先に要ります。

法人のau故障紛失サポートの解約を社員49名で数え直しました

社員49名にAndroidの社用スマートフォンを1台ずつ渡している会社を想定して、金額を並べます。 故障紛失サポートの単価は2022年5月16日以前発売のAndroidスマートフォンで月726円です(調べた時点)。

項目単価月額年額
故障紛失サポート726円49名35,574円426,888円
モバイル保険700円49契約34,300円411,600円
差額1,274円15,288円

年間の差は15,288円なので、この数字だけを見て乗り換えを決める理由にはなりません。 見るべきは426,888円のうち、すでに使われていない端末の分がいくら混じっているかのほうです。

モバイル保険の契約数が台数ではなく人数で決まる点には注意が要ります。 公式FAQには次のように書かれています。

法人契約も可能です。

ただし被保険者は個人である必要があります。

社員49名が1台ずつ持つ構成なら49契約が必要になり、1契約で3台という枠は同じ人が3台持つ場合の枠です。 ここを台数で割って計算すると、実際より安い見積もりが出てしまいます。

法人のau故障紛失サポートの解約についてよくある質問

Q. 法人でau回線を解約すればau故障紛失サポートも自動で解約されますか

A. 自動では解約されません。継続か解約かを選ぶ形になっています。

公式には継続か解約かを選択できると書かれているので、どちらも選ばずに手続きを終えると残ります。回線を解約した番号の明細に月額が残っていないか、翌月の請求書で行単位の確認が要ります。

Q. 法人のau故障紛失サポートの解約は総務がまとめて手続きできますか

A. 契約の名義と回線ごとの手続きになります。

台数分の月額をまとめて払っていても、解約の判断は回線1本ずつに紐づいています。何台あるかではなく何回線あるかで作業量が決まるので、退職者リストではなく回線一覧から進めたほうが漏れません。

Q. povo2.0に移行したあとで法人のau故障紛失サポートに入り直せますか

A. 持ち込み故障サポートは再加入できません。

加入はauの契約時に限られ、解約などされた場合は再加入できないと明記されています。唯一の例外は一時休止による自動解約で、この場合だけ再開時に入り直せます。

Q. 法人のau故障紛失サポートの解約後に社員が端末を壊したら誰が払いますか

A. 損傷の原因によって分かれます。

社員の過失によるものであれば原状に復する義務を負い、責めに帰することができない事由であれば負いません。判定する人が社内にいないまま補償を外すと、退職のたびに交渉が発生します。

Q. 法人のau故障紛失サポートの解約とモバイル保険への切り替えはどちらが先ですか

A. 先に切り替えを済ませてから解約するほうが安全です。

モバイル保険の補償が始まるのは申込日の翌日午前0時からなので、回線の解約日より前に申し込んでおけば補償の空白日が生まれません(調べた時点)。解約を先に済ませてから申し込むと、申込日の当日までは会社も保険会社もどちらも見ていない日が残ります。

会社が払っているのに会社が動けない、というねじれがauの補償にはあります。月額を止める判断も、補償を残す判断も、最後は回線1本ずつの画面で誰かが選ばなければ確定しません

請求書の合計額を追いかけるのをやめて、稼働している端末の台数と明細の行数をそろえるところから始めるほうが早いです。そのうえで、選ばなくても勝手に消えたり残ったりしない形にできるかどうかが、次に検討する材料になります。

結論:法人でau回線を解約しても、故障紛失サポートは継続か解約かを選択できると書かれているだけなので、どちらも選ばなければ月額が残る。逆に持ち込み故障サポートはau契約の解約でも一時休止でもpovo2.0への変更でも自動的に解約となり、補償の側が先に消える。同じ「解約」という一語が、意図してやる退会と、選ばなかったので残ることと、何もしていないのに消えることの3つを指しているので、請求書だけを見てもどれが起きたのか判別できない。社員49名分なら故障紛失サポートは年426,888円、モバイル保険は49契約で年411,600円、差は15,288円になる。ただし効くのは差額ではなく、426,888円の中に稼働していない端末の行が何本混じっているかを誰も数えていないほう。機種変更のたびに旧端末分を解約し忘れると1台18カ月で13,068円、3名分なら年26,136円が静かに積み上がる。明細の行数と稼働台数をそろえて、選ばれずに残った行を特定するところから始めたほうが早い。
選ばれずに残った行から数えてください。

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