法人のドコモの安心パックの補償は会社が払っても社員個人に紐づきます

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

スマホ保険の比較記事を見る →

社用のスマートフォンを法人契約で配るとき、あんしんパックを付けるかどうかを総務で決めることになります。台数分だけ月額が積み上がるので、付ける価値があるのかを先に確かめておきたいところです。

公式ページを読み進めると、月額を払うのは会社なのに、パックの中身は社員個人の名義で動く設計になっていました。この記事では、特典もポイントも交換端末も受け取り先が会社ではないという構造を公式の文言と法令で確かめたうえで、社員38名の会社で年額がいくらになるかを数えました。

法人のドコモの安心パックの補償は会社が払っても受け取るのは社員個人です

ドコモの安心パックは、端末の補償と遠隔サポートとセキュリティを1つにまとめた月額サービスです。会社が法人名義で契約しても、実際にサービスを動かす場面では端末を持つ社員の情報が要ります

公式のご注意事項にはこう書かれています。

サービス利用時には、加入申込みの際に一時的に発行された携帯電話番号・ご名義、dアカウント・ビジネスdアカウントが必要となります。

支払いの名義は法人でも、動かすときに要るのはその端末の名義とアカウントです。費用の出所と、サービスの受け皿が同じ場所にありません。

会社が負担するもの社員個人に紐づくもの
月額料金dアカウント
交換時の負担金3つの付帯補償の対象
端末そのものの購入費還元されるdポイント
資産としての管理責任交換で届いた端末の初期アカウント

月額を払う主体と、補償の中身を受け取る主体が分かれています。

法人のドコモの安心パックの補償に付く3つの特典は個人の生活を守るものです

smartあんしん補償には、端末の補償とは別に3つの付帯補償が付いています。中身を1つずつ見ると、どれも会社の資産ではなく個人の生活を対象にしていました

1つ目のイエナカ機器補償は、次のように説明されています。

ドコモ指定のデジタル機器が故障した際、修理や代替品の提供により補償します。

「smartあんしん補償」の「ご利用機種の補償」に自動付帯されます。

イエナカという名前のとおり、対象は家の中に置いてあるデジタル機器です。社員の自宅のテレビや冷蔵庫が壊れたときに働く補償で、会社の備品は入っていません。

2つ目のスマホ不正決済補償には、次の条件が付いています。

決済事業者などから不正使用の認定を受けなかった場合(認定を受けても決済事業者から客観的な通知が行われなかった場合も含む)は補償対象外です。

守るのは社員が個人で使っているQRコード決済の被害です。会社の経費決済ではなく、認定の通知を受け取るのも社員個人になります。

付帯補償守っている場所会社の資産と関係するか
イエナカ機器補償社員の自宅にあるデジタル機器しない
スマホ不正決済補償社員個人のQRコード決済しない
携行品補償mini社員が外に持ち出す私物しない

3つとも、会社が守りたい社用端末そのものとは別の領域に向いています。月額の内訳のうち3つ分は、社員の私生活の側に配られていることになります。

法人のドコモの安心パックの補償の携行品補償miniは個人名義でしか申し込めません

3つ目の携行品補償miniには、ほかの2つにはない加入条件が書かれています。ここが法人契約と真正面からぶつかる箇所でした。

外出先のお持物を守る「携行品補償mini(特典)」を無料提供!

満18歳以上満70歳以下の方で、個人名義のdアカウントを保有の方のみお申込みになれます。

個人名義のdアカウントを持っている人しか申し込めないと書かれています。法人名義で契約している会社は、この特典の入口に立てません。

  • 会社は月額を払っている
  • 特典の申込条件は個人名義のdアカウントの保有
  • 会社の名義では申し込みそのものができない
  • 社員が自分のdアカウントで申し込めば使えるが、その補償は社員の私物に対して働く

社員が個人で申し込めば特典は成立します。ただしそのとき守られるのは社員の私物であって、会社が配った端末や備品ではありません

無料の特典が付くという説明を、会社の得だと読み違えやすい箇所です。

モバイル保険は月700円(非課税)で、主端末1台と副端末2台の最大3端末までを1つの契約で補償します。公式FAQには法人契約も可能と書かれていますが、被保険者は個人である必要があるため、契約数は台数ではなく人数で決まります(調べた時点)。戻ってくるのは修理費の実費で、dポイントのように期間と用途が限られる形ではありません。パックのように遠隔サポートやセキュリティは束ねられていないので、社用端末で守りたいものが修理費に絞れている会社ほど計算が合います。社員38名なら38契約で年319,200円です。
戻るのはポイントではなく修理費の実費です。

月700円・最大3台まで

モバイル保険の公式ページを見る →

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法人のドコモの安心パックの補償で戻るポイントは社員のdアカウントに入ります

交換や修理を使ったときの負担金には、ポイントが還元される特典が付いています。ただし戻ってくる形はdポイントです

交換、修理サービス利用時のお客さまご負担金に対してポイントが還元されます。

進呈するdポイント(期間・用途限定)の有効期限は進呈日を含めて6か月後月末です。

負担金を会社が払っていても、還元されるのはdアカウントに紐づくポイントです。現金でも請求の減額でもないので、経理上は会社に何も戻ってきません。

項目出す側戻る側
月額料金会社なし
交換時の負担金会社なし
還元されるdポイントなし社員個人のdアカウント

この種のずれは、端末ごとの契約先と受益者を一覧にしていない会社ほど見つけにくくなります。台帳の作り方は法人の端末保証の管理で整理しました。

法人のドコモの安心パックの補償で届く交換電話機には社員のdアカウントが付きます

端末を交換すると、届いた新しい端末には自動でアカウントが設定されます。設定されるのは会社のアカウントではありません。

補償受付日から14日間は、交換電話機に自動でお申込み回線契約に紐づいたdアカウントが設定されます。

回線契約に紐づいたdアカウントが、届いた端末に自動で入ります。会社が資産として管理している端末に、社員個人のアカウントが最初から乗った状態になります

譲り渡すときの注意事項も書かれています。

交換電話機を第三者へ譲渡する場合は、譲受人がお客さまの情報を閲覧できてしまう場合があるため、必ずdアカウント自動設定後に交換電話機の初期化を実施してください。

社員が退職して端末を別の社員に回すとき、この初期化を挟まないと前任者の情報が見える状態のまま渡ることになります。会社の運用としては、交換のたびに初期化の担当者を決めておく必要があります。

旧端末の返送についても、消去の担当が明記されています。

旧電話機内に保存されているデータは、消去不可能なものを除き、送付前にすべてお客さまご自身で消去してください(電話帳、送受信メール、写真などおよびICカード内の電子マネーやポイントに関するデータ(おサイフケータイ対応サービスご利用の場合)や各サービスご利用データなど)。

消去するのは「お客さまご自身」、つまり端末を持っている社員です。業務の連絡先や取引先とのやり取りが入ったまま返送される余地が、会社の手の届かないところに残ります。

法人のドコモの安心パックの補償に含まれる遠隔サポートは画面を外部に見せます

パックにはあんしん遠隔サポートが含まれています。名前のとおり、オペレーターが端末の画面を見ながら案内する仕組みです

あんしん遠隔サポートセンターに接続し、オペレーターがお客さまのスマートフォン・タブレットの画面を遠隔で確認しながら操作や設定のサポートをするためのアプリです。

社員が業務中の端末で接続すれば、画面に出ているものがそのまま外部に見えます。メールの本文や顧客の一覧が開いていれば、それも画面の一部です。

個人情報保護法は、従業者と委託先の両方に監督を求めています。

(従業者の監督)

第二十四条

個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

(委託先の監督)

第二十五条

個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

社員が個人の判断でサポートに繋ぐ運用だと、会社は誰がいつ何を見せたかを把握できません。監督の義務は会社に残るのに、実行の記録は会社の外にあることになります。

遠隔サポートに繋ぐ前に業務画面を閉じる手順を決めるかどうかで、会社の負う範囲が変わります。

法人のドコモの安心パックの補償と一緒に配るクラウドは社員個人の保管領域です

配る前に確かめる4項目

ドコモの契約にはデータ保管BOXというクラウドが付いてきます。ここに業務のファイルが乗ると、置き場所が会社の管理の外に出ます。

データ保管BOXに保存しているデータは、家族や友人へ共有できるので、メールでは送れない大容量のファイルを共有したいときに便利です。

ブラウザ版をご利用いただくには、「dアカウント」が必要です。

想定されている共有相手は家族や友人です。入口になるのは社員個人のdアカウントなので、会社側に共有の履歴が残りません。

不正競争防止法は、営業秘密を次のように定義しています。

この法律において「営業秘密」とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。

条文の先頭にあるのは「秘密として管理されている」という条件です。社員個人のクラウドに置いたまま共有の履歴も追えない状態だと、この管理の条件を満たしていると説明しにくくなります

  • 保管先は社員個人のdアカウントに紐づくクラウド
  • 共有機能が想定している相手は家族や友人
  • 会社側に共有先や共有日時の記録が残らない
  • 営業秘密として扱いたい情報が入ると、秘密として管理している状態の説明が難しくなる

法人のドコモの安心パックの補償の費用を社員38名で数えました

社員38名に社用スマートフォンを1台ずつ配っている会社で、年額を出しました。ケータイ補償サービスが月363円のコースに当たる機種で並べます

項目単価月額年額
あんしんパック モバイル825円38名31,350円376,200円
モバイル保険700円38契約26,600円319,200円
差額4,750円57,000円

年間で376,200円を会社が負担します。この金額を払っても、前の章までに見た特典とポイントは会社の名義では受け取れません。

割引についても、公式に条件が書かれています。

月額料金およびお客さまご負担金は、各種割引サービス適用の対象外となります。

台数をまとめても、この部分に法人向けの割引は乗りません。38名分がそのまま38名分の金額として積み上がります。

  • 月額825円はケータイ補償サービス363円コースに当たる機種の場合(調べた時点)
  • モバイル保険の契約数は台数ではなく人数で決まるため38契約になる
  • 差額の57,000円より、受け取り先がずれている構造のほうが判断材料としては大きい

キャリアの補償オプションを付けるかどうかは、3社とも似た構造の問題を抱えています。社数をまたいだ比較は法人携帯の補償オプションが必要かどうかにまとめました。

法人のドコモの安心パックの補償で会社が先に決める3つのこと

会社が先に決める3つ

付けるか外すかを決める前に、社内で先に確定させておくことが3つあります。どれもパックの善し悪しとは別の話です

  • 交換で届いた端末を、誰がいつ初期化して社員に渡すか
  • 遠隔サポートに繋ぐ前に、業務画面を閉じる手順を誰が周知するか
  • 業務ファイルの保管先を、会社が管理するクラウドに限定するかどうか

3つとも、決めていなければパックを外しても残る問題です。逆に決まっていれば、補償の中身は費用と修理費だけで比べられるようになります。

端末の調達方法によっても、補償の範囲は変わります。

持込み機種の場合は盗難/紛失は対象外となります。

ドコモ以外で買った端末を配っている会社は、盗難と紛失が最初から外れます。中古やリユースの端末を混ぜている運用では、ここを確認しないと補償があるつもりのまま穴が残ります。

メーカー側の保証を使うかキャリアの補償を使うかは、端末の種類によっても変わります。iPhoneを配っている場合は会社支給のiPhoneにAppleCareが必要かも合わせて確認してください。

法人のドコモの安心パックの補償についてよくある質問

Q. 法人契約でもドコモの安心パックの補償は使えますか

A. 使えますが、サービスを動かすときには端末ごとの名義とアカウントが要ります。

公式のご注意事項には、利用時に携帯電話番号とご名義、dアカウントまたはビジネスdアカウントが必要と書かれています。会社としてまとめて1回で手続きする形にはなっていません。

Q. 法人のドコモの安心パックの補償で携行品補償miniは付きますか

A. 法人名義では申し込めません。

公式には満18歳以上満70歳以下で個人名義のdアカウントを保有している人のみと書かれています。社員が個人で申し込むことはできますが、そのとき守られるのは社員の私物です。

Q. 法人のドコモの安心パックの補償で戻るポイントは会社の収入になりますか

A. なりません。dポイントとして社員個人のdアカウントに入ります。

還元されるのは期間と用途が限定されたdポイントで、有効期限は進呈日を含めて6か月後月末です。負担金を会社が払っていても、経理上の戻りはありません。

Q. 法人のドコモの安心パックの補償で届いた端末は資産台帳とそろいますか

A. 機種やカラーが変わることがあるため、台帳の記載と食い違う場合があります。

在庫の状況によっては別の機種やカラーが届くと公式に書かれています。交換のたびに台帳を直す担当者を決めておかないと、棚卸しのときに合わなくなります。

Q. 法人のドコモの安心パックの補償とモバイル保険はどちらが会社に向きますか

A. 端末の修理費だけを見たいならモバイル保険、遠隔サポートやセキュリティも一括で欲しいならパックです。

パックは補償とサポートとセキュリティを束ねた分だけ月額が上がり、特典は個人に向いています。社員38名なら年間の差は57,000円ですが、判断はその金額よりも受け取り先がどこかで分かれます

ドコモの安心パックは、サービスそのものが手薄なわけではありません。手薄なのは、会社が払った月額に対して会社の名義で受け取れるものがどれだけあるかという部分です。

社用端末で守りたいのは、壊れた1台の修理費と、そこに入っている業務データです。その2つに絞って比べると、パックに含まれる要素のうち会社の側で使えるのは端末の補償だけになります

結論:法人でドコモの安心パックを付けても、月額を払うのは会社で、パックの中身を受け取るのは社員個人になる。自動で付く3つの特典は社員の自宅の機器と個人のQR決済と私物が対象で、携行品補償miniは「満18歳以上満70歳以下の方で、個人名義のdアカウントを保有の方のみお申込みになれます」と書かれているため法人名義では入口に立てない。負担金に対して還元されるのは期間と用途が限定されたdポイントで、交換で届いた端末には社員個人のdアカウントが自動で設定される。月額料金は各種割引サービス適用の対象外なので、38名分は38名分のまま年376,200円として積み上がる。会社が会社の名義で受け取れるのは端末の補償だけで、そこだけを比べるならモバイル保険は38契約で年319,200円、差は57,000円になる。金額よりも先に、交換端末の初期化と遠隔サポート時の画面と業務ファイルの保管先を誰が決めるかを社内で確定させたほうが効く。
会社の名義で受け取れるものがどれかから確認してください。

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