料金明細を開いて、覚えのない行が並んでいると、そこだけ切り取って消したくなります。ドコモの安心パックはその筆頭に挙がりやすい行です。
ただ、この行は単独のサービスではありません。3つのサービスが束ねられていて、束ねてあるぶん割引がかかっています。だから外すときの計算は、明細に出ている金額を引き算するだけでは合いません。
ドコモが公開している料金表をそのまま並べて、外したら実際にいくら残るのかを出してみました。私が調べた時点では、浮くのは月462円でした。
保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
ドコモの安心パックは3つのサービスをまとめて割り引く仕組みになっている
公式の表記は安心パックではなくあんしんパック

検索するときは「安心パック」と漢字で打つ人が多いのですが、ドコモの公式サイトでの名称はひらがなの「あんしんパック」です。同じものを指しています。この記事でも、ここから先は公式の表記に合わせて書きます。
さらに、あんしんパックには種類があります。スマートフォン向けは「smartあんしんパック」と「あんしんパック モバイル」の2つ。どちらに入っているかで金額が変わるので、まずここを分けて考えます。
smartあんしんパックは新しい機種向けの束ね方
smartあんしんパックは、2022年9月15日以降に発売された機種が対象です。中身は次の3つです。
| サービス | 単体の月額(税込) | 役割 |
|---|---|---|
| smartあんしん補償 | 330〜1,720円 | 端末の破損・故障・盗難紛失・水濡れ |
| あんしんセキュリティ | 220円 | ウイルス対策や危険サイトの検知 |
| あんしん遠隔サポート | 660円 | 操作方法を電話やLINEで案内 |
3つを単体で申し込むと合計1,210〜2,600円。パックにすると418円引かれて、792〜2,182円になります。
申し込むときの条件も決まっていて、3つ全部に入ることが前提です。「補償だけほしい」「セキュリティだけいらない」という組み方はできません。パックとして申し込むか、単体でそれぞれ申し込むかの二択になります。
あんしんパック モバイルは前の世代の束ね方
2022年9月14日以前に発売された機種を使っている場合は、あんしんパック モバイルのほうです。端末の補償が「smartあんしん補償」ではなく「ケータイ補償サービス」に入れ替わり、残り2つは同じです。割引額も同じ418円です。
つまりどちらの世代でも、端末の補償に、セキュリティ220円と遠隔サポート660円がくっついてくる構造は変わりません。この880円分をどう見るかが、いらないかどうかの判断そのものになります。
ドコモのあんしんパックは月792円から2,182円まで機種で変わる
金額が動くのは補償の部分だけ
パック料金が792円から2,182円までと幅広いのは、3つのうち補償の月額だけが機種ごとに違うからです。セキュリティ220円と遠隔サポート660円は、どの機種でも固定です。
| 補償の月額 | 単体合計 | パック料金 |
|---|---|---|
| 330円 | 1,210円 | 792円 |
| 550円 | 1,430円 | 1,012円 |
| 880円 | 1,760円 | 1,342円 |
| 1,100円 | 1,980円 | 1,562円 |
| 1,720円 | 2,600円 | 2,182円 |
補償の月額は、330円・490円・550円・605円・825円・860円・880円・990円・1,100円・1,460円・1,720円といった刻みで設定されています。高い機種ほど上の段になります。
旧パックのほうは4段階に整理されている
あんしんパック モバイルは、ケータイ補償サービスのコースが4つあり、それぞれパック料金が決まっています。363円コースで825円、550円コースで1,012円、825円コースで1,287円、1,100円コースで1,562円です。
自分がどちらか分からないときの見分け方
明細に「smartあんしんパック」と出ていればsmart側、「あんしんパック モバイル」と出ていればモバイル側です。機種変更のタイミングで自動的に切り替わることもあるので、覚えている契約名と違っていても不思議ではありません。
ドコモの案内でも、あんしんパック モバイルを契約している状態で対象機種に変えると、smartあんしんパックへ自動的に変更されると書かれています。自分で手続きした記憶がないのに名前が変わっているのは、この動きによるものです。
iPhoneでもAndroidでも束ね方は同じ
キャリアの補償はiPhone向けとAndroid向けで別プランになっていることが多いのですが、あんしんパックの3点構成はどちらでも共通です。違うのは補償部分の月額だけです。AppleCare+との比較で迷っている場合は、スマホ保険の全体像を先に見ておくと判断が早くなります。
ドコモのあんしんパックを外しても浮くのは月462円にとどまる
割引418円は外した瞬間に一緒に消える
ここが計算の落とし穴です。あんしんパックをやめて補償だけ残す場合、確かにセキュリティ220円と遠隔サポート660円の合計880円は払わなくてよくなります。ところが、パックだったから引かれていた418円も同時になくなります。
880円から418円を引くと462円。実際に手元に戻るのは月462円です。
どの機種でも差額は同じ462円になる
補償の月額が330円でも1,720円でも、この差は変わりません。パック料金は「単体合計マイナス418円」で決まっているので、補償だけ残したときの差額はいつも880円マイナス418円になります。
つまり、高い機種を使っているから外す効果が大きい、という話にはなりません。上位機種の人がパックを外して補償だけ残しても、浮くのはやはり462円です。金額の大きさに引っ張られて「上位機種ほど見直しの効果がある」と考えると、期待とずれます。
| 補償の月額 | パック料金 | 補償だけ残す | 差額 | 24か月の差 |
|---|---|---|---|---|
| 330円 | 792円 | 330円 | 462円 | 11,088円 |
| 550円 | 1,012円 | 550円 | 462円 | 11,088円 |
| 1,100円 | 1,562円 | 1,100円 | 462円 | 11,088円 |
| 1,720円 | 2,182円 | 1,720円 | 462円 | 11,088円 |
見方を変えると880円分を462円で使っている
同じ数字を反対から読むこともできます。セキュリティと遠隔サポートを単体で申し込めば880円かかるところ、パックに入っているあいだは実質462円で持っている状態です。
だから、この2つを月に一度でも使っているなら、パックは割高ではありません。逆に2年間まったく触っていないなら、462円が毎月そのまま消えていることになります。
割引という言葉には、得をしているという響きがあります。ただ、割り引かれているのは自分が選んだサービスではなく、束ねられて付いてきたサービスのほうです。割引が効いているかどうかではなく、割り引かれた対象を使っているかどうかで判断するのが実態に合っています。
3つとも外すなら浮くのはパック料金の全額
補償ごと手放すなら、パック料金がまるごと消えます。792円のプランなら792円、2,182円のプランなら2,182円です。ただしその瞬間から、画面を割っても水に落としても、全額が自己負担になります。この選択については後半で扱います。
外すか続けるかの前に、守る対象を数え直すという入口もあります。
端末ごとではなく1契約で主端末1台+副端末2台まで。
ドコモのあんしんパックで金額が大きいのはあんしん遠隔サポートの660円
3つのうち3分の2を占めているサービス
880円のうち660円は遠隔サポートです。セキュリティの220円ではなく、ここが判断の中心になります。
あんしん遠隔サポートは、スマートフォンやタブレットの使い方を電話やLINE、+メッセージで案内してくれるサービスです。画面を共有しながら操作を代行してもらうこともできます。受付は年中無休で午前9時から午後8時まで。ドコモ以外が提供しているLINEやInstagram、Googleのアプリについても対応します。
使う人には660円では足りないくらいの内容
この中身を読むと分かりますが、660円は安いほうです。設定でつまずくたびに店頭へ行く手間や、家族に頼んで気まずくなる時間を考えれば、電話1本で片づくことに月660円払う判断は十分成り立ちます。
一度も電話していないなら別の話になる
問題は、契約したこと自体を忘れている場合です。機種変更のときにまとめて申し込んで、そのまま2年経ったという流れは珍しくありません。その2年で遠隔サポートに一度も電話していないなら、660円は使われないまま積み上がっています。
あんしんセキュリティの220円も同じ見方ができます。日頃から警告画面が出て困っているのでなければ、入っていることに気づかないまま更新され続けます。
ここで問われているのは、サービスの良し悪しではありません。良いものであっても、使わなければ支払いだけが残ります。サービスの内容ではなく、自分の使用履歴のほうを見るのが判断の近道です。
家族が使っているなら残す判断も成り立つ
自分は使っていなくても、同じ回線を親が使っていて、操作が分からなくなるたびに電話しているというケースもあります。その場合、660円は自分ではなく家族のために働いています。契約者本人の使用感だけで切ると、後から困る人が出てきます。
ドコモのあんしんパックの補償は年2回までで自己負担も残る
交換できる回数には上限がある
smartあんしん補償で交換電話機を受け取れるのは、年2回までです。無制限ではありません。落としやすい人ほど期待する部分ですが、3回目は対象外になります。
交換のたびに数千円から1万円以上を払う
交換を受けるときには自己負担額が発生します。Web割を使った場合と使わない場合で金額が変わります。
| 補償の月額帯 | Web割適用 | 通常 |
|---|---|---|
| 330〜490円 | 4,950円 | 5,500円 |
| 550〜860円 | 7,425円 | 8,250円 |
| 825〜1,720円 | 10,890円 | 12,100円 |
| 550円(docomo Certified) | 3,960円 | 4,400円 |
上位機種を使っている人は、月1,720円を払ったうえで交換時に10,890円を出すことになります。合わせて考えると、補償に入っていても無料で直るわけではありません。この構造はキャリアの補償に共通していて、au 故障紛失サポートを外した話でも同じ形が出てきます。
修理と交換では扱いが違う
画面割れなどで修理に出す場合と、交換電話機を送ってもらう場合では、負担額も回数の数え方も変わります。明細の金額だけ見て「補償があるから0円」と思い込むと、請求書を見たときにずれます。
交換電話機はリフレッシュ品が届く形になるので、手元の端末がそのまま直って戻ってくるわけでもありません。データの移行も自分で行うことになります。金額の話とは別に、この手間があることも計算に入れておくと現実的です。
補償が本当に効く場面は限られる
2年で1回も壊さなければ、補償に払った金額はそのまま出ていきます。私はAppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。2万8,320円を払って、受け取ったものは何もなかったことになります。壊す人には安く、壊さない人には高い。どの補償もこの性質から逃れられません。
払っているあいだの安心感には値段が付かないので、無駄だったと言い切れるものでもありません。ただ、その安心感がいくらなのかを知らないまま更新し続けるのと、19,008円だと分かって選び直すのとでは、次の判断の精度が変わってきます。
ドコモのあんしんパックは機種購入から14日以内にしか入れない
後から入り直すことはできない
smartあんしん補償の加入条件は、機種購入日から14日以内です。この期間を過ぎると申し込めません。つまり、いったんパックを外して補償まで手放すと、同じ端末には二度と入れられません。
迷っている段階では外さないという選択もある
この一方通行の仕組みがあるので、「とりあえず外して様子を見る」ができません。外すかどうかは、次の機種変更まで戻れない前提で決めることになります。
判断がつかないまま外して、半年後に落として割った場合、修理費は全額です。逆に、判断がつかないまま2年払い続けて何も起きなければ、その分は戻りません。どちらに転んでも取り返しがつかないので、迷っているうちは動かさないほうが損失は小さくなります。
遠隔サポートとセキュリティだけなら出入りは自由
一方で、あんしん遠隔サポートとあんしんセキュリティは、いつでも申し込めます。使わなくなったら外して、必要になったらまた入る、という動かし方ができます。外して取り返しがつかなくなるのは補償の部分だけです。
ドコモのあんしんパックを2年払うと19,008円から52,368円になる
一番安い組み合わせでも2年で19,008円
792円を24か月払うと19,008円です。これがあんしんパックの最低ラインになります。
上位機種では52,368円まで伸びる
2,182円を24か月払うと52,368円。端末代とは別に、これだけが保証と操作案内のために出ていきます。同じ金額で中古のスマートフォンが1台買えます。
補償だけ残していれば11,088円が手元に残った
先ほどの462円を24か月分にすると11,088円です。遠隔サポートとセキュリティを一度も使わなかった人にとっては、この11,088円が使われなかった分ということになります。
金額の重さは人によって違います。ただ、2年で1万円を超えると分かったうえで続けるのと、明細の792円だけを見て続けるのとでは、同じ支払いでも意味が変わってきます。
総額と自己負担を足すと修理費に近づく
上位機種で2,182円のプランに入り、2年のあいだに1回だけ交換を受けたとします。パック料金52,368円に自己負担10,890円を足すと63,258円。この金額なら、補償に入らず実費で1回修理したほうが安く済む可能性もあります。
補償は入っていれば得をする仕組みではなく、壊す確率と回数に賭ける仕組みです。年に何度も落とす自覚があるなら合いますし、2年に1回あるかないかなら合いません。
ドコモのあんしんパックをやめるなら外したあとの備えを先に決める
順番を逆にすると空白ができる
先にパックを解約してから次を考えると、その間は完全に無防備になります。しかも補償は14日ルールがあるので、解約後に「やっぱり不安だ」と思っても戻れません。決める順番は、受け皿を用意してから外す、です。
遠隔サポートとセキュリティだけ外す道もある

一番リスクが小さいのは、補償を残して2つだけ外す形です。462円が浮いて、端末の守りはそのまま残ります。使っていない自覚があるなら、ここから始めるのが無難です。
この2つは後からいつでも入り直せるので、外してみて不便を感じたら戻せます。試して確かめられる部分と、一度きりで決めなければならない部分を分けて考えると、手を付ける順番が見えてきます。
補償ごと外すなら守る対象を数え直す
パックを丸ごとやめる場合は、自分が守りたい端末が何台あるかを先に数えます。スマートフォン1台だけなのか、タブレットやワイヤレスイヤホンも含めたいのか。キャリアの補償は契約した回線の端末しか見てくれないので、2台目以降は最初から範囲の外です。
私はAppleCare+を解約したあと、iPhoneを主端末、iPadとワイヤレスイヤホンを副端末として1つの契約にまとめました。端末ごとに払う考え方から、契約ごとに数える考え方に変えたということです。乗り換えたあとに何が変わったかはモバイル保険のデメリットと修理費が実際に戻ってきたときの流れにまとめてあります。
守りたいものが1台なのか複数なのかで、合う仕組みは変わります。あんしんパックは1台を手厚く守る形なので、そこが合っているなら残す理由になりますし、合っていないなら数え方から変えたほうが早くなります。
そもそも保険自体が要るのかを疑う道もある
守りたい端末が1台で、ケースも保護フィルムも使っていて、過去に一度も壊していないなら、何にも入らないという判断もあります。その考え方はスマホ保険はいらないという結論で整理しました。他社のパック型サービスと比べたい場合は、ソフトバンクのあんしん保証パックの検証も同じ構造で読めます。
無保険を選ぶなら、修理費を出せるだけの現金を別に置いておくことが条件になります。何も入らないという判断は、何も備えないという意味ではありません。備え方を保険から貯蓄に移し替えるという話です。
結論:あんしんパックを外して浮くのは月462円。金額を削るより、守る対象の数え方を変えたほうが効く。
主端末1台+副端末2台まで、月700円から。
※料金や条件は変わることがあります。加入前に、最新の内容を公式ページで確認してください。
ドコモのあんしんパックのよくある質問
Q. あんしんパックだけを解約して補償は残せますか
A. 残せます。

パックは3つのサービスの束ね方であって、1つの契約ではありません。あんしん遠隔サポートとあんしんセキュリティを個別に解約すると、smartあんしん補償だけが単体の月額で残ります。このとき418円の割引はなくなります。
Q. 解約するといくら安くなりますか
A. 月462円です。
880円分のサービスをやめる代わりに、418円の割引も外れるためです。24か月では11,088円になります。3つとも外す場合はパック料金の全額、792円から2,182円が浮きます。
Q. あとからもう一度パックに入り直せますか
A. 補償の部分は入り直せません。
smartあんしん補償は機種購入日から14日以内しか申し込めないためです。あんしん遠隔サポートとあんしんセキュリティだけなら、いつでも申し込めます。
Q. あんしんパックとsmartあんしんパックは何が違いますか
A. 端末の補償に入っているサービスが違います。
あんしんパック モバイルはケータイ補償サービス、smartあんしんパックはsmartあんしん補償が入っています。対象になるのは、2022年9月15日以降に発売された機種がsmart側です。残り2つのサービスと割引額418円は共通です。
Q. 補償は何回まで使えますか
A. 年2回までです。
交換電話機の提供が年2回を上限としています。加えて、交換のたびに4,950円から12,100円の自己負担が発生します。
Q. 使っていないサービスがあるか確認する方法はありますか
A. 契約内容の一覧で申込状況を見ます。
あんしん遠隔サポートは電話やLINEでの問い合わせ履歴、あんしんセキュリティはアプリを開いた記憶が判断材料になります。どちらも心当たりがなければ、使っていないと考えて差し支えありません。
Q. 家族の端末もあんしんパックで守れますか
A. 守れません。
キャリアの補償は回線ごとの契約なので、対象になるのはその回線で使っている端末だけです。家族の分は、それぞれの回線で別に申し込むことになります。