業務端末の補償は盗難と紛失で扱いが分かれます

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

スマホ保険の比較記事を見る →

業務端末の補償に入ると、壊れたときは全部戻ると考えます。約款を読むと、戻る場面のほうが限定されていました。

モバイル保険の約款を第5条から第40条まで通しで読みました。支払事由は5つだけで、支払わない事由は17項目あります。

私は22台の業務端末を管理しています。社員が電車に置き忘れた1台が対象外だと知ったのは、事故報告書を書き始めたあとでした。

業務端末の補償は支払事由が5つに限られています

モバイル保険の約款第5条は、保険金を支払う場面を列挙しています。

#支払事由
1外装破損
2損壊
3水濡れ全損
4故障
5盗難

同じ条文に、除かれるものも書かれています。「すり傷、汚れ、しみ、焦げ等の本体機能に直接関係のない外形上の損傷は除きます」という一文です。

画面の端に入った細かい傷は、この一文で外れます。 本体の機能が動いているかどうかが線になっています。

業務端末で起きる事故のうち、置き忘れと紛失は支払事由に入っていない。台数が増えるほど発生率が上がるのは落下と置き忘れで、片方だけが対象になる。

支払事由に入っていない事故は、契約していても手続き自体が始まりません。 事故報告書を出す前の段階で分かれます。

そもそもどの端末を登録できるかを先に確かめたい場合は社用端末の保険で登録できる端末を整理した記事を読んでください。

業務端末の補償は盗難と紛失で扱いが分かれます

約款第10条の第12号に、次の1行があります。

置き忘れまたは紛失によって生じた損害。

盗難は支払事由に入っていて、置き忘れと紛失は支払わない事由に入っています。同じ「端末が手元からなくなった」でも、扱いが逆になります。

状況扱い
訪問先で盗まれた支払事由(盗難)
車上荒らしに遭った支払事由(盗難)
電車の網棚に置き忘れた免責(置き忘れ)
外出先でどこかに落とした免責(紛失)
社員が持ち出したまま行方不明状況によって分かれる

盗難で請求する場合、約款第24条は「盗難の場合、盗難届出証明書(警察署)」を必要書類として挙げています。

警察に届け出て証明書を取らないと、盗難としての請求が進みません。 社内で「なくした」として処理すると、記録が残らないまま期限が過ぎます。

盗難は出るが紛失は出ない

法人で使ったときに不利になる点をまとめた記事はモバイル保険を法人で使うデメリットを整理した記事にあります。

業務端末の補償が降りない事由は約款に17項目あります

第10条の17項目のうち、法人の運用で当たりやすいものを抜き出しました。

#免責事由(約款の記述)
2自然の消耗もしくは劣化または性質による変色、変質、さび、かび…によって生じた損害
3保険の対象の欠陥によって生じた損害
4保険契約者、被保険者またはこれらの者の法定代理人の故意もしくは重大な過失または法令違反によって生じた損害
7保険の対象に加工(修理を除く)を施した場合、加工着手後に生じた損害
11詐欺または横領によって保険の対象に生じた損害
12置き忘れまたは紛失によって生じた損害
14水災によって生じた損害
16購入から1年以内のメーカーの瑕疵による故障等による損害
17日本国外で生じた損害

第2号はバッテリーの劣化に当たります。 使い込んだ端末の電池持ちが落ちても、自然の消耗として扱われます。

第7号は端末に手を加えた場合です。社内で分解して部品を交換した端末は、その作業のあとに生じた損害が対象から外れます。

第4号の「重大な過失」に何が当たるかは約款に定義がありません。 個別の判断は保険会社が行うため、事故報告書に状況をそのまま書く必要があります。

加入するタイミングそのものを整理した記事は法人携帯の補償オプションが必要かを整理した記事にあります。

業務端末の補償は購入から1年以内の故障を対象外にしています

免責の第16号は、新品を調達したばかりの会社に効きます。

購入から1年以内のメーカーの瑕疵による故障等による損害。

期間故障したときの窓口
購入から1年以内(メーカーの瑕疵)メーカー保証
購入から1年以内(落下・水濡れ等)保険の支払事由
1年経過後(自然故障)保険の支払事由
期間を問わず(自然の消耗・劣化)免責

メーカー保証と保険が二重にならないよう線が引かれています。 端末側の作りに問題があった故障は、メーカーが直す領域です。

新品を22台まとめて調達した直後は、保険よりメーカー保証を先に使う場面が続きます。 保険料を払い始めるタイミングをここで判断できます。

中古で調達した端末には別の条件が付きます。 約款は「購入時に中古品であった通信端末についてメーカー保守期間が終了し交換部品が調達できずに修理不能となった場合」を、修理不能の保険金から除いています。

主端末を使うと、副端末の枠が減る

商品ごとの条件を横に並べて見たい場合は法人の端末保険を比較した記事に整理があります。

業務端末の補償は副端末を登録した日から30日間支払われません

約款第9条は、副端末に待機期間を置いています。

登録の仕方30日の免責期間
契約時に主端末と同時に登録した副端末適用されない
主端末の変更に伴って副端末になった端末適用されない
あとから追加で登録した副端末登録日を含めて30日間は支払われない

原文は「当該それぞれの端末が登録された日からその日を含めて30日以内に…支払事由が発生した場合、保険金は支払いません」です。

端末を追加したその日から補償が始まるわけではありません。 新しく入社した社員に端末を渡すタイミングと、登録のタイミングがずれると空白が生まれます。

契約時にまとめて登録すると待機期間が消えます

同じ条文のただし書きに、契約時の同時登録は適用外と書かれています。8契約を同じ日に立ち上げれば、22台すべてが最初から対象になります。

あとから1台ずつ足す運用にすると、足すたびに30日の空白が発生します。 端末の入れ替え計画を先に作っておくと、この空白を避けられます。

複数の端末を1つの契約でまとめる考え方は複数端末の補償を一本化する記事で扱っています。

業務端末の補償は主端末の使い方で副端末の枠が減ります

上限額の表だけを見ると、主端末と副端末は別枠に見えます。約款第6条のただし書きに、2つがつながる条件が書かれています。

区分1保険期間の上限
主端末(修理可能な損害)150,000円
副端末2台の合計45,000円

ただし書きは、主端末が150,000円から45,000円を引いた105,000円を超えて使った場合を定めています。超えた金額の分だけ、副端末の枠が削られます。

主端末に支払われた額副端末2台の残り枠
105,000円まで45,000円
120,000円30,000円
135,000円15,000円
150,000円0円

主端末を1回修理した時点で、副端末2台の枠が消えることがあります。 高額な端末を主端末に置く判断は、この連動とセットで考える形になります。

修理費が高い端末を主端末に置くと、副端末の枠を先に食います。 逆に安い端末を主端末にすると、150,000円の枠が余ります。

モバイル保険は月額700円(非課税)で1契約に主端末1台と副端末2台の計3台を登録でき、自己負担となる免責金額はありません。支払事由と支払わない事由が約款にそのまま書かれているため、契約前に自社で起きやすい事故が対象に入るかを確かめられます。主端末と副端末の枠の連動も第6条に明記されています。
降りる場面と降りない場面が条文で公開されているので、契約前に自社の事故と照らせます。

月700円・最大3台まで

モバイル保険の公式ページを見る →

» モバイル保険公式サイトはこちら

法人名義で契約できるかを先に確かめたい場合は法人がモバイル保険を契約できるか整理した記事にまとめてあります。

業務端末の補償を請求するときに要る書類は3種類です

約款第24条が、請求に必要な書類を挙げています。

#書類取得先
1事故報告書兼保険金請求書保険会社の所定様式
2罹災証明書(火災等の場合)消防署
3盗難届出証明書(盗難の場合)警察署
4その他、当社が求めた書類(写真を含む)都度

支払われるまでの期間も条文に書かれています。請求を受け付けた日の翌日から5営業日以内が原則です。

警察や消防への照会が要る場合は別の期限になります。その場合は請求を受け付けた日から60日を経過する日までと定められています。

  • 盗難で請求するには警察署の盗難届出証明書が要るため、社内処理だけで終わらせると請求が進みません
  • 請求権は保険金支払事由発生日から3年で消滅すると第40条に書かれています
  • 写真を求められることがあるため、事故が起きた時点の状態を記録しておく運用が要ります

事故のたびに社員が個別に動くと、書類の取り方がそろいません。 窓口を1人に決めておくと、証明書の取得漏れが減ります。

社用iPhoneでAppleCareを使う場合の判断は社用iPhoneにAppleCareが必要かを検討した記事にまとめました。

業務端末の補償で会社が先に決める3つのこと

請求の場面で止まらないよう、社内で決めておくことが3つあります。

  • 事故が起きたときの報告先を1人に決める
  • 端末が手元からなくなったときは警察に届け出るルールにする
  • 事故時の写真を撮って社内に残す手順を作る

1つ目は書類の取りこぼしを防ぎます。 所定様式の記入と証明書の取得を同じ人が見れば、期限内に揃います。

2つ目は盗難と紛失の線引きに直結します。届け出をしないまま社内で処理すると、盗難として請求する道が消えます。

3つ目は「その他、当社が求めた書類(写真を含む)」への備えです。修理に出したあとでは、壊れた状態の写真が撮れません。

事故報告の窓口を1人に決め、その人が「警察に届けたか」「写真を撮ったか」の2点を確認する運用にする。この2点が揃えば、支払事由に当たる事故は書類で止まらない。

修理費を会社と社員のどちらが負担するかを整理した記事は社用スマホの保証が必要かを労働基準法から整理した記事を読んでください。

業務端末の補償についてよくある質問

Q. 社員が置き忘れた業務端末は補償されますか

A. 置き忘れまたは紛失によって生じた損害は免責と約款に書かれています。

第10条の第12号に記載があります。盗難は支払事由に入っているため、同じ「なくなった」でも扱いが分かれます。

Q. 業務端末の補償で盗難を請求するには何が要りますか

A. 警察署が発行する盗難届出証明書が必要書類に挙げられています。

約款第24条に、事故報告書兼保険金請求書と合わせて記載されています。社内処理だけで済ませると請求が進みません。

Q. 業務端末の画面についた細かい傷は補償されますか

A. 本体機能に直接関係のない外形上の損傷は除かれます。

約款第5条に「すり傷、汚れ、しみ、焦げ等」と例示されています。機能が動いているかどうかが線になっています。

Q. 買ったばかりの業務端末が故障した場合は補償されますか

A. 購入から1年以内のメーカーの瑕疵による故障は免責です。

第10条の第16号に記載があります。この期間はメーカー保証が窓口になります。

Q. あとから追加した副端末はすぐに補償されますか

A. 登録した日を含めて30日間は支払われません。

約款第9条の免責期間です。契約時に主端末と同時に登録した副端末には適用されません。

Q. 主端末を修理すると副端末の補償額は減りますか

A. 主端末が105,000円を超えて支払われると、超えた分だけ副端末の枠が減ります。

第6条のただし書きに定められています。主端末150,000円から副端末45,000円を引いた金額が境になります。

Q. 業務端末のバッテリーが劣化した場合は補償されますか

A. 自然の消耗もしくは劣化は免責事由に入っています。

第10条の第2号に記載があります。使用によって性能が落ちた分は対象外です。

Q. 業務端末の補償はいつまでに請求すればよいですか

A. 保険金支払事由発生日から3年で請求権が消滅します。

約款第40条に定められています。支払いは請求を受け付けた日の翌日から5営業日以内が原則で、警察や消防への照会が要る場合は60日以内です。

業務端末の補償は、契約する時点では上限額と月額しか見えません。 実際に判断が分かれるのは、事故が起きたあとの分類と書類です。

事故報告の窓口を決めるところから始めてください。警察への届け出と写真の2点が運用に入れば、支払事由に当たる事故で止まらなくなります。

結論:業務端末の補償は、支払事由に当たっても降りないことがある。置き忘れと紛失は免責で盗難だけが対象、購入から1年以内のメーカー瑕疵も対象外、あとから足した副端末は30日間支払われない。事故報告の窓口を1人に決め、警察への届け出と写真の2点を運用に入れるところから始まる。
上限額を比べる前に、自社で起きやすい事故が支払事由に入るかを確かめてください。

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