法人でモバイル保険を契約できるかは被保険者で決まりました

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

スマホ保険の比較記事を見る →

社員22名にiPhoneとMacBookとiPadを配っている会社の担当者から、モバイル保険は法人でも契約できるのかと聞かれました。

公式サイトのよくある質問には、答えが1行で載っています。ただしその1行には、条件がもう1つくっついていました。

その条件を読むと、22名分の端末を1つの契約で守るという形にはならないことが分かります。契約は社員1人ずつに分かれます。

保険会社が公開している約款のPDFまで開いて、契約の形と、社員が辞めたときの扱いと、保険金が誰に振り込まれるかを確認しました。

よくある質問だけでは分からないことが、約款には書かれていました。退職者の端末をどうするか、海外出張中の破損が対象になるか、といった法人固有の論点です。

法人でモバイル保険を契約できるかは公式に1行で書かれています

モバイル保険のよくある質問に、法人契約の項目があります。そこにはこう書かれていました。

法人契約も可能です。ただし被保険者は個人である必要があります。

前半だけ読めば話は終わります。会社の名前で申し込める、それだけの案内に見えます。

ただし後半に条件が付いています。被保険者は個人でなければならないという一文が、契約の形そのものを決めています。

契約者と被保険者は別の人を指しています

保険の重要事項説明書に、2つの言葉の定義が並んでいます。

用語定義
契約者保険契約を結び、契約内容変更などの請求権と保険料の支払義務を持つ方
被保険者補償を受けられる方で、補償対象となる通信端末を所有または使用する方

契約者は、お金を払って手続きをする側です。被保険者は、補償を受ける側です。

法人契約の場合、この2つが分かれます。契約者が会社で、被保険者が社員個人という形になります。

1つの契約に被保険者は1人しか置けません

被保険者が個人でなければならないということは、1つの契約に紐づく個人は1人だけということです。

会社を被保険者にして、社員全員の端末をその下にぶら下げる形は取れません。社員22名の端末を守るには、被保険者が22人分必要になります。

法人契約ができるかどうかという問い自体には、公式が1行で答えを出しています。その部分の詳しい条件は社用MacBookの保険を法人名義で契約する場合にまとめました。

引受は少額短期保険会社です

契約の相手が誰になるかも、決裁の場では聞かれる項目です。この保険を引き受けているのはさくら少額短期保険という会社です。

少額短期保険は、保険業法にもとづく登録業者という位置づけになります。生命保険会社や損害保険会社とは制度上の枠が別です。

その違いが1つ、重要事項説明書に書かれていました。この保険は損害保険契約者保護機構の補償対象外です、という記載です。

保護機構は、保険会社が破綻したときに契約者を保護する仕組みを指します。少額短期保険はその対象に入りません。

項目内容
引受会社さくら少額短期保険
区分少額短期保険業者
損害保険契約者保護機構対象外
保険証券発行されない(約款第4条)

契約先が保護機構の対象外であることは、稟議の説明資料に書いておく項目です。後から指摘されると差し戻しになります。

もう1つ、約款の第11条に収支に関する規定があります。保険期間中に収支が著しく悪化した場合、保険料の増額または保険金の減額もしくは支払削減を行うことがある、という条文です。

月額700円が未来永劫この金額である、という約束ではありません。長期の予算表に固定費として並べるときは、この点を踏まえておくことになります。

契約が22個に分かれるとして、その22個は誰のものになるのか。約款を開くと、そこから先が書かれていました。

法人でモバイル保険を契約できるかは端末の持ち主では決まりません

会社が買った端末を社員が使っている。この状態が補償の対象になるかどうかは、名義ではなく別の条件で決まります。

契約者と被保険者は別の役割

重要事項説明書には、対象がこう書かれています。この保険は、被保険者が所有または使用する通信端末に、という書き出しです。

所有または使用、と並んでいます。どちらか一方を満たせば条件に合う書き方です。

対象外になるのは所有と使用が両方とも他人の端末です

同じ重要事項説明書に、注意書きがあります。被保険者以外が所有し、使用する端末を1つの保険で補償することはできません、という一文です。

対象の条件が「または」で、対象外の条件が「し」になっています。読み分けると、次のようになります。

  • 会社が所有し社員が使用している端末は、その社員を被保険者にすれば「使用する」に該当する
  • 社員が所有し社員が使用している端末は、そのまま該当する
  • 会社が所有し誰も使っていない予備機は、被保険者となる個人がいないので該当しない

会社の名義で買った端末だから対象外、という話ではありません。誰か1人が実際に使っていることが条件になります。

所有者が誰かは回線契約か購入者で決まります

よくある質問に、所有者の定義が書かれています。端末の所有者とは端末資産の所有者を指し、回線契約を伴う場合はその契約者、回線契約を伴わない場合は端末の購入者をいう、という定義です。

法人契約の回線でiPhoneを配っているなら、所有者は会社です。Wi-Fi運用のiPadやMacBookなら、購入者である会社が所有者になります。

どちらの場合も所有者は会社のままです。それでも使用者が社員であれば、その社員を被保険者にして登録する読み方になります。

対象は市販されている端末に限られています

約款の第1条に、補償の対象となる通信端末の定義があります。一般消費者が通常生活の用に供する日本国内で販売されたメーカー純正の製品および移動体通信事業者で販売された製品に限る、という条件です。

AppleストアやキャリアショップでiPhoneやMacBookやiPadを買っているなら、この条件は問題になりません。業務用に特注した機器や法人専用の流通経路でしか手に入らない端末がある場合は、申し込み前に確認したほうが安全です。

1契約に3台をどう入れるかという基本の構造はモバイル保険が3台を1契約に登録する仕組みに書いています。

なお付属品は対象外です。SIMカード、メモリーカード、電池パック、充電器、ACアダプター、付属ケーブルは約款で明確に除かれています

中古で調達した端末には別の条件が付きます

コスト圧縮のために整備済品や中古端末を社員に配っている会社があります。この場合は条件が1段増えます。

約款の第1条には、新規取得の定義があります。対象端末を家族、知人、オークション等から購入または譲渡された場合は含まれません、という一文です

重要事項説明書のほうには、中古品の条件が書かれていました。法人が運営している販売店で購入し、その時点において当該販売店による3カ月以上の製品保証が確認できる状態であること、という条件です。

調達方法登録できるか条件
Appleストアやキャリアで新品購入できる購入証明書があること
Apple認定整備済品などの販売店で購入条件付きでできる3カ月以上の製品保証が確認できること
フリマアプリやオークションで落札できない新規取得に含まれない
取引先や知人から譲り受けたできない新規取得に含まれない

販売店が法人で、3カ月以上の保証が付いているかどうかが分かれ目になります。オンラインショップも販売店に含まれる書き方です。

社内で誰かが個人で買った端末を業務に転用しているケースでは、どこで買ったかが問われます。調達ルートを台帳で確認してから申し込む項目です。

中古端末を登録できるかは買った場所で決まります。その線引きはモバイル保険に中古端末を登録できる条件に整理しました。

法人でモバイル保険を契約できるかを台数ではなく人数で数え直します

ここで数えるのは、何契約が必要かという話です。

1つの契約に登録できる端末は3台です。主端末が1台、副端末が2台という内訳になります。

そして被保険者は1契約に1人です。3台という枠は、会社に3台ではなく社員1人に3台という意味になります。

22名の会社なら22契約になります

社員22名にiPhoneとMacBookとiPadを1台ずつ配っている会社で考えます。端末の総数は66台です。

66台を3で割れば22です。ただし割り算の結果として22契約になるのではなく、社員が22人いるから22契約になります。

社員数1人あたりの端末必要な契約数月額合計
1名3台1契約700円
5名3台5契約3,500円
10名3台10契約7,000円
22名2台22契約15,400円
22名3台22契約15,400円

月額700円は非課税で、登録した台数では変わりません。1台でも3台でも同じ700円です。

22名なら月15,400円、年間で184,800円になります。表の下2行を見比べると、1人2台でも3台でも合計額が動かないことが分かります。

端末ごとに入る保証と総額が変わります

比較対象になるのはAppleCare+です。こちらは端末1台ごとに加入する形なので、人数ではなく台数で総額が決まります。

Appleが公開しているMac向けの価格で計算してみます。MacBook Air 13インチの3年プランが32,800円、MacBook Pro 14インチの3年プランが47,800円です。

加入するもの数え方22名3年分1人あたりカバーされる台数
モバイル保険人数×700円×36カ月554,400円3台
AppleCare+ for Mac(Air 13)台数×32,800円721,600円1台
AppleCare+ for Mac(Pro 14)台数×47,800円1,051,600円1台

MacBook Air 13インチで揃えている会社なら、3年で167,200円の差になります。Pro 14インチなら差は497,200円まで開きます。

ただし金額だけを見て決める話ではありません。AppleCare+はApple直営の修理窓口と技術サポートが付いていて、モバイル保険は修理代を後から補填する仕組みです

中身が別のものなので、置き換えられるかどうかは運用側の判断になります。

とくにMacはキャッシュレス修理の対象外です。モバイル保険で受けるなら、いったん会社か社員が修理代を立て替えることになります。

2つの違いはAppleCare+とモバイル保険の比較に整理しました。

1人が4台以上使っている場合は入り切りません

役員や開発担当が、iPhone2台とMacBookとiPadで4台を持っているケースがあります。1契約は3台までなので、4台目は入りません。

よくある質問には複数契約の案内があります。複数の端末を持っていればそれぞれを1台ずつ契約することも可能で、ただし同一端末を複数の契約で補償することはできない、という書き方です。

同じ人が2契約目を持つことはできます。ただしこの2契約目には、あとで触れる別の天井がかかります。

3台をどう割り当てるかは、修理代の高い端末を主端末に置くのが基本になります。詳しくはiPhone MacBook iPadをまとめて補償するときの主端末の決め方に整理しました。

1人あたり何台まで一本化できるかは複数端末の補償を法人で一本化できる範囲を見てください。

社員名簿を開いて、端末台帳ではなく人数を数える。契約数は人数と同じ数になります。

契約数は端末の台数ではなく、社員の人数で決まります。1契約に登録できるのは3台までで、月額は1台でも3台でも700円(非課税)のままです。社員22名なら22契約で月15,400円になります。
契約数は人数と同じ。月額700円(非課税)で1人3台まで。

月700円・最大3台まで

モバイル保険の公式ページを見る →

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法人でモバイル保険を契約できるかの上限は1人20万円で止まります

ここで数えるのは、1人がいくらまで受け取れるかという話です。契約の数ではなく金額の天井を見ます。

1契約の年間上限は15万円です。その内訳は主端末に15万円、副端末2台の合計に4.5万円という配分になります。

約款の第7条には、それとは別の制限が書かれていました。

1人あたりの限度額は20万円です

1被保険者について設定できる修理費用保険金額は20万円を限度とし、同一通信端末に対する複数契約は認めない、という条文です。

1契約ではなく1被保険者と書かれています。同じ人が2契約目を作っても、その人が持てる保険金額の合計は20万円までです。

単位上限額根拠
1被保険者20万円約款第7条
1契約の主端末年間15万円契約金額
1契約の副端末2台合計年間4.5万円主端末の30%(約款第3条)
主端末の1請求(修理不能・盗難)37,500円
副端末の1請求(修理不能・盗難)11,250円

1契約で15万円、2契約目で15万円、合計30万円という積み上げはできません。20万円で止まります。

上限に達すると補償はいったん消えます

約款の第29条に、支払った保険金の総額が上限額に達したときはその保険契約の補償は消滅する、と書かれています。

消滅した補償は保険契約が継続されたときに復元します。年度が変われば戻るという理解になります。

年度の途中で1人が上限に達した場合、その社員の端末は残り期間のあいだ無防備になります。契約は生きているのに補償だけが消える状態です。

なお約款の第28条には、保険期間中の保険金額の増額と減額は取り扱わないと書かれています。主端末を変更する場合の増額だけが例外です。

契約者の側にも上限がありますが当たりません

重要事項説明書には、契約者を単位とした上限も書かれていました。一契約者について損害保険分野において引受可能な保険金額の合計額上限は10億円です、という記載です。

会社が契約者として22契約を持つ場合、被保険者1人あたり20万円が22人分で440万円です。10億円には届きません。

単位上限22名の会社での実際
1被保険者20万円1人ずつに適用される
1契約者10億円440万円で当たらない

効いてくるのは1被保険者20万円のほうです。契約者側の上限は、この規模では気にする必要がありません。

3台のうちどれを主端末に置くかで、この20万円の使い道が変わります。修理代の一番高い端末を主端末にしておく理由はここにあります。

法人でモバイル保険を契約できるかは申し込み画面の条件で変わります

どこで買った端末かで登録できるかが決まる

契約の形が決まったら、次は申し込みの実務です。法人の決裁と噛み合わない条件がいくつかあります。

オンラインで申し込むとクレジットカード払いだけになります

よくある質問に支払方法の案内があります。クレジットカード、キャリア決済、口座振替から選べるが、オンラインから申し込む場合はクレジットカード払のみになる、という内容です

3つから選べると書いてありますが、オンライン申込では1つに絞られます。

申し込み方法使える支払方法
オンラインクレジットカードのみ
オンライン以外クレジットカード / キャリア決済 / 口座振替

22契約をオンラインで申し込むなら、法人カードを1枚用意して22回決済することになります。

さらに月払いのみです。月々ではなく年払いにできるかという質問への回答は、月払いのみの取り扱いとなっております、でした。

申し込みには端末ごとの購入証明書が要ります

申し込み時に必要なものは3つです。クレジットカード、端末の写真、購入証明書。

購入証明書は、販売店より発行される購入日と端末情報と販売店名が記載されている契約書や領収書や納品書や保証書などと定義されています。

法人が一括で買った場合の納品書は、この定義に当てはまる書き方です。ただし1枚の納品書に66台がまとめて記載されている場合、端末ごとにどう提出するかは公式に記載がありませんでした

保険証券は発行されません

約款の第4条に明記されています。当社はこの保険において保険証券またはこれに代わる書面の発行は行いません、という条文です。

代わりに保険契約確認証が電磁的方法で提供されます。紙の証券を稟議書に添付する運用を想定しているなら、この時点で手順を変えることになります。

  • 申し込み前に保険会社へ聞くこと
  • 22契約分を1枚の法人カードで決済できるか
  • 請求書払いや銀行振込に対応するか
  • 適格請求書を発行できるか
  • 1枚の納品書に複数台が記載されている場合の購入証明書の出し方

この4つは公式サイトに記載が見つかりませんでした。決裁に関わる部分なので、申し込む前に確認しておく項目です。

申し込みの入力は社員本人が告知したことになります

約款の第15条に、告知義務の規定があります。保険契約者または被保険者は、保険契約の締結の際に支払事由の発生の可能性に関する重要な事項を正確に告知することを要する、という条文です。

申し込み画面の入力がそのまま告知になる

告知の方法は、当社所定の告知書類か告知画面のいずれかとされています。オンライン申込であれば、申込画面への入力がそのまま告知になります。

項目内容
告知する人保険契約者または被保険者
告知の方法告知書類または告知画面への入力
違反したとき将来に向かって契約を解除できる(第16条)
支払事由の発生後発生後でも解除できる
既に受け取った保険金返還を請求される
払い込んだ保険料返還されない(第16条5項)

第16条には、故意または重大な過失によって重要な事実を告げなかった場合の扱いが書かれています。将来に向かって契約を解除でき、支払事由が発生した後でも解除できる、という内容です。

払い込んだ保険料は返還されないと明記されています。 端末の状態を実物と違う内容で登録したまま事故が起きると、この規定に当たります。

法人でまとめて申し込む場合、この入力を誰がやるかを決めておくことになります。総務がまとめて入力するなら、端末の状態は使っている社員に確認してからにする流れです。

なお契約年齢は満18歳からです。被保険者になるのは社員本人なので、この条件は通常問題になりません。

補償の開始日にも少しずれがあります。申込初月の保険料はかからず、申込日に第1回保険料を決済する流れです。

補償が始まるのは申込日の翌日で、保険契約日はその翌月1日になります。端末の入れ替え日に合わせるなら、前日までに申し込んでおくことになります。

月払いのみという制約が実務にどう効くかはモバイル保険のデメリットにも書いています。

法人でモバイル保険を契約できるかは退職と異動まで含めて決めます

社員が辞めたときにその契約はどうなるのか。公式のよくある質問には、この答えがありませんでした。

約款には書かれています。

被保険者は変更できます

第31条に、保険契約者は被保険者および当社の同意を得て被保険者を変更させることができる、とあります。

契約者である会社が、被保険者を辞める社員から後任の社員へ入れ替えられるという条文です。契約を作り直さずに中身の人だけ差し替えられます。

ただし同意が3者分必要です。契約者である会社と、被保険者である本人と、保険会社の3者が揃わないと手続きは進みません。

退職を申し出た社員から同意を取る場面になります。円満に辞めるとは限らないので、就業規則や貸与端末の誓約書の側に手当てしておく話につながります。

被保険者は契約を作り直さずに入れ替えられる

第30条には契約者そのものを変更する規定もあります。保険契約上の一切の権利と義務を第三者に承継させることができる、という条文です。

事業譲渡やグループ会社への移管があった場合に使う規定です。こちらも被保険者と保険会社の同意が要ります。

端末のほうには入れ替えの壁があります

人は入れ替えられますが、端末には制約があります。

  • 補償対象から削除した端末は二度と登録できない
  • 他の契約に登録していた端末も再登録できない
  • 副端末に登録しているものを主端末へ変更することはできない
  • 契約後に初めて追加した副端末は登録日から30日は補償が始まらない

社員AのMacBookを、退職後に社員Bへ回すケースで考えます。Aの契約からMacBookを削除すると、そのMacBookはBの契約に登録できません。

端末を残したまま被保険者だけ入れ替えるほうが、実務としては通ります。第31条を使う理由はここにあります。

この再登録できない制約を含めて、法人の運用に引っかかる条文を7つ数えたものはモバイル保険の法人デメリットは補償ではなく手続きに出ましたにまとめています。

端末は残して人だけ入れ替えるほうが通る

副端末を後から足す場合も、手続きは同じ形です。第32条には、保険契約者は被保険者および当社の同意を得て副端末について異なる2台を上限に追加することができる、と書かれています。

ここでも被保険者本人の同意が要ります。会社の判断だけで社員の契約に端末を足す形にはなりません。

そして第32条には、追加する端末にも第15条の告知義務が適用されると書かれています。後から足す1台にも、申し込み時と同じ告知が必要になります。

端末を削除してから人を入れ替えると、その端末は二度と登録できなくなります。順番を逆にすると詰みます。

辞める前にやることを決めておきます

  • 退職が決まったらやること
  • 端末を削除する前に被保険者の変更手続きができるか確認する
  • 辞める社員から被保険者変更への同意を取る
  • 後任が決まっていない場合その契約をどう扱うか決めておく
  • 端末を回収して倉庫に置くだけなら使用者がいなくなる点を確認する

最後の項目は見落としやすいところです。被保険者が所有または使用する端末が対象なので、誰も使っていない状態が続くと条件から外れる読み方になります。

30日の免責期間も効いてきます。後任の社員に別の端末を副端末として足す場合、その端末は登録日から30日は保険金が支払われません

契約時に主端末と同時に登録した副端末には、この免責期間は適用されません。再登録できないという制約の詳しい影響はモバイル保険のデメリットに整理しています。

法人でモバイル保険を契約できるかの前に海外出張と横領の扱いを確認します

契約できたとしても、支払われない場面があります。約款の第10条には保険金をお支払いしない場合が17項目並んでいました。

そのうち法人の使い方で当たりやすいものが3つあります。

支払われるのは5つの事故です

先に支払われる側を確認します。約款の第5条に支払事由が書かれていました。

外装破損、損壊、水濡れ全損、故障、および盗難、の5つです。ただしすり傷、汚れ、しみ、焦げ等の本体機能に直接関係のない外形上の損傷は除く、という但し書きが付いています。

天板に擦り傷が付いた程度では対象になりません。返却された端末の細かい傷を保険で埋めるという使い方は想定されていない書き方です。

自然の消耗や劣化も第10条の2項で除かれています。バッテリーが3年で弱ってきた、という理由では出ません。

日本国外で生じた損害は対象外です

第10条の17項に、日本国外において生じた損害という項目があります。

海外出張中にホテルでMacBookに水をこぼした場合、この項目に当たる読み方になります。出張の多い会社では、この1行が補償の前提を変えます。

使う場面扱い
国内のオフィスや自宅での破損対象
国内の出張先での破損対象
海外出張中の破損対象外(第10条17項)
海外駐在中の破損対象外(第10条17項)

海外拠点に社員を置いている会社や、出張が業務の中心になっている職種では、別の手当てを考えることになります。国内組と海外組で入るものを分ける、という判断もありえます。

地震、噴火、津波による損害も対象外です。水災と、屋外で生じた風災も第10条で除かれています。

社員が持ち去った場合は盗難と扱いが分かれます

盗難は支払事由に入っています。ただし第10条の11項に、詐欺または横領によって保険の対象に生じた損害という項目があります。

貸与した端末を社員が返さないまま連絡が取れなくなったケースは、盗難ではなく横領として整理される可能性があります。第三者が事務所に侵入して持ち去った場合とは別の扱いです。

置き忘れと紛失も第10条の12項で対象外です。会社の端末を電車に置き忘れた場合、盗難として扱われるかどうかは事実関係で分かれます。

  • 保険で埋まらないと想定しておく場面
  • 海外出張や海外駐在中に壊れた
  • 貸与した社員が端末を返さずに退職した
  • 電車やタクシーに置き忘れた
  • 使い込みでバッテリーや外装が劣化した

もう1つ、第10条の5項に見落としやすい規定があります。被保険者でない者が保険金の全部または一部を受け取るべき場合に、その者の故意または重大な過失によって生じた損害は支払われない、という内容です。

会社が保険金を受け取る形で運用する場合、会社側の過失も判定の対象に入る読み方になります。端末の管理体制そのものが問われる場面がありうる、ということです。

この保険は端末が壊れたときの修理代を埋める設計です。管理の不備や人の持ち去りまでを引き受ける設計ではありません。

支払事由と免責の全体像は、約款の第5条と第10条に並んで書かれています。契約前に目を通しておく2つの条文です。

法人でモバイル保険を契約できるかを決める前に保険金の受取先を確認します

保険料を払うのは会社です。事故が起きたときの保険金は誰に入るのか。

約款の第6条に書かれています。主端末または副端末が支払事由に該当した場合に、掲げられた金額を保険金として被保険者に支払う、という条文です。

被保険者に支払うと書かれています。契約者ではありません。

お金の流れは3段階に分かれます

段階誰が動くか内容
1. 修理代の支払い社員または会社修理店に修理費用を立て替える
2. 保険金の請求社員(被保険者)写真と修理報告書と領収書を提出する
3. 保険金の受け取り社員(被保険者)被保険者に支払われる

会社が修理代を立て替えた場合でも、保険金は社員個人に入ります。会社に戻すには社内で精算する手順が別に必要になります。

社員が自分で立て替えて自分で受け取るなら、お金の流れは閉じます。ただしその場合、修理代を一時的に社員が負担することになります。

どちらの形にするかを先に決めておかないと、事故が起きてから揉めます。

立て替えが起きない修理もあります

キャッシュレスリペアに対応している端末なら、修理店の窓口で立て替えが発生しません。対象はiPhone、Google Pixel、SHARP、モトローラ、Xiaomiです。

Macはこの一覧に入っていません。MacBookの修理は立て替えて後から請求する形になります。

修理代の高い端末ほど立て替えの負担が大きくなる、という順序です。MacBook Proの基板交換のように金額が張る修理ほど、先に現金が動きます。

請求に必要な書類は3点です。故障状態を写した写真と、修理報告書と、領収書またはレシートを揃えることになります。

請求権の時効は3年です。修理してから請求を忘れていた分を後で出す余地はありますが、修理報告書と領収書を保管しておくことが前提になります

なお免責金額の設定はありません。修理代が上限の範囲内であれば、自己負担なしで補填される仕組みです。

保険自己負担支払いのタイミング
モバイル保険なし(上限の範囲内)立て替えてから後日
AppleCare+(Mac そのほかの損傷)37,100円修理時にその場で
AppleCare+(Mac 画面)12,900円修理時にその場で

Appleの自己負担額は、画面が12,900円でそのほかの損傷が37,100円です。そのほかの損傷は画面の約2.9倍の金額になります。

自己負担ゼロと引き換えに、いったん立て替える手間が乗る。この交換条件をどう見るかが判断の分かれ目になります。

決めておけば運用できます

決めておく項目は3つです。被保険者を誰にするか、修理代を誰が立て替えるか、保険金が入った後にどう精算するか。

この3つを申し込む前に決めておけば、契約が22個に分かれていても運用は回ります。決めずに申し込むと、最初の1件で止まります。

申し込む前に決める3つ

主端末をどれにするかの判断はiPhone MacBook iPadをまとめて補償するときの主端末の決め方を見てください。

法人 モバイル保険 契約できるかについてよくある質問

Q. 法人名義のクレジットカードで支払えますか

A. 公式には支払方法としてクレジットカードが挙げられています。

ただし法人名義のカードが使えるかどうかは、公式サイトに記載が見つかりませんでした。オンライン申込ではクレジットカード払いのみになるので、申し込む前に確認しておく項目です。

Q. 社員が22名いる場合は22回申し込むのですか

A. 契約は被保険者ごとに分かれるので、22契約が必要になります。

一括で申し込める窓口があるかどうかは公式サイトに記載がありませんでした。オンラインの申込画面は1契約ずつ進む作りです。

Q. 会社が買った端末を社員が使っている場合は登録できますか

A. 被保険者が所有または使用する端末が対象なので、使用している社員を被保険者にすれば条件に合う読み方になります。

対象外とされているのは、被保険者以外が所有し使用する端末です。所有と使用の両方が被保険者以外である状態を指しています。

Q. 社員が退職したら契約はどうなりますか

A. 約款の第31条に被保険者を変更できる規定があります。

契約者と被保険者と保険会社の3者の同意が必要です。端末を削除してしまうと再登録できないので、人を入れ替える手続きを先に確認したほうが安全です。

Q. 保険金は会社の口座に振り込まれますか

A. 約款には保険金を被保険者に支払うと書かれています。

社員数がそのまま契約数になる

会社が修理代を立て替えた場合でも、保険金は被保険者である社員に入ります。会社に戻す精算は社内で別途決めることになります。

Q. 保険証券は発行されますか

A. 発行されません。

約款の第4条に、保険証券またはこれに代わる書面の発行は行わないと明記されています。代わりに保険契約確認証が電磁的方法で提供されます。

Q. 海外出張中に壊れた場合も補償されますか

A. 約款では日本国外において生じた損害が対象外とされています。

第10条の17項に記載があります。出張や駐在が多い部署では、国内で使う端末と分けて考えることになります。

Q. 中古で買った端末も登録できますか

A. 販売店の条件を満たしていれば登録できる書き方です。

重要事項説明書には、法人が運営している販売店で購入し3カ月以上の製品保証が確認できること、という条件が書かれています。フリマアプリやオークションで手に入れた端末は、約款第1条の新規取得に含まれません

Q. 損害保険契約者保護機構の対象ですか

A. 対象外です。

重要事項説明書に補償対象外である旨が記載されています。引受会社は少額短期保険業者であるさくら少額短期保険です。

22名分の端末を1つの契約で守る方法は、この保険には用意されていませんでした。用意されているのは、社員1人ずつに補償を持たせて、その保険料を会社が払う形です。

台数を数えても契約数は出ません。名簿を開いて人数を数えるところから始まります。

結論:法人でモバイル保険は契約できる。ただし契約者が会社、被保険者が社員1人という組を人数分つくる形になる。台数ではなく名簿の人数を数えるところから始める。
被保険者は1契約に1人。1人あたりの上限は20万円です。

月700円・最大3台まで

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※料金や条件は変わることがあります。加入前に、最新の内容を公式ページで確認してください。

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