保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
社用iPhoneの保証をauで続けるか、別の保険に移すか。月額880円と700円を並べて、年間の差額まで電卓で出したところで止まっていないでしょうか。
その880円は税込で、700円は非課税です。 同じ表に並んでいても、会社が最後にかぶる金額は片方だけ目減りします。
法人のauのiPhoneの保証の月額880円は税込で表示されています
auの故障紛失サポートは機種ごとに月額が分かれていて、iPhone 15 Pro・14 Pro・13 Proは880円です。この金額が税込なのか税抜なのかは、公式サイトの下部に1行だけ書かれています。
表記の金額は特に記載のある場合を除きすべて税込です。
機種別の月額は次のとおりです。
| 対象機種 | 月額(税込) |
|---|---|
| iPhone 15 Pro / 14 Pro / 13 Pro | 880円 |
| iPhone 15 / 14 / 13 / 13 mini / SE(第3世代) | 790円 |
| 2022年5月16日以前発売のAndroidスマートフォン(5G) | 726円 |
| スマートフォン(4G LTE)/ タブレット(4G LTE) | 693円 |
| ケータイ(4G LTE)/ データ通信端末 | 418円 |
880円の内訳は、料金そのものにあたる800円と、消費税にあたる80円です。 口座から引き落とされるのは880円ですが、そのうち80円は税金として預けている性格のお金になります。
社員58名がそれぞれ1台ずつ加入している会社で、1年分を出すとこうなります。
- 税込で払う総額は612,480円(880円 × 58名 × 12カ月)
- そのうち料金の部分は556,800円(800円 × 58名 × 12カ月)
- 消費税にあたる部分は55,680円(80円 × 58名 × 12カ月)
この55,680円が会社に戻るかどうかが、この記事の論点です。 契約単位や請求のまとめ方については法人のau故障紛失サポートの料金で分解しています。
法人のauのiPhoneの保証とモバイル保険では消費税の扱いが逆になります
auの880円に消費税が乗っているのに対して、モバイル保険の700円には乗っていません。公式サイトの商品概要に、金額と一緒に書かれています。
700円(非課税)
保険料が非課税になる根拠は、消費税法の第6条にあります。
国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第二に掲げるものには、消費税を課さない。
別表第二の中身は、国税庁が非課税の取引として並べている一覧を見たほうが早く、保険料はそこに名前で挙がっています。
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など
つまりモバイル保険の700円は、最初から税を含んでいない700円です。 auの880円のように「うち80円」と分解する余地がありません。

| 比べ方 | au(58名・年額) | モバイル保険(58名・年額) | 差 |
|---|---|---|---|
| 税込のまま並べる | 612,480円 | 487,200円 | 125,280円 |
| auだけ税を外して並べる | 556,800円 | 487,200円 | 69,600円 |
税込のまま並べると差は125,280円ですが、auの側だけ税を外すと69,600円まで縮みます。 同じ2社の同じ料金を見ているのに、並べ方だけで差が1.8倍ちがって見えます。
非課税と税抜が混ざった表をどう読むかは、端末をまたいで補償をまとめる場面でも同じ問題になります。 複数台を1本にする話は複数端末の補償を一本化するにまとめてあります。
モバイル保険は月700円(非課税)で、主端末1台と副端末2台の最大3端末までを1つの契約で補償します。公式サイトの商品概要に700円(非課税)と書かれているとおり、この700円には消費税が乗っていません。auの880円のように、うち80円が仕入税額控除の対象になるかどうかを自社の課税方式ごとに場合分けする作業が、そもそも発生しない金額です。公式FAQには法人契約も可能と書かれていますが、被保険者は個人である必要があるため、契約数は台数ではなく人数で決まります(調べた時点)。社員58名なら58契約で年487,200円です。稟議に載せる金額が課税方式によって振れないので、経理へ確認が要るのはauの側の1行だけになります。
700円のほうに消費税は乗りません。
法人のauのiPhoneの保証で払った消費税が戻るかは自社の課税方式で決まります
では69,600円と125,280円のどちらが自社にとっての差なのか。これはauの側ではなく、自社が消費税をどう申告しているかで決まります。
課税売上高が5億円以下で、かつ課税売上割合が95パーセント以上の場合について、国税庁はこう書いています。
課税期間中の課税売上げに係る消費税額から、その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除します。
この条件に当てはまる会社なら、auに払った55,680円は全額が控除の対象になります。 会社が実際にかぶるのは556,800円のほうなので、差は69,600円です。
課税売上高が5億円を超えるか、課税売上割合が95パーセント未満の場合は扱いが変わります。
課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除するのではなく、課税売上げに対応する部分のみを控除します。
したがって、「個別対応方式」、または、「一括比例配分方式」のいずれかの方式によって計算した仕入控除税額を、その課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。
この場合は55,680円のうち一部しか戻らないので、差は69,600円と125,280円の間のどこかに落ちます。 課税売上割合が下がるほど125,280円に近づきます。
簡易課税を選んでいる会社は、そもそも仕入れ側の実額を使いません。
第5種事業(運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く))
みなし仕入率は自社の事業区分で決まるので、auにいくら消費税を払ったかは計算に入ってきません。 免税事業者も納税義務がないので控除は発生せず、どちらも差は125,280円のまま動きません。
| 自社の課税方式 | auに払った55,680円は | 実質の差 |
|---|---|---|
| 本則課税・課税売上高5億円以下かつ課税売上割合95パーセント以上 | 全額を控除 | 69,600円 |
| 本則課税・課税売上高5億円超または課税売上割合95パーセント未満 | 課税売上げに対応する部分のみ | 課税売上割合に応じて69,600円と125,280円の間 |
| 簡易課税 | 控除額は売上側で決まるので影響しない | 125,280円 |
| 免税事業者 | 納税義務がないので控除もない | 125,280円 |
自社がどの行に乗るかで、同じ2つの見積もりの差が69,600円にも125,280円にもなります。先に決まっているのは保険料ではなく、自社の課税方式のほうです。
ここまでの区分は、国税庁が公開している説明を調べた時点の内容で整理したものです。 実際の控除額は自社の課税売上割合や事業区分で変わるので、金額を稟議に載せる前に顧問税理士か経理の担当者に確認してください。
法人のauのiPhoneの保証で控除を受けるなら適格請求書の保存が要ります
55,680円を控除するには、auから受け取る請求書が適格請求書である必要があります。ここでモバイル保険の側に、非課税ならではの事情が出てきます。
適格請求書を交付する義務は、消費税法の第57条の4に置かれています。
当該課税資産の譲渡等に係る適格請求書を当該他の事業者に交付しなければならない。
義務の対象になっているのは「課税資産の譲渡等」です。 非課税の取引はここに含まれないので、保険料に対して適格請求書を出す義務は条文の上ではありません。
整理するとこうなります。
- auの880円は課税仕入れなので、適格請求書を受け取って保存すれば控除の対象になる
- モバイル保険の700円は非課税なので、そもそも控除する消費税が存在しない
- 適格請求書が出ないことは不利ではなく、控除する対象がないという意味になる
法人でモバイル保険に申し込めるかを調べた記事では、適格請求書を発行できるかを確認事項として挙げたまま答えを出していませんでした。 契約できるかどうかの整理は法人でモバイル保険を契約できるかにまとめてあります。
法人のauのiPhoneの保証を税抜でそろえても安い順は変わりません
ここまで消費税の話を続けてきましたが、どちらが安いかという結論は一度も動いていません。動いたのは差の大きさだけです。
| 自社の課税方式 | au(58名・年額・実質) | モバイル保険(58名・年額) | 安いほう |
|---|---|---|---|
| 本則課税・全額を控除 | 556,800円 | 487,200円 | モバイル保険 |
| 本則課税・一部を控除 | 556,800円と612,480円の間 | 487,200円 | モバイル保険 |
| 簡易課税 | 612,480円 | 487,200円 | モバイル保険 |
| 免税事業者 | 612,480円 | 487,200円 | モバイル保険 |
4つのどの行を見てもモバイル保険のほうが安く、消費税まで細かく計算しても順番は入れ替わりません。 消費税を理由に乗り換えを勧める話があれば、それは差の見え方を効果として語り直しているだけです。
それでもこの計算を先にやる意味は、乗り換えの判断ではなく稟議書のほうにあります。
「年125,280円の削減」と書いて出すと、本則課税で全額を控除できる会社では経理から税込の数字だと差し戻されます。 最初から69,600円と書いておけば、確認に使う時間は数分で済みます。
法人のauのiPhoneの保証の消費税は請求書の税区分から確認できます
自社がどの課税方式なのかは、総務の側から見えないことがあります。ただし確認すべき相手と項目は3つに絞れます。
- 経理に自社が本則課税か簡易課税か免税事業者かを聞く
- auの請求書で月額の行がどの税区分になっているかを見る
- 課税方式に合わせて、税込と税抜のどちらで差額を出し直すかを決める
稟議に金額を書く前に、経理へ聞くのは課税方式のひとことだけです。それだけで125,280円と69,600円のどちらを書くかが確定します。

請求書の税区分を見れば、その行が課税仕入れとして拾われているかどうかも同時に分かります。 保険料の行に税区分が付いていなければ、それは非課税として処理されているという意味になります。
法人のauのiPhoneの保証についてよくある質問
Q. 880円は税込ですか税抜ですか
A. 税込です。
公式サイトに、表記の金額はすべて税込だと書かれています。内訳は料金の部分が800円、消費税にあたる部分が80円です。
Q. 簡易課税でもauに払った消費税は戻りますか
A. 控除額の計算には影響しません。
簡易課税は売上側の消費税額とみなし仕入率で控除額を出す方式だからです。auへ実際にいくら払ったかは計算に入らないので、実質の負担は税込の612,480円のままになります。
Q. モバイル保険の700円に消費税は乗りますか
A. 乗りません。
公式の商品概要に700円(非課税)と明記されています。保険料は国税庁が非課税の取引として挙げているものなので、税抜と税込という区別自体がありません。
Q. モバイル保険から適格請求書はもらえますか
A. 交付義務の対象外です。
適格請求書の交付義務は課税資産の譲渡等に対するものだからです。受け取れなくても控除できる消費税が存在しないので、税額の面で不利にはなりません。
Q. 稟議書には税込と税抜のどちらの金額を書けばよいですか
A. 自社の課税方式に合わせます。
本則課税で全額を控除できる会社なら、税抜でそろえた69,600円が実質の差です。簡易課税や免税事業者なら、税込の125,280円がそのまま実質の差になります。
880円と700円という2つの数字は、どちらも公式に書かれている正しい金額です。 それでも並べただけでは比較にならないのは、片方に税が乗っていて片方に乗っていないからです。
先に自社の課税方式を確認しておけば、あとは同じ土俵の数字で比べるだけになります。 58名分で年間いくら変わるのかは、請求書の税区分を1回見た日に確定します。
先に課税方式を経理へ聞いてください。
※料金や条件は変わることがあります。加入前に、最新の内容を公式ページで確認してください。