モバイル保険という名前を初めて見たとき、私はキャリアの補償サービスと同じものだと思っていました。端末を買うときに一緒に付ける、あの月額です。
実際に条件を読んでいくと、そこがまず違いました。モバイル保険は端末に付ける保険ではなく、契約のほうに端末を登録していく保険です。この数え方の違いが、月額の意味も、受け取れる額の上限も、端末を買い替えたときの手続きも決めています。
私はAppleCare+にiPhoneを2年入れて、月1,180円を払い続けて、修理は一度もしませんでした。そのあとモバイル保険に切り替えて、今も契約しています。保険が要らないという話をしたいのではなく、払う額と守れる範囲の釣り合いを見たいだけです。
公式に書いてある条件を、私が調べた時点の記載どおりに並べていきます。
保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
モバイル保険は端末ごとではなく1つの契約に3台まで登録する保険です
最初にここを押さえておくと、あとの数字がすべてつながります。
契約に端末を登録するという形です
キャリアの補償サービスは、その端末の回線に紐づいています。端末を持っている限り月額がかかり、端末を手放せば補償も終わります。
モバイル保険は契約が先にあって、そこに端末を登録します。契約しているのは人であって、端末ではありません。だから登録した端末を入れ替えることができますし、登録していない端末は補償されません。
この形になっているせいで、他の保証と条件を比べようとすると軸がずれます。片方は端末1台あたりの話をしていて、もう片方は契約1つあたりの話をしているからです。
主端末が1台で副端末が2台です
登録できるのは3台までですが、3台が同じ扱いではありません。主端末が1台、副端末が2台という内訳です。
主端末は補償される額が大きく、副端末は小さくなります。どれを主端末にするかは自分で決められるので、いちばん高い端末や、いちばん壊れたら困る端末を主端末に置くことになります。
組み合わせは自由に決められます
公式には主端末と副端末は自由な組み合わせが可能と書かれています。スマホ3台でもいいですし、スマホ1台とタブレット1台とイヤホン1台でもかまいません。
家族の端末を登録できるかどうかは、その端末を自分が所有または使用しているかで判断されます。名義と使用実態が分かれている場合は、加入前に確認しておいたほうが安全です。
スマホ以外の端末も登録できます
対象は日本国内で販売されたメーカー純正の無線通信が可能な端末です。スマホやタブレットのほかに、ノートパソコン、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホン、携帯ゲーム機なども無線通信ができるなら含まれます。
私がこの条件を見て意外だったのは、範囲がスマホに限定されていないところでした。スマホ保険という言葉で探していると、この幅の広さは見落とします。
端末を買い替えても契約は続きます
端末を買い替えたときは、登録内容を入れ替えます。契約そのものを解約して入り直す必要はありません。
キャリアの補償サービスだと、機種変更のたびに付けるかどうかを店頭で聞かれます。あの都度の判断が発生しないのは、契約が端末から切り離されているからです。
登録していない端末は補償されません

契約に紐づく形なので、登録していない端末は対象になりません。3台の枠が空いていても、登録の手続きをしていなければ、その端末で事故が起きても支払いはありません。
家に予備のタブレットがある、家族が使っている端末がある、という状態でも、枠に入れていなければ関係がありません。枠が余っているなら埋めておくほうが、月額が変わらない以上は無駄がありません。
| 区分 | 台数 | 補償の厚さ | 決め方 |
|---|---|---|---|
| 主端末 | 1台 | 大きい | 自分で指定する |
| 副端末 | 2台 | 小さい | 残りの枠に登録する |
| 合計 | 3台 | 年間の上限は通算 | 組み合わせは自由 |
モバイル保険の月額700円は台数で割ると1台あたりの額が変わります
金額そのものより、その700円が何に対する額なのかを確かめました。
月700円は契約に対する額です
月額700円は契約1つあたりの額です。1台登録しても3台登録しても、支払う額は変わりません。
端末ごとに保証を付ける形だと、台数が増えれば月額も増えます。2台目には2台目の月額がかかり、3台目には3台目の月額がかかります。モバイル保険はここが増えません。
1台だけ登録すると700円のままです
登録が1台なら、その1台に月700円を払っていることになります。この形だと、キャリアの補償サービスやメーカーの延長保証と比べて、劇的に安いわけではありません。
主端末1台だけで使う場合、モバイル保険を選ぶ理由は金額よりも、補償の中身や自己負担金のほうになります。
3台登録すると1台あたり234円になります
3台を登録すると、単純に割って1台あたり約234円です。ここまで来ると、端末ごとに保証を付ける形とは金額の桁が変わります。
ただし副端末の補償額は主端末より小さいので、234円で主端末と同じ厚さの補償が3つ手に入るわけではありません。割った額の安さだけを見ると、補償の厚さの差を見落とします。
| 登録台数 | 月額 | 1台あたりの月額 | 補償の内訳 |
|---|---|---|---|
| 1台 | 700円 | 700円 | 主端末のみ |
| 2台 | 700円 | 350円 | 主端末1台と副端末1台 |
| 3台 | 700円 | 約234円 | 主端末1台と副端末2台 |
自己負担金がないので修理のたびの出費が読めます
公式には事故発生時の自己負担金額はありませんと書かれています。修理のたびに数千円を払う仕組みではないということです。
他社のスマホ保険には、1回の修理につき自己負担金が発生するものがあります。月額が安く見えても、実際に使ったときにその額が乗ります。自己負担金の有無は、月額より使ったときの手取りに効いてきます。
端末ごとに保証を付ける場合と数え方が逆です
端末ごとの保証は、台数が増えるほど月額が積み上がり、1台あたりの額は変わりません。モバイル保険は月額が変わらず、1台あたりの額だけが下がります。
この逆向きの動き方が、どちらを選ぶかの分かれ目になります。守る端末が1台なら差は小さく、増えるほど差が開きます。
モバイル保険に登録できる端末には取得日と保証の条件があります
入れるかどうかは端末の値段ではなく、いつ手に入れたかと、今どんな保証が付いているかで決まりました。
新規取得から1年未満なら条件は取得日だけです
新規取得した日から1年未満の端末は、それだけで登録の条件を満たします。買ったばかりの端末をそのまま登録する形がいちばん素直です。
取得日は購入日ではなく、その端末を新規に取得した日として扱われます。中古で買った場合の数え方は少し込み入るので、後述します。
1年を過ぎている端末は有償の補償サービスに入っている必要があります
新規取得から1年以上経っている端末は、メーカーまたは通信キャリアが提供する有償の補償サービスに加入中であることを証明できれば登録できます。
つまり1年を過ぎた端末を裸の状態から登録することはできません。ここを知らずに、今使っている数年前のスマホを登録しようとして止まる人がいます。
日本国内で販売されたメーカー純正の端末が対象です
対象は日本国内で販売されたメーカー純正の無線通信が可能な端末です。海外で購入した端末や、純正ではない改造品は外れます。
技適マークの有無も判断材料になります。国内で正規に流通している端末であれば、通常この条件は自然に満たされます。
中古で買った端末は買った場所で判断が変わります
中古端末は、端末の値段ではなく買った場所で扱いが変わります。法人が運営する販売店で、一定期間以上の製品保証が付いているかどうかが分かれ目です。
個人間の売買やオークション、フリマアプリで手に入れた端末は、この条件を満たしません。詳しい線引きはモバイル保険に中古スマホを登録できるかを確かめた記事にまとめています。
副端末は登録した初回だけ30日間の待機があります
副端末には、追加登録時の初回のみ30日間の待機期間があります。登録したその日から補償が始まるわけではありません。
割れそうだと思ってから登録しても間に合わない、という設計です。副端末を増やす予定があるなら、実際に必要になる前に登録しておくことになります。
モバイル保険が払うのは修理費で年間15万円が上限です
上限の数字は複数あって、どれが自分に効くのかを取り違えやすいところでした。
年間15万円は3台を通算した額です
年間の補償上限は15万円です。この15万円は主端末と副端末を通算した額で、端末ごとに15万円ずつあるわけではありません。
主端末で12万円を使えば、その年に残るのは3万円です。3台を登録していても、財布は1つという数え方になります。
主端末は修理できる場合に最大15万円です
主端末が修理可能と診断された場合、支払われるのは最大15万円です。年間の上限と同じ額なので、主端末の修理だけで枠を使い切ることもあります。
高額な修理が発生しやすいのは、画面の割れよりも基板の故障や水濡れのほうです。主端末をどれにするかは、値段だけでなく壊れたときの修理費で決めることになります。
副端末は2台合計で最大45,000円です
副端末の上限は、修理可能な場合に2台合計で最大45,000円です。1台あたり45,000円ではなく、2台を足して45,000円という数え方です。
副端末に高額な端末を置くと、この45,000円では足りない場面が出てきます。上限の低いほうに高い端末を置くと、登録しているのに足りないという状態になります。
修理できないと診断されると額が下がります
修理不能や盗難と診断された場合、支払われる額は下がります。主端末は1回の請求につき37,500円が上限、副端末は11,250円が上限です。
修理して使えるなら大きく出るが、端末そのものが失われたときは買い替え代の一部にとどまる、という設計です。この保険が守っているのは修理費であって、端末の買い替え代ではありません。
| 区分 | 修理できる場合 | 修理できない場合と盗難 |
|---|---|---|
| 主端末 | 最大150,000円 | 1回の請求につき37,500円 |
| 副端末2台の合計 | 最大45,000円 | 1回の請求につき11,250円 |
| 年間の通算上限 | 150,000円 | 150,000円 |
実際に戻る額は修理の内容で決まります
上限額はあくまで上限で、実際に戻るのはかかった修理費です。画面交換で2万円かかったなら2万円が戻り、15万円が出るわけではありません。
修理の種類ごとにいくらかかって、いくら戻るのかはモバイル保険で修理費がいくら戻るのかを調べた記事で個別に見ています。
1つの契約に3台まで登録できるので、守る端末が増えるほど1台あたりの額は下がります。
端末ごとではなく1契約で主端末1台+副端末2台まで。
モバイル保険で対象にならない事故があります
補償される事故は故障、外装破損、損壊、水濡れ、盗難です。ここに入っていないものが、そのまま対象外になります。
置き忘れと紛失は補償の対象外です
公式には置き忘れまたは紛失によって生じた損害は対象外と書かれています。どこかに置いてきた、なくした、という状況ではお金は出ません。
スマホの事故で多いのは落として割ることと、なくすことです。後者が丸ごと外れているのは、加入前に確かめておきたい条件です。
盗難は対象ですが紛失とは扱いが違います
盗難は補償の対象です。ただし紛失との区別は自己申告では決まりません。盗難として請求する場合は、警察への届出など、盗難であることを示す手続きが必要になります。
自分の管理下から離れたという点では同じでも、保険の扱いは分かれます。ここを混同したまま加入すると、いざというときに話が合いません。
日本国外で生じた損害は対象になりません
日本国外で生じた損害は対象外です。旅行先や出張先で壊した場合、この保険では出ません。
海外で使う機会が多い人にとっては、ここが実質的な穴になります。国内での事故を前提に組まれた保険だと理解しておく必要があります。
購入から1年以内のメーカーの瑕疵による故障は対象外です
購入から1年以内のメーカーの瑕疵による故障は対象外です。この期間はメーカー保証が効くので、そちらで直してくださいという整理になります。
保険が重なる部分を外している形で、不利な除外というより役割分担です。メーカー保証が切れたあとの故障が、この保険の出番になります。
対象外の項目をまとめて知りたい場合
ここでは対象外の代表的な4つを挙げましたが、細かい条件はほかにもあります。弱点として並べたものはモバイル保険のデメリットを整理した記事にまとめてあります。
加入前に不利な条件を先に読んでおくほうが、あとで話が違うとなりません。
モバイル保険の請求はマイページとキャッシュレス修理の2通りです
保険は入ったあとの手続きが面倒だと使われなくなります。請求の形も確かめました。
マイページから保険金を請求する流れです
公式にはマイページから簡単に保険金請求が可能と書かれています。修理に出して、かかった費用を支払い、そのあとにマイページから請求する流れです。
先に自分で修理代を立て替えるので、手元の現金は一度出ていきます。戻ってくるまでの間は自分の負担になります。
リペアパートナーならその場で修理が終わります
提携している修理店はリペアパートナーと呼ばれ、事前にマイページから申し込んでおくと、その場でキャッシュレスに修理が受けられます。立て替えが発生しません。
修理代を先に払わずに済む形は、金額が大きいときほど効きます。近くにリペアパートナーがあるかどうかは、加入前に見ておく価値があります。
キャッシュレス修理には対象の機種があります
キャッシュレスリペアを提供している端末は、iPhoneシリーズ、Google Pixelシリーズ、SHARP製スマートフォン、モトローラ製スマートフォン、Xiaomi製スマートフォンです。
ここに入っていない機種は、立て替えてから請求する形になります。補償されないわけではなく、手続きの手間が変わるだけです。
修理店を自分で選ぶ場合は先に見積もりを取ります
リペアパートナー以外で修理する場合は、修理の内容と金額がわかる書類が必要になります。修理前に見積もりを取っておくと、あとの手続きが速くなります。
領収書だけで内訳がわからないと、確認に時間がかかります。何をいくらで直したかが書かれた書類を残すのが確実です。
請求には端末の情報と事故の状況が必要です
請求の際は、どの端末で何が起きたのかを伝えることになります。登録している端末の情報と、事故が起きた日時や状況が求められます。
登録のときに端末の製造番号を入れているので、あとから別の端末に付け替えることはできません。事故が起きてから登録しても間に合わないのは、この紐づけがあるからです。
引き受けているのはさくら少額短期保険です
モバイル保険を引き受けているのはさくら少額短期保険です。少額短期保険は保険業法にもとづいて登録された事業者で、扱える保険金額と保険期間に上限が定められています。
年間15万円という上限は、この枠組みのなかで設計された数字です。誰が引き受けているかは、条件を読むときの前提になります。
モバイル保険が噛み合うのは守る端末が2台以上あるときです
ここまでの条件を並べると、向いている人と向いていない人がはっきり分かれました。
守る端末が1台なら端末ごとの保証と大きく変わりません
主端末1台だけを登録するなら、月700円で最大15万円という条件になります。キャリアの補償サービスやAppleCare+と比べて、金額の面で大きく離れているわけではありません。
この場合は自己負担金がないことと、紛失が対象外であることのどちらを重く見るかで決まります。1台だけなら、金額ではなく中身で選ぶ話になります。
2台目からは1契約という数え方が効いてきます
2台目を守ろうとした時点で、端末ごとの保証は月額が倍になります。モバイル保険は700円のままです。
守る端末が3台になれば差はさらに開きます。月額が動かないという性質は、台数が増えたときにだけ意味を持ちます。
| 守る端末 | 端末ごとに保証を付ける場合 | モバイル保険の場合 |
|---|---|---|
| 1台 | 端末1台分の月額 | 700円 |
| 2台 | 端末2台分の月額 | 700円 |
| 3台 | 端末3台分の月額 | 700円 |
3台の割り当て方で守れる額が変わります
3台の枠があっても、どれを主端末に置くかで守れる額は変わります。上限の大きい枠に安い端末を置くと、枠が余ります。
割り当て方の考え方はモバイル保険のおすすめの割り当て方をまとめた記事で具体的に見ています。
AppleCare+から切り替える場合の注意

AppleCare+に入っている状態からモバイル保険に切り替える場合、解約のタイミングと登録の条件が絡みます。新規取得から1年以上経っている端末は、有償の補償サービスに加入中であることが登録の条件だからです。
先にAppleCare+を解約してしまうと登録できなくなる場合があります。順番の話はAppleCare+とモバイル保険の関係を整理した記事に書いています。
他の保証と並べて見たい場合

AppleCare+、キャリアの補償サービス、モバイル保険を横に並べて条件を見比べたい場合はスマホ保険を比較した記事にまとめてあります。
自分の端末が何台あって、そのうち何台を守りたいのか。そこが決まると、選ぶものは自然に絞られます。
結論:モバイル保険は端末ではなく契約に端末を登録する保険で、守る端末が2台以上あるときに数え方が噛み合う。
主端末1台+副端末2台まで、月700円から。
※料金や条件は変わることがあります。加入前に、最新の内容を公式ページで確認してください。
モバイル保険についてよくある質問
Q. モバイル保険は月額いくらですか
A. 月額700円です。
この700円は契約1つあたりの額で、登録する端末が1台でも3台でも変わりません。台数で割ると1台あたりの額が下がっていく仕組みです。
Q. モバイル保険は何台まで登録できますか
A. 主端末1台と副端末2台の計3台までです。
主端末と副端末で補償される額が違い、主端末のほうが大きくなります。どれを主端末にするかは自分で指定できます。
Q. モバイル保険で紛失は補償されますか
A. 置き忘れと紛失は対象外です。
盗難は補償の対象ですが、紛失とは扱いが分かれます。盗難として請求する場合は、盗難であることを示す手続きが必要になります。
Q. モバイル保険は自己負担金がかかりますか
A. 事故発生時の自己負担金はありません。
修理のたびに数千円を払う仕組みではないため、かかった修理費が上限の範囲で戻ります。他社のスマホ保険には自己負担金があるものもあります。
Q. 何年も使っているスマホをモバイル保険に登録できますか
A. 新規取得から1年以上経っている端末は、有償の補償サービスに加入中であれば登録できます。
メーカーまたは通信キャリアが提供する有償の補償サービスに入っていることを証明する必要があります。何も付けていない状態からは登録できません。
Q. モバイル保険で受け取れる額はいくらまでですか
A. 年間15万円が上限です。
主端末は修理可能な場合に最大15万円、副端末は2台合計で最大45,000円です。修理不能や盗難の場合は主端末37,500円、副端末11,250円が1回の請求の上限になります。