保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
社用iPhoneに保険を掛けようとしてデメリットを調べると、掛け捨てや上限の話ばかりが出てきます。どれも個人が契約したときの話で、会社の端末に当てはめると答えが変わります。
社用iPhoneで不利になるのは端末の側ではなく、保険金が動いたあとの処理です。 会社の資産が壊れて社員個人にお金が入る並びを、非課税を定めた条文はそのままの形では想定していません。
モバイル保険は月額700円(非課税)で、1契約に最大3台まで登録できます。契約者と被保険者は個人が前提で、保険金は端末を使う本人の口座へ振り込まれます。社員33名に社用iPhoneを1台ずつ配る会社なら33契約で月23,100円・年277,200円になりますが、会社が払ったこの保険料に対して保険金は会社を通りません。掛け捨てであることも、受取人が誰になるのかも、申し込む前に約款で確かめられます。
保険料を誰が払うかより先に、保険金が誰の口座に入るのかを確かめてください。
社用iPhoneのモバイル保険のデメリットは保険金が動いたあとに出ます
社用iPhoneにモバイル保険を掛けたときの不利な点は、補償の中身ではなくお金の流れに出ます。 契約したあとの動きを会社と社員に分けると、入れ違いになっている行が2つあります。
| お金の動き | 会社 | 社員 |
|---|---|---|
| 保険料を払う | 払う | 払わない |
| 端末を所有する | 所有する | 所有しない |
| 保険金を受け取る | 受け取らない | 受け取る |
| 修理費を負担する | 負担しうる | 負担しうる |
| 雑損控除を使う | 制度がない | 所有者でないので使えない |
2行目と3行目が入れ違っています。端末を持っている側にはお金が入らず、お金が入る側は端末を持っていません。
社用iPhoneの保険は、契約の名義と所有の名義がずれたまま動きます。そのずれが表に出るのは、事故が起きて保険金が振り込まれたあとです。
契約や運用の面で先に引っかかるデメリットは別に7つあります。 手続きの側はモバイル保険を法人で使うデメリットにまとめました。
社用iPhoneのモバイル保険は会社の資産を社員の名義で守る形になります
モバイル保険は個人向けの少額短期保険で、契約者も被保険者も個人が前提です。 会社が社用iPhoneに掛けようとすると、契約の主体を社員個人にする形しか残りません。
| 項目 | 社用iPhoneでの実態 |
|---|---|
| 端末の所有者 | 会社 |
| 契約者 | 社員個人 |
| 被保険者 | 社員個人 |
| 保険金の受取人 | 社員個人 |
| 保険料の負担者 | 会社または社員 |
所有する人と受け取る人が別々になります
会社の資産に掛けた保険なのに、保険金は会社を通らずに社員の口座へ入ります。 精算のルールがないと、社員が受け取ったお金をどう会社に戻すのかが決まりません。

法人名義で契約できるのかという入口の話は別にあります。 契約の可否は法人でモバイル保険を契約できるかで確かめてください。
社用iPhoneのモバイル保険の保険金が非課税になる根拠は政令の側にあります
保険金に税金がかからない根拠は所得税法にありますが、法律の本文だけを読むと少額短期保険は出てきません。 所得税法第9条第1項第18号が名指ししているのは、損害保険会社の保険契約です。
保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
末尾の「その他の政令で定めるもの」が受け皿になっています。その政令が所得税法施行令の第30条で、第1号のカッコ書きに少額短期保険業者が入ります。
損害保険契約(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社若しくは同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約又は同条第十八項に規定する少額短期保険業者(以下この号において「少額短期保険業者」という。)の締結したこれに類する保険契約をいう。以下この条において同じ。)
「以下この条において同じ」と書かれているので、同じ条の第2号に出てくる「損害保険契約」にも少額短期保険業者が含まれます。 第2号は資産の損害を扱う号で、社用iPhoneの修理費に当たるのはこちらです。
| 段階 | 条文 | 書かれていること |
|---|---|---|
| 法律 | 所得税法第9条第1項第18号 | 損害保険会社と「政令で定めるもの」 |
| 政令の第1号 | 所得税法施行令第30条 | 少額短期保険業者を追加・身体の傷害 |
| 政令の第2号 | 所得税法施行令第30条 | 資産の損害に基因して支払を受けるもの |
法律ではなく政令で拾われている構造です。口コミの側から確かめたいなら法人のモバイル保険で最悪と言われる不満で条文と突き合わせています。
社用iPhoneのモバイル保険で条文が想定しているのは損害を受けた本人です
所得税法施行令第30条の柱書きには、誰が損害を受けたのかを指す言葉が入っています。 非課税から差し引く金額を説明する部分で、「損害を受けた者」という主語が使われています。
法第九条第一項第十八号(非課税所得)に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号の損害を受けた者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補塡するための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。
損害を受けた人が自分で受け取る前提で書かれた文章です。社用iPhoneでは損害を受けたのが会社で、受け取るのが社員という並びになります。
給与しかない社員は第94条の側に入りません
第30条第2号は、施行令第94条に当たるものを除くと書いています。 その第94条は事業をしている人の話で、給与だけを受け取る社員は入りません。
不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を行なう居住者が受ける次に掲げるもので、その業務の遂行により生ずべきこれらの所得に係る収入金額に代わる性質を有するものは、これらの所得に係る収入金額とする。
社員が会社員である限り、受け取った保険金が事業の売上に変わることはありません。 補償の範囲は社用端末の保険がどこまで補償するかに整理しました。
社用iPhoneのモバイル保険で受取人がずれたときの受け皿は身体の側にしかありません
受け取る人と損害を受けた人が違う場合について、国税庁は通達を置いています。 所得税基本通達9-20がそれで、対象は身体の傷害に限られています。
令第30条第1号の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいうのであるが、その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、当該保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとする。
ずれを認めるのは配偶者と直系血族と生計を一にする親族までです。会社と社員はこの並びに入っていません。
資産の側に同じ通達が見当たりません
9-20が扱っているのは第1号、つまり身体の傷害です。 社用iPhoneが当たるのは第2号の資産の損害で、同じ趣旨の通達は第18号関係を通して見当たりません。
| 号 | 対象 | 受取人がずれた場合の通達 |
|---|---|---|
| 施行令第30条 第1号 | 身体の傷害 | 9-20(親族まで) |
| 施行令第30条 第2号 | 資産の損害 | 見当たらない |
| 施行令第30条 第3号 | 相当の見舞金 | 9-23(社会通念上相当) |
書かれていないことは、課税だとも非課税だとも読めません。 金額が大きくなる場面では、税理士か所轄の税務署に確かめるのが早道です。
補償の側で対象から外れる場面は別にあります。 一覧は業務端末で補償の対象外になるケースに並べました。
社用iPhoneのモバイル保険のデメリットは社員が雑損控除を使えないことにも出ます
社員が自腹で修理した分を確定申告で取り戻せないかと考える人がいます。 雑損控除には資産の要件があり、社用iPhoneはその入口で外れます。
損害を受けた資産が次のいずれにも当てはまること。(1)資産の所有者が次のいずれかであること。
イ 納税者
ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)の方
社用iPhoneの所有者は会社のままです
要件の(1)イは、納税者本人が所有していることを求めています。 社用iPhoneの所有者は会社なので、社員は自分の資産として申告できません。
さらに(2)で事業用固定資産等は対象外とされています。会社の側から見ても、雑損控除は個人にしかない制度です。
社員に修理費を負担させられるかという論点は労働基準法の側にあります。 請求の可否は社用スマホに保証が必要かで条文を並べました。
社用iPhoneのモバイル保険で落下と水濡れは雑損控除の原因に並んでいません
所有者の要件を満たしていたとしても、雑損控除には損害の原因の縛りがあります。 国税庁のタックスアンサーが挙げているのは5つで、手を滑らせて落とした事故はどれにも当たりません。
- 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
- 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
- 害虫などの生物による異常な災害
- 盗難
- 横領
なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。
社用iPhoneで実際に起きる壊れ方を、この5つに当てて並べます。当たるのは2つだけです。
| 社用iPhoneでよくある壊れ方 | 雑損控除の原因に当たるか |
|---|---|
| 手を滑らせて落とした | 当たらない |
| 水をこぼした | 当たらない |
| 通勤中に置き忘れた | 当たらない |
| 車上荒らしで盗まれた | 盗難に当たる |
| 台風で浸水した | 自然現象の異変に当たる |
盗難と自然災害だけが並びに入っています。 ただし所有者が会社である以上、社員の側で控除に使える場面は残りません。
会社が修理費を出したときの扱いは法人税の側で決まります。 修繕費になるか資産になるかの線引きは社用iPhoneの画面割れ修理費にまとめました。
社用iPhoneのモバイル保険のデメリットを見舞金で埋める道には相当という条件が付きます
保険金が社員に入る形をそのままにして、会社が見舞金を出す運用を考えることがあります。 所得税法施行令第30条の第3号は見舞金を挙げていますが、言葉に条件が付いています。
心身又は資産に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金(第九十四条の規定に該当するものその他役務の対価たる性質を有するものを除く。)
条件は「相当の」と「役務の対価たる性質を有するものを除く」の2つです。金額が大きすぎるものや、働きへの報酬に見えるものは外れます。
相当かどうかは金額だけで決まりません
国税庁は通達9-23で相当性の判断材料を挙げています。 見ているのは金額そのものではなく、受け取る人の立場と贈る側との関係です。
葬祭料、香典又は災害等の見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、令第30条の規定により課税しないものとする。
通達が名指ししているのは葬祭料と香典と災害等の見舞金です。端末の破損をここに読み込めるかは書かれていないので、制度として当てにする前に確かめる場面になります。

会社所有の端末をどう扱うかという枠組みの話は別にあります。 契約の型は会社所有のスマホに保険を掛ける形で比べました。
社用iPhoneのモバイル保険のデメリットを33名33台で数えました
社員33名に社用iPhoneを1台ずつ配っている会社で数えます。 1人1契約で33契約になり、月額は700円の33人ぶんです。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 社員 | 33名 |
| 社用iPhone | 33台 |
| 契約 | 33契約 |
| 月額 | 23,100円 |
| 年額 | 277,200円 |
| 会社の帳簿に載る保険金 | 0円 |
| 社員が雑損控除で引ける額 | 0円 |
年277,200円を会社が払っても、保険金の側は会社の帳簿を1円も通りません。 社員の側でも控除に回せる金額はなく、下の2行がどちらも0円のまま動きません。

この0円を埋めるには、社員が受け取ったお金を会社に戻す手続きを作ることになります。 契約の数え方と枠の内訳は会社のスマホとパソコンの保険で分解しました。
社用iPhoneのモバイル保険のデメリットを踏まえて会社が先に決める3つのこと
契約する前に決めておくと、事故が起きたときに止まらずに済みます。 決めるのは保険の中身ではなく、社内でお金と書類がどう動くかです。
- 保険料を会社と社員のどちらが払うのかを社内規程に書く
- 社員に振り込まれた保険金を会社に戻す手順と期限を先に決める
- 修理費を立て替える人と精算の締め日をそろえる
- 保険金の税務上の扱いは会社ごとの事情で変わるため、金額が大きくなる前に顧問税理士に確かめる
契約書を読む前に、保険金が振り込まれる口座の名義を確かめてください。 社員個人の口座であれば、戻す手続きを作らない限りお金は会社に届きません。
社用iPhoneのモバイル保険のデメリットについてよくある質問
Q. 社用iPhoneに会社名義でモバイル保険を掛けられますか
A. 契約者を法人にする形は用意されていません。
モバイル保険は個人向けの少額短期保険で、被保険者は個人が前提です。会社が掛けたい場合は、社員個人を契約者にして保険料を会社が負担する形になります。
Q. 社員が受け取った保険金に税金はかかりますか
A. 条文だけでは決まりません。
所得税法施行令第30条第2号は資産の損害を非課税としていますが、受取人を条文の上で限定していません。受取人がずれる場合の手当ては身体の傷害の側にしか置かれていないため、金額が大きい場合は税理士に確かめる場面になります。
Q. 社員が受け取った保険金を会社に渡すと問題になりますか
A. 手順を決めていないことのほうが問題になります。
保険金は社員の口座に入るので、会社に戻すには社内のルールが要ります。期限と書式を決めておけば、精算のたびに判断せずに済みます。
Q. 社員が自腹で修理したら確定申告で戻せますか
A. 雑損控除は使えません。
控除の対象になる資産は、納税者本人か生計を一にする親族が所有しているものに限られます。社用iPhoneの所有者は会社なので、この入口で外れます。
Q. 盗まれた場合は雑損控除の対象になりますか
A. 原因としては並んでいますが、所有者の要件で外れます。
損害の原因の5つには盗難が入っています。ただし社用iPhoneは社員の資産ではないため、原因を満たしても控除には届きません。
Q. 会社が見舞金を出せば非課税で渡せますか
A. 相当と認められる範囲に限られます。
所得税法施行令第30条第3号は「相当の見舞金」と書き、役務の対価にあたるものを除いています。通達が名指ししているのは葬祭料と香典と災害等の見舞金までです。
Q. 保険料を会社が払うと社員の給与になりますか
A. 社内での負担の決め方によって扱いが変わります。
保険料の負担者と契約者が別々になるため、規程で位置づけを決めておくことになります。判断が分かれる場面なので、契約の前に顧問税理士に確かめてください。
Q. 法人向けの保険に切り替えれば解決しますか
A. お金の入口は変わりますが、選択肢は限られます。
契約者を法人にできる商品であれば、保険金は会社に入ります。モバイル保険はその形を用意していないため、メーカー保証や動産総合保険と比べる話になります。
社用iPhoneのモバイル保険で残る不利な点は、補償の中身ではなくお金の出口にありました。保険料は会社が払い、保険金は社員に入り、控除はどちらも使えないという並びが残ります。
この形を避けたいなら、契約する前に精算のルールを1枚に書いておくことです。 書いてあれば事故のたびに判断せずに済み、書いていなければ毎回止まります。
契約より先に、社員へ振り込まれた保険金を会社に戻す手順を決めてください。
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