保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
社用の iPhone を配り、Apple Watch まで足した会社が最後に配るのは、たいてい AirPods です。本体の値段が下がるぶん、補償の話も軽く済むように見えます。
ところが AirPods は、Apple の規約では本体の台数に数えられないのに、保険の契約書では1台ぶんの席を丸ごと使います。 同じ機械なのに、制度をまたいだ瞬間に数え方が入れ替わりました。
AppleCare for Enterprise の規約は、守る対象を「Apple 製品と元の箱に入っていた同梱品」と定義しています。AirPods は別に買う機械なので本体の総数には数えられず、修理と技術サポートを受け取る側に回ります。ところがモバイル保険の約款は登録できる端末を最大3台と決めているだけで、本体か小物かを区別しません。月額700円(非課税)で3台まで登録でき、45名に iPhone・Apple Watch・AirPods を配る前提なら月31,500円・年378,000円です。
AirPods を3つ目の席に置くかどうかが、そのまま年額を決めます。
法人のワイヤレスイヤホンの補償はAirPodsが元の箱の外にあります
AppleCare for Enterprise が守る対象は、規約の第1条で Included Devices という名前を与えられています。 その定義の一文に、AirPods の居場所を決める言葉が入っていました。
This Service Plan is a non-insurance, supplemental warranty providing hardware service and technical support services for the Apple-branded products and the bundled accessories contained in the original packaging (“Included Devices”) listed in your Service Plan documentation (“Plan Confirmation”).
Included Devices は「Apple 製品と、元の箱に入っていた同梱品」と書かれています。契約書にあたる Plan Confirmation に載ったものが、この列に並びます。
| 買い方 | 規約上の呼び名 |
|---|---|
| Plan Confirmation に載っている Apple 製品 | Included Devices |
| その製品の元の箱に入っていた同梱品 | Included Devices |
| あとから Apple で買った純正アクセサリ | Included Equipment |
AirPods は iPhone の箱には入っていません。別に買う機械なので、規約のうえでは3行目に落ちます。
AirPods が Apple の契約から外れているわけではありません。入る列が本体と違うだけです。
元の箱に入っていた同梱品はそのまま同じ列です
同じイヤホンでも、iPhone に同梱されていたものは扱いが変わります。 箱の中身は Included Devices の定義に含まれているので、本体と同じ行に並んだままです。
- 元の箱に入っていた充電ケーブル
- 元の箱に入っていた電源アダプタ
- 元の箱に入っていた有線のイヤホン
登録できる端末の範囲そのものは社用端末の保険がどこまでを対象にするかにまとめました。 会社が持つ機械のうち、どれが対象になるかを先に確かめると話が早く進みます。
法人のワイヤレスイヤホンの補償はAppleから買えば範囲に入ります

第1条には後段があり、そこで別売のアクセサリが拾われています。 拾われる条件は、Apple から買ったものであることでした。
In addition to the Included Devices, Apple will also provide hardware service and technical support services for Apple-branded mice, Apple battery chargers, and other Apple-branded accessories purchased from Apple and used with the Included Devices (which together with the Included Devices are collectively referred to as the “Included Equipment”).
名指しされているのは Apple 純正のマウスと Apple のバッテリー充電器、そして「Apple から購入したその他の Apple 純正アクセサリ」です。Included Devices と合わせた全体が Included Equipment と呼ばれます。
| 条件 | 満たすか |
|---|---|
| Apple 純正であること | AirPods は満たす |
| Apple から購入したものであること | 購入先による |
| Included Devices と一緒に使うこと | iPhone と使うなら満たす |
家電量販店や通販サイトで買った場合、この条文の「purchased from Apple」に当たるかどうかは購入先の契約次第です。規約の文面だけでは決まらないので、調達の窓口を1つに寄せておくほうが確認の手間が減ります。
同じ第1条の後段が Apple Watch の純正バンドを拾う話は法人のApple Watchの補償はどこまで届くかで扱いました。 本体ではないものが範囲に入る仕組みは、Watch のバンドと AirPods で同じ形をしています。
法人のワイヤレスイヤホンの補償は交換用の在庫からは出ません
Enterprise 契約には、壊れた端末の代わりを即日で出す在庫の仕組みがあります。 その在庫の中身は、規約が機種名で列挙していました。
Apple will make available a pool of Service Components to the Enterprise consisting of the relevant iPad, iPhone, and iPod touch Apple devices (the “Device Pool”)
並んでいるのは iPad と iPhone と iPod touch の3つだけです。AirPods はこの列挙に入っていません。
| 在庫の種類 | 中身 | AirPods |
|---|---|---|
| Device Pool | iPad・iPhone・iPod touch | 入っていない |
| Component Pool | Mac と Apple製ディスプレイの部品 | 入っていない |
修理そのものは受けられますが、代わりの本体が先に届く扱いにはなりません。
この在庫の枠がいつから使えるようになるかは法人がAppleCareにあとから加入できるかに書きました。 枠の数え方まで含めて確かめたい場合は、そちらを先に読むほうが順序として自然です。
法人のワイヤレスイヤホンの補償は接続の相談が条文にあります
AirPods で社員が困るのは、壊れたときよりも「つながらない」ときのほうが多いはずです。 規約は技術サポートの範囲を列挙していて、そこに接続の問題が名前で入っていました。
(iii) Connectivity issues between Included Equipment and a Supported Computer. A “Supported Computer” means a computer that meets the Included Equipment’s connectivity specifications and runs an operating system supported by the Included Equipment.
Supported Computer は「その機器の接続仕様を満たし、対応OSが動いているコンピュータ」と定義されています。AirPods と社用 iPhone の組み合わせは、この条件に収まります。
| 相談の内容 | 条文上の扱い |
|---|---|
| Included Equipment そのものの使い方 | 3.4(i) の対象 |
| Included Equipment と Supported Computer の接続 | 3.4(iii) の対象 |
| 他社製品との相性 | 4.2(iii) で対象外 |
社員が「片方だけ音が出ない」と言ってきたとき、まずこの窓口に回せます。ただし他社製のパソコンやアプリが絡む相談は、別項で範囲の外に置かれています。
契約したあとに範囲の狭さで困る場面は法人がAppleCareで後悔するのはどこかにまとめました。 どこまでが窓口の仕事かを先に知っておくと、社内の問い合わせを振り分けやすくなります。
法人のワイヤレスイヤホンの補償は保険だと3台の席を1つ使います

ここから先はモバイル保険側の話で、扱いが Apple と正反対になります。 約款は登録できる端末の数を決めていて、そこに本体と小物の区別がありません。
1.保険の対象は、被保険者が所有または使用する保険契約確認証に記載されている通信端末とし、最大3台まで補償の対象となります。
書かれているのは「最大3台」だけです。AirPods を登録すれば、iPhone や MacBook と同じ重さで席が1つ埋まります。
| 登録する端末 | 使う席 |
|---|---|
| iPhone | 1つ |
| Apple Watch | 1つ |
| AirPods | 1つ |
Apple の規約では本体の総数に数えられなかったものが、保険の契約書では1台として数えられます。 ここが制度をまたいだときの反転です。
4台目からは2契約目が必要になります
席が3つで固定されている以上、4台目を守りたければ契約をもう1つ立てることになります。 月額が2倍になるので、3つ目に何を置くかが年額を決めます。
- iPhone を主端末にする
- Apple Watch と AirPods を副端末にする
- MacBook を足すなら2契約目を立てる
1つの契約に何をまとめられるかは複数端末の補償を一本化するときの考え方で整理しました。 台数の上限は契約の設計そのものに直結します。
法人のワイヤレスイヤホンの補償は登録の時点で全機能が動いていることが条件です
保険には、登録できる端末の状態についての条件があります。 重要事項説明書は2つの条件を挙げていて、1つ目が状態の話でした。
① 正常に全機能が動作するもの
片方から音が出ない AirPods や、ケースの蓋が閉まらなくなったものは、この条件を満たしません。壊れてから登録するという順序は取れない仕組みです。
| 登録しようとする状態 | 条件① |
|---|---|
| 両方から音が出る | 満たす |
| 片方が無音 | 満たさない |
| ケースが充電できない | 満たさない |
配布のタイミングで登録を済ませるのが実務としては確実です。社員に渡してから数か月置くと、確かめようがない状態になっていることがあります。

登録できない状態や対象から外れる場面は業務端末の補償で対象外になるものに一覧でまとめました。 加入の前に落ちる条件を知っておくと、申請の差し戻しが減ります。
法人のワイヤレスイヤホンの補償は片方だけという単位を持ちません
AirPods は左右に分かれているので、故障も紛失も片側だけで起きます。 ところが約款が用意している交換の定義は、1台まるごとを前提に書かれていました。
補償の対象となる通信端末の商品特性または他の保険契約の定めに従い修理不能な場合に、同品番商品または後継品番商品へ有償で交換された場合をいいます。
交換の相手として書かれているのは「同品番商品または後継品番商品」です。片側だけを指す言葉は約款に出てきません。
| 起きたこと | 約款が持っている単位 |
|---|---|
| 両方が壊れた | 同品番商品への有償交換 |
| 片方が壊れた | 片側を指す定義がない |
実際に片側だけの有償交換を受けたとき、それが「同品番商品への交換」に当たるかどうかは条文から一義に読み取れません。申請の前に、受け取った書面の品番の記載を確かめておくほうが安全です。
法人のワイヤレスイヤホンの補償は送料と事務費用が外れます
保険が受け止めるのは修理費用ですが、その定義には但し書きが付いています。 外れるものが3つ名指しされていて、本体価格が低い機械ほどこの差が効きます。
ただし、通信端末に係る見積り取得に関する費用、送料および費用支払い時の事務費用等の付随費用は除きます。
外れるのは見積りを取るための費用と、送料と、支払いのときの事務費用です。修理そのものにかかった額だけが対象になります。
| かかった費用 | 保険の対象 |
|---|---|
| 修理代金 | 対象 |
| 有償交換の代金 | 対象 |
| 見積り取得の費用 | 対象外 |
| 送料 | 対象外 |
| 支払い時の事務費用 | 対象外 |
数万円の修理なら送料は誤差ですが、AirPods のように修理額そのものが小さい機械では、外れる部分の比率が上がります。
修理費として何が認められるかの線引きは会社のスマホとパソコンをまとめて守るときの範囲で扱いました。 対象になる費用の形を知っておくと、申請時に用意する書面が変わります。
法人のワイヤレスイヤホンの補償を45名で数えました
社員45名に iPhone・Apple Watch・AirPods を1つずつ配る前提で計算します。 端末は合計135台になり、1人あたり3台なので契約は1つに収まります。
月額700円(非課税)が45人ぶんで月31,500円、年378,000円です。AirPods を足しても契約数は増えません。
| 45名に配る端末 | 保険の席 | 契約数 | 年額 |
|---|---|---|---|
| iPhone のみ | 1台 | 45契約 | 378,000円 |
| iPhone・Apple Watch・AirPods | 3台(満席) | 45契約 | 378,000円 |
| +MacBook | 4台(超過) | 90契約 | 756,000円 |
3つの端末を載せても年額は変わらないのに、4つ目を足した瞬間に倍の756,000円になります。 増えるのは台数ではなく契約数のほうです。
MacBookを足すと契約が倍になります
4台目が入らない以上、MacBook を守るには2契約目を立てるしかありません。 1人につき2契約なので、45名で90契約という数え方になります。
- 1契約目に iPhone・Apple Watch・AirPods
- 2契約目に MacBook
- 月63,000円・年756,000円
どの機械を1つの契約にまとめるかの判断はiPhoneとMacBookとiPadをまとめて補償する場合に書きました。 3つの席の使い方が、そのまま年額を決めます。
法人のワイヤレスイヤホンの補償で会社が先に決める3つのこと
AirPods の扱いは、Apple 側と保険側で別々に決まります。 両方をいっぺんに決めようとすると止まるので、順番を分けたほうが早く進みます。
AirPods をどこで買うかを先に決めます。Apple から買うかどうかで、規約の後段に拾われるかが変わります。
| 決めること | 見る場所 |
|---|---|
| どこで買うか | Apple から購入したかどうか |
| 3つ目の席に何を置くか | 保険の登録は3台まで |
| いつ登録するか | 全機能が動いているうち |
3つとも、契約書に判を押す前に決められることです。あとから変えると、席が埋まった状態から動かすことになります。
法人のワイヤレスイヤホンの補償についてよくある質問
Q. AirPodsはAppleCare for Enterpriseの対象に入りますか
A. 修理と技術サポートは対象に入ります。
第1条の後段が「Apple から購入したその他の Apple 純正アクセサリ」を Included Equipment に含めています。AirPods を Apple から買っていれば、この行に入ります。
Q. AirPodsは交換用の在庫から代わりが出ますか
A. 出ません。
Device Pool の中身は iPad・iPhone・iPod touch と規約が列挙しています。AirPods はその3つのどれでもありません。
Q. 家電量販店で買ったAirPodsも同じ扱いになりますか
A. 購入先によります。
条文は「purchased from Apple」と書いていて、Apple から買ったことを条件にしています。購入先が別なら、この条件を満たすかどうかは契約の内容しだいです。
Q. AirPodsはモバイル保険に登録できますか
A. 登録できます。
約款は保険の対象を「最大3台まで」としていて、本体か小物かを区別していません。登録すれば1台ぶんの席を使います。
Q. 片方だけ失くしたときも保険の対象になりますか
A. 盗難以外の紛失は対象外です。
約款が挙げている事故は外装破損・損壊・水濡れ全損・故障・盗難の5つです。置き忘れて見つからない場合はこの5つに入りません。
Q. 充電ケースだけが壊れたときはどう扱われますか
A. 書面の品番の記載で決まります。
約款は交換の相手を「同品番商品または後継品番商品」と書いていて、部品単位の定義を持っていません。修理の書面がどの品番で発行されるかを確かめる必要があります。
Q. AirPodsを登録すると月額は上がりますか
A. 3台目までなら上がりません。
月額700円(非課税)で1契約に3台まで登録できます。4台目から契約をもう1つ立てることになります。
Q. 修理に出すときの送料は保険で戻りますか
A. 戻りません。
約款は修理費用の定義から送料を明示的に除いています。見積り取得の費用と支払い時の事務費用も同じく対象外です。
AirPods は、Apple の規約では本体の総数に数えられない側にいて、修理とサポートだけを受け取ります。ところが保険の契約書に載せた瞬間、iPhone や MacBook とまったく同じ重さの1台になりました。
小物だと思っていたものが、契約数を決めていたことになります。先に決めるのは料金ではなく、3つしかない席のうち1つを AirPods に渡すかどうかのほうです。
3つ目の席を AirPods に渡すかどうかを、契約の前に決めてください。
※料金や条件は変わることがあります。加入前に、最新の内容を公式ページで確認してください。