法人のAppleCareはあとから加入する窓が別にあります

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

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会社の端末にAppleCareを付けようとして、購入から30日という数字にぶつかった総務が次に探すのは、法人向けに別の入口があるかどうかです。AppleCare for Enterpriseの規約を読むと、開始の決まり方が個人向けと違いました。

法人向けは端末の購入日ではなく、Appleが登録を受理した時点から始まると書かれています。ただしその窓は、200台を維持し続ける義務とセットになっていました。

AppleCare for Enterpriseの窓は200台を維持できる会社に開いています。届かない場合、モバイル保険なら月額700円(非課税)で1契約に3台まで登録でき、200台なら67契約で月46,900円になります。端末の購入日から数える日数の窓とは別に、加入の条件が人ごとに決まる仕組みです。
先に数えるのは端末の古さではなく、会社が今いくつ登録しているかのほうです。

月700円・最大3台まで

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法人のAppleCareにあとから加入する道は2本に分かれます

会社が今から加入する方法は、契約の種類で2つに分かれます。規約の作りが根本から違うため、期限の考え方も別になります。

契約開始の決まり方台数の条件
AppleCare+を台数分端末の購入日から数えるなし
AppleCare for EnterpriseAppleが登録を受理した日200台

上の行は、端末を買った日が起点になります。日数が過ぎた端末は、会社が買おうとしても入口が閉じています。

個人向けの日数については、アップルケアにあとから入れるのは30日まででしたに整理してあります。

下の行は、購入日を見ていません。開始の条件が、規約の第2条に別の言葉で書かれています。

個人向けは日数で閉じ法人向けは登録で始まります

同じAppleCareという名前でも、期限を決めている対象が違います。個人向けは端末を見ていて、法人向けは会社の登録を見ています。

  • 個人向けは端末1台ごとに購入日がある(端末が古いと入れない)
  • 法人向けは会社の登録が受理された日が起点になる
  • ! 法人向けには200台を維持する義務が付く

法人向けの窓が開くかどうかは、端末の古さではなく会社の規模で決まります。台帳の台数を先に数えると、どちらの窓を見るかが決まります。

法人のAppleCareは購入日ではなく登録の受理で始まります

開始の条件は規約の第2条にあります。英語版の規約で、日本を含む契約として書かれているものです。

The Service Plan begins upon Apple’s acceptance of Enterprise’s registration of the Service Plan, and the Service Plan ends on the date specified in your Plan Confirmation (“Plan Term”).

始まるのはAppleが登録を受理したときで、終わるのはプラン確認書に書かれた日です。端末をいつ買ったかという条件が、この条文には入っていません。

規約の第12条には販売管轄の表があり、Japanの行にApple Japan Inc.の東京の住所が載っています。日本の会社にも適用される契約として書かれています。

項目個人向け法人向け
起点端末の購入日登録の受理
単位端末1台ごと会社1社

会社の側から見ると、判断の順番が入れ替わります。端末を1台ずつ見るのではなく、登録できる規模かどうかを先に見る形になります。

法人のAppleCareにあとから加入すると200台の維持義務が付きます

第7.2条には、200台という数字が入口としてではなく義務として書かれています。紹介ページに載っている台数より、規約の書き方は強いものでした。

Enterprise is required to maintain a minimum of 200 Included Devices actively enrolled with AppleCare for Enterprise (“Minimum Fleet”) at all times during the Term of this Service Plan.

契約期間中は常に200台を登録した状態で維持することが求められています。買った時点で200台あればよい、という条文ではありません。

紹介ページ側の数字は社用iPhoneにAppleCareが必要かを検討した記事で確認しています。

同じ条文の後半に、あとから足せることが書かれていました。

Further, Apple may permit Enterprise to purchase AppleCare for Enterprise on additional devices during the Term of this Service Plan to expand Enterprise’s fleet size or to maintain its Minimum Fleet requirement.

契約期間の途中で端末を追加購入することをAppleが許可する場合がある、という書き方です。目的として台数の拡大と最低台数の維持の2つが挙げられています。

つまり法人向けには、あとから台数を足す動きが制度として想定されています。ただし条文はmayで、会社の側に権利があるとは書かれていません。

12か月下回るとAppleが解約できます

維持できなかった場合の扱いも、同じ条文にあります。

If at any time during the Term of this Service Plan Enterprise’s fleet size falls below 200 for more than twelve (12) months, Enterprise shall be deemed to be in breach of the Terms of this Service Plan and this Service Plan may be cancelled by Apple

200台を12か月を超えて下回ると契約違反とみなされ、Appleが解約できると書かれています。端末を減らす方向の判断にも、この条文が効いてきます。

法人のAppleCareは規約に保険ではないと書かれています

規約の第1条は、この契約の性質を最初の1文で定義しています。保険という言葉を否定する形で書かれていました。

This Service Plan is a non-insurance, supplemental warranty providing hardware service and technical support services

非保険の補足的な保証、という定義です。保険業法の下の商品ではなく、メーカーが出す保証の延長として作られています。

項目AppleCare for Enterprise保険商品
性質保証(規約に非保険と明記)保険
出し手Apple保険会社
対象材料と製造上の欠陥など約款の支払事由

この違いは補償の範囲に出ます。保証は製品の欠陥を直すもので、使っている側の落ち度で壊れた端末を広く拾う設計ではありません。

保険側の支払事由と比べたい場合は、法人の端末保険を比較した記事に並べてあります。

法人のAppleCareにあとから加入すると交換用の枠が2段階で付きます

for Enterpriseには、理由を問わず交換できる在庫の枠が付いています。第3.5条にService Poolという名前で定義されていました。

対象Service PoolService Pool+
Device PooliPhone・iPad・iPod touch5%10%
Component PoolMac・Apple製ディスプレイ2%4%

紹介ページに載っている10パーセントは、上の段のうち上位プランの数字です。標準のService Poolでは5パーセントで、Macは別枠の2パーセントになります

使い残した枠は、契約が終わると消えます。

If this Service Plan ends for any reason prior to the Enterprise’s use of all available Service Components in the Device Pool and / or the Component Pool, Enterprise’s interest in and access to the Service Components in such Pool(s) shall immediately cease

残っていた分の権利はただちに終了します。期末が近づいたら、枠が残っているかを見る運用になります。

14営業日で返さないと定価を請求されます

交換を受けた端末には、返却の期限が付いています。

fails to make such return to Apple within 14 business days of receipt of the Service Component, or as otherwise specified in Apple’s procedures or in writing by Apple, the Enterprise will be charged for the Service Component at the then current manufacturer suggested retail price

受け取りから14営業日以内に返さないと、その時点の希望小売価格で請求されます。拠点が分かれている会社では、回収に日数がかかる部分です。

修理に出す側の手順は、社用iPhoneをAppleCareで修理に出す手順の記事に並べてあります。

法人のAppleCareにあとから加入しても紛失と盗難は枠の外です

第4.1.1条には、修理サービスとService Poolの両方に適用されない場合が並んでいます。5つのうち3番目が、端末を失った場合です。

(iii) Included Equipment that has been lost or stolen;

紛失または盗難にあった機器は対象外です。Service Poolは理由を問わず交換できる枠ですが、そこにある端末を返せない状況までは想定されていません

  • シリアル番号が改変または削除された機器
  • 紛失または盗難にあった機器
  • ! 機器内のデータの消失や破損(不正アクセスによるものを含む)

盗難と紛失を含む商品を探している場合は、法人でモバイル保険を契約できるかを整理した記事に条件をまとめました。

理由を問わず交換できるという枠でも、端末が手元にないときは使えません。返却が前提の仕組みだからです。

法人のAppleCareは技術担当者を5日前に届け出ないと変えられません

サポートを受けられるのは、登録時に会社が指定した担当者だけです。第5.4条にTechnical Contactsとして定義されています。

If Enterprise wishes to change the Technical Contacts, Enterprise must give no less than five (5) days written notice of the change to Apple

変更するには5日以上前の書面通知が要ります。担当者が急に抜けた月は、この日数が効いてきます。

第7.1条には、サポートを第三者に移せないとも書かれていました。

Enterprise may not transfer Support Services to a third party.

情報システムを外部に委託している会社では、この条文の確認が要ります。委託先の担当者を窓口にする場合、登録の形が問われます。

法人のAppleCareにあとから加入した契約は勝手に譲渡できません

契約そのものの移転にも制限があります。第15.1条に、2文だけ書かれていました。

Enterprise may not assign its rights or obligations under a Service Plan without the prior consent of Apple. Any unauthorized assignment will be void.

Appleの事前同意なしに権利や義務を譲渡できず、無断の譲渡は無効になります。グループ会社への移管や、事業譲渡を伴う場面で当たる条文です。

第11条には、Apple側から契約を終わらせる条件も並んでいます。

条件事前の通知
料金の未払い15日以上前の書面
規約違反が是正されない30日以上前の書面
不正または重大な虚偽表示記載なし
交換部品が入手できない30日以上前の書面

AppleCare+の側をやめる場合の手順は、法人のAppleCareをやめて切り替える手順の記事にまとめました。

法人のAppleCareに200台であとから加入した場合の枠を数えました

ちょうど200台で加入した会社の枠を、規約の割合から計算しました。内訳は端末の種類で分かれます。

割合台数
Device Pool(標準)5%10台
Device Pool(上位)10%20台
Component Pool(標準)2%4台
Component Pool(上位)4%8台

標準のプランなら、iPhoneとiPadは10台まで理由を問わず交換できます。残りの190台は、通常の修理サービスの側で扱うことになります。

200台に届かない会社が、同じ台数を別の商品で持った場合の金額も出しました。

項目計算金額
月額700円×67契約46,900円
年額700円×12か月×67契約562,800円

モバイル保険は1契約に3台まで登録できるため、200台なら67契約になります。契約の本数は台数ではなく人数で決まるため、実際の本数は端末を使う社員の数に寄ります。

契約が台数分並ぶ形については、AppleCareを法人で複数台に付けた場合を整理した記事で確認しています。

法人のAppleCareにあとから加入する前に会社が決める3つのこと

加入の前に決めるのはこの3つ

規約を読み終えて、加入前に決めておく項目を3つに絞りました。どれも契約後には動かしにくい部分です。

1つ目は台数の見通しです。

  • 今の登録台数と、12か月後の見込み
  • 200台を下回る月が続くかどうか
  • ! 下回る期間が12か月を超えると解約の対象になる

2つ目は担当者の置き方です。技術担当者を個人名で登録するか部署の共有先で登録するかによって、変更のたびに5日が効いてくるかが変わります。

3つ目は返却の動線です。Service Poolを使うと14営業日という期限が動き出すため、拠点から端末を回収する日数を先に測っておく形になります

契約後に残る手続きの全体像は、法人の端末保証の管理を整理した記事に並べました。

法人のAppleCareのあとから加入についてよくある質問

Q. 法人のAppleCareにあとから加入する期限はありますか

A. 法人向けの契約には端末の購入日から数える期限がありません。

規約の第2条は、Appleが登録を受理した時点で開始すると定めています。ただし200台という条件があるため、届かない会社は個人向けの日数の窓を見ることになります。

Q. 法人のAppleCareに契約の途中で端末を追加できますか

A. 追加購入をAppleが許可する場合があると第7.2条に書かれています。

条文は台数の拡大と最低台数の維持の2つを目的として挙げています。会社の側に追加する権利があるとは書かれていないため、窓口への確認が要ります。

Q. 法人のAppleCareは200台を割ったらすぐ解約されますか

A. 12か月を超えて下回った場合に契約違反とみなされます。

条文は12か月を超えて200台を下回った場合という書き方です。一時的に下回った月があった時点で解約になる条文ではありません。

Q. 法人のAppleCareにあとから加入すれば紛失した端末も交換できますか

A. 紛失または盗難にあった機器は第4.1.1条で対象外とされています。

Service Poolは理由を問わず交換できる枠ですが、返却が前提になっています。端末が手元にない状況では、この枠を使えません。

Q. 法人のAppleCareは保険として経理処理できますか

A. 規約の第1条に非保険と書かれています。

保険商品ではなく保証として設計されているため、扱いが変わります。具体的な処理は顧問税理士に確認する部分になります。

Q. 法人のAppleCareの交換用の枠は翌年に繰り越せますか

A. 契約が終わった時点で、使い残した枠へのアクセスは消えます。

第3.5条は、残っていた分の権利がただちに終了しAppleの所有に戻ると定めています。期末に枠の残りを確認する運用になります。

Q. 法人のAppleCareをグループ会社に移せますか

A. Appleの事前同意なしに譲渡できないと第15.1条にあります。

無断の譲渡は無効になると書かれています。組織再編を予定している場合は、契約前に確認する部分です。

Q. 200台に届かない会社があとから加入する方法はありますか

A. 法人向けの契約には入れないため、個人向けを台数分申し込む形になります。

あとから加入しても、購入日から数える期限はない

その場合は端末の購入日から数えた日数の窓が効きます。日数を過ぎた端末が多い会社では、保険側の商品を見ることになります。

法人向けの窓は購入日では閉じませんが、開いているのは200台を維持できる会社だけです。届かない会社にとって、あとから加入という問いの答えは端末ごとの日数の窓に戻ります。

台帳を開いて、登録台数の合計と、購入から日数が過ぎた端末の数を並べてみてください。この2つの数字が出た時点で、見る商品が決まります。

結論:法人のAppleCareは端末の購入日ではなくAppleが登録を受理した時点から始まる。契約期間の途中で端末を足せることも規約に書かれている。ただしその窓は200台を常に維持する義務とセットで、12か月を超えて下回るとAppleの側から解約できる。台帳の登録台数を数えれば、この窓を見るのか日数の窓を見るのかが先に決まる。
見積もりを取る前に、今の登録台数と12か月後の見込みを並べてください。

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