法人のAppleCare解約と切り替えは7つの順番で無保険期間を防げます

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

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社員22名にiPhoneを配っている会社から、AppleCareをやめて別の補償に移したいと相談を受けました。経理から毎月バラバラに落ちている費用を指摘されたことがきっかけだそうです。

やめると決めた後の手続きだけを聞かれたのですが、調べてみると個人の解約とは詰まる場所が違いました。会社が払っているのに、解約の操作は会社側からできない構造になっています。

Appleの規約PDFの第9項を開いて、法人の運用に引っかかる箇所を並べました。月払いと年払いで返金の扱いが逆転する点も見つかりました。

この記事で扱うのは、iPhoneの購入ページに出てくるAppleCare+盗難・紛失プランです。22名分を切り替えた場合の差額は年110,000円でした。

法人のAppleCare解約は年110000円の差額を確かめてから決めます

やめるかどうかの判断材料として、まず金額を並べます。22名にiPhoneを1台ずつ配っている会社を想定した年額です。

AppleCare+盗難・紛失プランは月払い1,340円または年払い13,400円で、解約しない限り自動更新されます。月払いを12か月続けると16,080円になり、年払いより2,680円高くなります

補償1人あたり年額22名分 年額対象台数
AppleCare+ 年払い13,400円294,800円iPhone 1台
AppleCare+ 月払い16,080円353,760円iPhone 1台
モバイル保険8,400円184,800円主1台+副2台

年払いから切り替えた場合の差額は年110,000円です。月払いから切り替えるなら年168,960円になります。

金額だけで決めると補償の差を見落とします

差額の大きさは魅力ですが、中身が同じではありません。両者は補償の設計そのものが違います。

AppleCareは修理の回数に制限がなく、盗難・紛失にも対応します。ただし修理のたびにサービス料がかかり、画面のみの損傷で3,700円、その他の損傷で12,900円が発生します。

モバイル保険は年間の上限額で管理する仕組みです。主端末は年間15万円、副端末2台で合計4.5万円までで、自己負担となる免責金額はありません。

項目AppleCare+モバイル保険
1契約の対象端末1台主1台+副2台
修理時の自己負担3,700円〜12,900円なし
年間の上限回数制限なし主15万円・副合計4.5万円
盗難・紛失対応(サービス料12,900円)盗難は対応・紛失は対象外
契約の主体端末を使う個人契約者は法人でも可

紛失の扱いが分かれ目になります。外回りで端末を落とす事故が多い会社なら、金額差だけで動かすと後で困ります。

会社支給端末でAppleCareに入るべきかどうかの判断は、会社支給iPhoneのAppleCareが必要かを5つの条件で整理した記事にまとめました。この記事はやめると決めた後の話に絞ります。

法人のAppleCare解約は端末が手元にないと止められません

ここが一番つまずくところでした。規約は月払いプランの解約方法を2つだけ定めています。

1つ目は請求プラットフォームを通じて次回の更新を解除する方法です。規約には「対象デバイスから直接、月払いプランの更新料請求を解除することもできます」と書かれています。

2つ目は請求プロバイダに電話する方法です。どちらも端末そのものか、契約している本人が起点になります。

プラン解約の経路会社側だけで完結するか
月払い対象デバイスの設定から更新解除しない(端末は社員の手元)
月払い請求プロバイダに電話しない(契約者本人の情報が要る)
年払い電話または書面通知条件つき(購入証明書の写しが要る)
端末返却を伴う場合購入した販売チャネルに連絡する(端末を返す前提)

貸与中の22台は社員が持ち歩いています。総務のパソコンから一括で止める画面は用意されていません。

22台を止める方法は2つに分かれます

現実的な選択肢は2つでした。社員に依頼して各自で解除してもらうか、端末を回収するタイミングで1台ずつ処理するかです。

前者は総務が進捗を追えません。社員22名に依頼して、全員が期日までに操作したかを確認する作業が発生します。

後者は端末更改の時期まで待つことになります。その間、止めると決めた費用が毎月落ち続けます。

依頼する場合は、操作の手順と期日をあわせて配るほうが早く終わります。設定アプリのどこを開くかまで書いた1枚を用意して、完了報告を台帳に転記する形です。

会社の資産である端末なのに、そこに紐づく契約を会社側から止められません。台数が増えるほど、解約作業そのものが人件費になります。

個人が自分の端末を解約する手順はアップルケアの解約方法をまとめた記事で扱っています。法人の場合はこの手順を22回繰り返す形になります。

法人のAppleCare解約で戻るお金は月払いと年払いで違います

返金の扱いを調べたところ、月払いと年払いで逆転していました。途中でやめやすいのは年払いのほうです。

月払いプランについて規約はこう定めています。「月払いプランは解約が行われた月の末日まで有効のままになり、解約による返金は行われません」。

つまり月の初めに解約しても、その月分は戻りません。代わりに月末までは補償が続くので、切り替えの重複期間として使えます。

年払いにあたる期間限定プランは扱いが違います。購入日から30日以内なら、提供されたサービスの対価を差し引いた残額が全額返ります。

31日目以降も返金があります。規約には「元の購入価格を比例配分した額がお客様に返金されます」と書かれています。

経過月数残存比率1台あたり戻る目安22台分
3か月9/12約10,050円約221,100円
6か月6/12約6,700円約147,400円
9か月3/12約3,350円約73,700円

上の表は年払い13,400円を未使用のまま解約した場合の目安です。規約は提供されたサービスの対価を差し引くとも定めているため、修理を1回でも使っていれば差し引かれます。

更新月を待つより先に動いたほうが安い場合があります

年払いの契約は更新月まで待ちたくなりますが、計算すると逆になることがありました。残り6か月の時点で切り替えた場合を並べます。

更新月まで待つと、モバイル保険の開始は6か月後です。その間の22台分の費用はAppleCareのまま発生し続けます。

いま切り替えると、147,400円が戻る計算になります。そのうえでモバイル保険の6か月分92,400円を払っても、55,000円が手元に残ります。

  • 更新月まで待つ場合:追加の支出なし・返金なし
  • いま切り替える場合:返金の目安147,400円・6か月分の保険料92,400円

数字が近いので、修理を使ったかどうかで結果がひっくり返ります。台帳に修理の履歴を残していない会社は、この判断ができません。

法人のAppleCare解約を年払いで行うときは書面か電話が要ります

年払いの解約手続きは、月払いより手間がかかります。設定画面から止めるという方法が用意されていません。

規約が定める方法は電話か書面です。書面の場合、宛先はAppleCareサービス&サポート製品事務局のAppleメールセンターになります。

通知書に入れるものは次のとおりです。

  • 本プランの契約番号
  • 購入証明書原本の写し
  • 解約する旨の意思表示

22台分を書面で処理するなら、購入証明書の写しを22枚そろえることになります。端末の購入時期がバラバラなら、経理の保管場所から1枚ずつ探す作業から始まります。

支払いを会社が行っている場合は窓口が変わります

もう1つ見落としやすい条文がありました。支払いの主体によって連絡先が変わる規定です。

規約には「期間限定プランの支払いが支払いプランプロバイダによって行われている場合、本プランを解約するには支払いプランプロバイダにご連絡ください」とあります。

会社が支払い側になっているなら、連絡の起点はそちらです。どの契約がどの支払い方法かを台帳で分けておかないと、22件を同じ手順で流せません。

年払いの解約は、設定画面からは止められない

契約番号は購入時のメールか、端末の設定画面から確認できます。先に22件分の契約番号を集めてから電話をかけるほうが、1件あたりの通話が短く済みます。

法人のAppleCare解約から切り替えまでの順番を7つに整理しました

順番を間違えると、補償が何もない期間ができます。先に解約してから次を探すのが一番危ない進め方です。

  1. 台帳で現在の契約形態を洗う(月払いか年払いか・更新月はいつか)
  2. 年払いの端末は残存月数と戻る目安を計算する
  3. 切り替え先を先に申し込む
  4. 切り替え先の補償開始日を確認する
  5. 補償が始まったことを確認してからAppleCareを解約する
  6. 月払いは解約月の末日まで重複することを許容する
  7. 翌月から一本化した状態で運用する

3と5の順番が肝心です。AppleCareを止めてから次を申し込むと、その間に落として割った端末は自己負担になります

月払いは解約しても月末まで有効なので、重複は数日から1か月です。この重複期間の費用は、無保険の日を作らないための保険料と考えたほうが安く済みます。

22台を一斉に動かさない進め方もあります

全台を同じ日に切り替えると、台帳の突合が1回で済みます。ただし手続きが集中するため、1台でも漏れると気づきにくくなります。

更新月ごとに小分けにする方法もあります。月払いの端末から先に動かし、年払いは残存月数を見て個別に判断する形です。

  • 一斉に動かす:突合は1回・漏れに気づきにくい
  • 小分けに動かす:突合は複数回・漏れを追いやすい

22台なら小分けのほうが管理しやすいところでした。5台ずつ4回に分ければ、1回あたりの確認は現実的な量に収まります。

AppleCareからモバイル保険への切り替えを個人の視点で比較した記事はアップルケアとモバイル保険を比べた記事にあります。法人で進める場合は、上の7ステップを台帳の1行ごとに回すことになります。

モバイル保険は法人でも契約でき、月額700円(非課税)で1契約に3端末まで登録できます。加入手続きが済んだ日から補償が始まるため、AppleCareを解約する前に受け皿を用意できます。主端末は年間15万円、副端末2台で合計4.5万円までが上限で、自己負担となる免責金額はありません。
先に加入して補償開始を確認してから、AppleCareを止める順番にできます。

月700円・最大3台まで

モバイル保険の公式ページを見る →

» モバイル保険公式サイトはこちら

法人のAppleCare解約は下取りに出した時点で成立します

端末更改の予定がある会社は、この条項を先に知っておくほうがいいです。下取りが解約の意思表示とみなされます。

規約の第9.3項にはこう書かれています。「Appleの正規下取りプログラムの一環として下取りに出すと、月払いプランを解約する意思の表明とみなされ、解約されます。」

つまり端末を下取りに出した時点で、その端末の月払いプランは止まります。手続きを忘れていても止まるので、費用の垂れ流しは起きません。

問題は逆のケースです。新しい端末の補償を用意する前に下取りを済ませると、新旧どちらも補償がない日ができます。

タイミング旧端末の補償新端末の補償
下取り前ありなし(未購入)
下取り直後解約される加入手続き前
新端末の加入後終了あり

22台を一斉に更改する会社なら、この空白が22台分同時に発生します。下取りの日と新しい補償の開始日を並べて確認する段取りが要ります。

モバイル保険に切り替えている場合は、この空白が起きません。契約が端末ではなく人に紐づくため、登録端末を入れ替えれば補償が続きます。

法人のAppleCare解約を放置すると未払いで勝手に切れます

やめたいと思っていなくても切れるパターンがあります。支払いが止まった場合です。

規約は「月々の支払いが満額かつ適時に行われなかった場合は、お客様が本プランの解約を希望しているとみなされます」と定めています。この場合、解約による返金は行われません。

第9.2項にはさらに踏み込んだ記載があります。支払いを請求できなかった場合、プランは未払いのため解約となり、期日以降に保証が失効します。

会社で起きやすいのは次の3つでした。

  • 社員個人のカードで払っていて、その社員が退職した
  • 会社のカードを更新して、番号が変わったまま登録を直していない
  • 端末の管理者が異動して、請求メールを誰も見ていない

補償が切れたことは、事故が起きるまで誰も気づきません。22台分の請求が正常に落ちているかを、月次で1行だけ確認する運用があると防げます。

月払いは後任者に引き継げません

もう1つ、月払いには引き継ぎができないという制約があります。規約の第10項は、譲渡できるのは期間限定プランの場合のみと定めています。

前任者が使っていた端末を新入社員に回す運用をしている会社では、この点が効いてきます。月払いのAppleCareは、端末と一緒に次の人へ引き継げません。

年払いなら1回に限り譲渡できますが、その手続きにも通知が要ります。契約番号・シリアル番号・新しい所有者の氏名と住所と電話番号とメールアドレスを、Appleに知らせる形です。

端末を回す運用が前提の会社では、この作業が入社と退職のたびに発生します。台帳の管理コストとして見ておく部分でした。

法人のAppleCare解約後に元へ戻る道は30日で閉じます

やめた後で戻れるかどうかも確認しました。ほとんどの場合は戻れません。

Appleの公式ページには「新しい製品の購入日から30日以内であれば、iPhone、iPad、Macの「設定」アプリから新しいプランを申し込めます」と書かれています。基準は解約日ではなく端末の購入日です。

戻れないケースを整理しました。

  • 購入から30日を過ぎた端末(大半がこれに当たる)
  • 下取りに出して手元にない端末
  • 解約後に画面割れなど損傷が生じた端末

3つ目は見落としやすいところです。規約は本プラン購入前に生じていた状態を対象外と定めているため、割れたまま入り直すことはできません

だから解約は片道です。切り替え先を決めて、加入まで済ませてから止めるという順番になります。

モバイル保険を法人で契約できるかどうかは法人がモバイル保険を契約できるかを調べた記事にまとめました。契約者と被保険者の関係が確認できていないと、切り替え先として成立しません。

法人のAppleCare解約と切り替えについてよくある質問

Q. 法人名義のクレジットカードで払っているAppleCareも社員が解約するのですか

A. 月払いプランの解約経路は、対象デバイスからの更新解除か請求プロバイダへの電話です。

支払い元が会社のカードであっても、この経路自体は変わりません。年払いで支払いを会社が行っている場合は、支払いプランプロバイダに連絡するよう規約に記載があります。

Q. 22台分をまとめて解約する方法はありますか

A. 規約には台数をまとめて処理する手続きの記載がありませんでした。

月払いは端末ごとの更新解除、年払いは契約番号ごとの通知書という単位です。22台分を1通の書面にまとめられるかは、Appleに直接確認する部分になります。

Q. 年払いを途中でやめたら手数料は引かれますか

A. 規約に手数料という言葉は出てきません。

差し引かれるのは提供されたサービスの対価です。修理や交換を使っていなければ、残存期間に応じた比例配分の金額が返る計算になります。

Q. 解約したその日から補償はなくなりますか

A. 月払いプランは解約した月の末日まで有効です。

規約は解約が最後に行われた支払いの対象月末日の午前0時まで延期されると定めています。年払いは解約が有効になった時点で終了し、以降のAppleの義務は消失します。

Q. 退職者が使っていた端末のAppleCareはどうなりますか

A. 支払いが止まれば未払いによる解約として扱われ、返金はありません。

乗り換える前に、何が減って何が増えるか

退職者本人のApple IDとカードで加入していた場合、退職と同時に切れることになります。端末を回収した時点で契約状態を確認する運用にしておくと、気づかないまま無保険になることを避けられます。

Q. AppleCareを解約してモバイル保険に入り直すと補償の空白はできますか

A. 加入を先に済ませてから解約すれば空白はできません。

月払いのAppleCareは解約しても月末まで有効なので、数日から1か月の重複が生じます。重複した期間の費用は発生しますが、無保険の日を作るより結果は軽く済みます。

Q. AppleCareとモバイル保険を両方かけておくことはできますか

A. 両方に加入すること自体はできます。

年払いの解約は、使わなかった月数だけ戻る

ただしモバイル保険は1契約に主端末1台と副端末2台までで、登録できる台数に上限があります。切り替え期間の重複として一時的に持つのか、恒久的に併用するのかで判断が変わります。

Q. 解約したAppleCareに入り直すことはできますか

A. 端末の購入日から30日以内であれば設定アプリから申し込めます。

それを過ぎた端末は入り直せません。解約する前に切り替え先を確定させておくのは、この片道の性質があるためです。

解約したAppleCareに入り直せるか

やめる判断そのものは金額で決まります。ただ、やめ方の順番を間違えると、浮かせたはずの金額より大きい負担が1回の事故で出ます。

台帳を開いて、月払いか年払いか、更新月はいつかを22行分埋めるところから始めるのが確実でした。切り替え先で何が補償されないのかは、モバイル保険を法人で使う場合のデメリットを整理した記事で確認できます。

結論:法人のAppleCare解約でつまずくのは返金ではなく順番。月払いは端末の設定からしか止められず、解約は片道で戻れない。切り替え先の補償が始まったことを確認してから止める、それだけで無保険の日は消える。
止めるのが先か、入るのが先か。ここだけで結果が変わります。

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