社用iPhoneのモバイル保険はおすすめの前に候補が決まります

ナルセ
保証の中身を1つずつ確かめている調査員です。AppleCare+にiPhoneを2年入れて、修理は一度もありませんでした。今はモバイル保険に切り替えて使っています。

保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。

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社用iPhoneのモバイル保険でおすすめを調べると、商品を横に並べた比較表ばかりが出てきます。どれも「AとBのどちらが良いか」という形で、選べる範囲そのものは疑わずに書かれています。

法人が探しているおすすめは、その比較表に載る前の段階でかなり絞られています。 会社が期待しがちな形のいくつかは、この業態では法令の側で引き受けられないことが決まっているためです。

モバイル保険は月額700円(非課税)で、1契約に最大3台まで登録できます。枠は端末ではなく人に付くため、社員26名に1人3台ずつ計78台を配る会社なら26契約で月18,200円・年218,400円という数え方になります。少額短期保険業という業態で引き受けられているので、積立型や3年契約は商品として用意されておらず、1年ごとの更新になります。掛け捨てであることも、登録できる端末の条件も、申し込む前に約款で確かめられます。
商品を比べる前に、その保険がどの業態で引き受けられているのかを確かめてください。

月700円・最大3台まで

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社用iPhoneのモバイル保険でおすすめを探すと候補の形が先に決まっています

社用iPhoneのモバイル保険で最初に確かめるのは、商品ごとの補償内容ではありません。 その保険がどの業態で引き受けられているかを見ると、選べる形の輪郭が先に出てきます。

会社が期待しがちな形この業態での扱い
満期に戻ってくる積立型引き受けられない
3年分をまとめた複数年契約引き受けられない
外貨建て引き受けられない
一年を超える分割払い引き受けられない
1年ごとに更新する掛け捨て残る

表の左側は、稟議に出したあとで上から返ってくる質問とほぼ同じ並びです。先に落としておけば、差し戻しの回数が減ります。

おすすめを比較する前に、法令で候補から外れている形がある。外れる理由は事業者の商品設計ではなく政令の除外にある。

この記事では、その除外がどこに書かれているかを条文で確かめます。 補償の中身を比べる作業は別で、法人の端末保険を比較した記事にまとめました。

社用iPhoneのモバイル保険が入る業態は法律の側で定義されています

モバイル保険を引き受けているのは、損害保険会社ではなく少額短期保険業者です。 この業態は保険業法に定義があり、引き受けられる保険の範囲がそこで区切られています。

保険期間と保険金額の両方に上限が置かれています

保険業法第2条第17項は、少額短期保険業を次のように定めています。

この法律において「少額短期保険業」とは、保険業のうち、保険期間が二年以内の政令で定める期間以内であって、保険金額が千万円を超えない範囲内において政令で定める金額以下の保険(政令で定めるものを除く。)のみの引受けを行う事業をいう。

読むべきは末尾の「政令で定めるものを除く」です。 期間と金額の上限だけでなく、そもそも引き受けてはいけない保険の種類が別に列挙されている構造になっています。

  • 保険期間の上限 … 政令で定める
  • 保険金額の上限 … 政令で定める
  • 除外される保険の種類 … 政令で定める

3つとも政令に飛ばされています。業態の輪郭は法律本文だけでは分からず、施行令まで見ないと確定しません。

登録を受けた事業者だけが引き受けられます

同じ条の第18項は、事業者の側を定めています。

この法律において「少額短期保険業者」とは、第二百七十二条第一項の登録を受けて少額短期保険業を行う者をいう。

登録を受けた事業者が、登録された業態の枠内で引き受けます。 会社の側が「この形にしてほしい」と交渉しても、枠の外に出る話は事業者の裁量で動かせません。

金額の上限については別の論点があり、法人のモバイル保険で最悪と言われる不満で扱いました。 この記事では金額ではなく、引き受けられる形の側を見ていきます。

社用iPhoneのモバイル保険に積立型がないのは政令の除外によります

モバイル保険が掛け捨てであることは、どの説明資料にも書かれています。 ただし理由まで書かれていることは少なく、事業者が選んだ商品設計だと受け取られがちです。

満期返戻金を払う保険は業態から外されています

保険業法施行令第1条の七は、少額短期保険業から除かれる保険を6つ挙げています。第2号がこれです。

二 保険期間の満了後満期返戻金を支払うことを約する保険

満期返戻金を約束する保険は、この業態では引き受けられません。 掛け捨てなのは事業者の方針ではなく、積立型を選べる余地が政令の側で閉じられているためです。

  • 「積立型はありませんか」と社内で聞かれたときは、商品の有無ではなく業態の話として答えることになります
  • 損害保険会社の商品まで含めて探すなら、業態そのものを変える判断が先に来ます

生存に関して保険金を払う保険も外れています

同じ条の第1号も並んでいます。

一 人の生存に関し、一定額の保険金を支払うことを約する保険

端末の保険を探している会社には直接関係しませんが、除外の並び方は参考になります。 貯蓄性を持つ形が第1号と第2号に続けて置かれていて、この業態が貯蓄性を持たない設計で作られていることが読み取れます。

社用iPhoneのモバイル保険を複数年でまとめられない理由も政令にあります

端末のリース期間に合わせて3年分をまとめたい、という要望は法人でよく出ます。 保険の側も同じ期間で固定できれば管理が楽になりますが、この業態では期間の上限が決まっています。

損害保険分野の上限は二年です

保険業法施行令第1条の五が期間を定めています。

法第二条第十七項に規定する政令で定める期間は、一年(法第三条第五項第一号に掲げる保険にあっては、二年)とする。

括弧の中が損害保険分野です。端末の保険はここに入るため、上限は二年になります。

区分保険期間の上限
損害保険分野二年
それ以外一年

実際のモバイル保険は1年ごとの更新で運用されています。二年が上限である以上、3年や5年でまとめる形は最初から選べません。

稟議の期間と契約の期間はそろいません

端末を3年で入れ替える会社なら、保険も3年で固定したくなります。契約期間の上限が二年である以上、リース期間と保険期間はどこかでずれます。

会社が期待しがちな積立型・複数年契約・外貨建て・保険金の長期分割が政令で除外され、1年更新の掛け捨てだけが残ることを示した図

ずれること自体は避けられないので、更新の担当者を先に決めておく形になります。 更新の実務については、法人AppleCareの期間と更新でメーカー保証側の扱いを整理しました。

社用iPhoneのモバイル保険では外貨建てと長期の分割払いも候補に入りません

海外拠点を持つ会社や、支払いを平準化したい会社から出る要望も、同じ条文で落ちます。 第1条の七の残りの号を見ると、通貨と支払方法の両方に制限が置かれています。

外国通貨で表示された保険は除かれています

五 保険料又は保険金、返戻金その他の給付金の額が外国通貨で表示された保険

海外拠点と通貨をそろえたい会社は、この業態では対応できません。 円建てで契約して社内で換算する形になり、為替の差は会社側で吸収することになります。

支払が一年を超える分割払いも除かれています

六 保険金の全部又は一部を定期的に、又は分割払の方法により支払う保険であって、その支払の期間が一年を超えるもの

これは保険金の支払方法についての規定です。修理費を年をまたいで分割で受け取る形は、この業態では取れません。

  • 保険料の払い方ではなく、保険金の受け取り方に関する制限です
  • 大きな損害を長期で受け取る設計は、業態の外にあります

残る2つの号は特別勘定と再保険で、端末の保険を選ぶ場面では出てきません。 会社が実際に引っかかるのは、積立型と複数年契約と外貨建てと長期分割の4つです。

社用iPhoneのモバイル保険とメーカー保証は水濡れの扱いで分かれます

候補が絞られたあと、メーカー保証と保険のどちらを取るかという判断が残ります。 社用iPhoneで実際に起きる事故のうち、扱いがはっきり分かれるのが水濡れです。

規約は水濡れを外的要因の並びに置いています

AppleCare for Enterprise の規約は、対象外を並べた条項で次のように書いています。

(i) Damage caused by (a) a product that is not the Included Equipment, (b) abuse, recklessness, willful or intentional conduct, misuse, liquid contact other than as a result of defect in material and workmanship, fire, earthquake, flood or other external cause,

液体との接触が、火災や地震や洪水と同じ並びに置かれています。 材料や製造上の欠陥による場合を除く、という限定が付いた形です。

事故規約上の位置
液体との接触外的要因の並び
火災・地震・洪水同じ並び
材料や製造上の欠陥並びから除かれる

保険側は水濡れを補償の対象に入れています

モバイル保険は、破損と水濡れと故障を補償の対象として案内しています。同じ事故に対して、規約の側と保険の側で置き場所が違います。

同じ水濡れでもAppleCare for Enterpriseの規約では対象外の並びに置かれ、モバイル保険では補償の対象に入ることを並べた図

どちらを先に決めるかは、社内で起きている事故の中身によって変わります。 実際に対象外になる場面の一覧は、業務端末で補償の対象外になるケースに整理しました。

社用iPhoneのモバイル保険をサポートの応答時間で選ぶことはできません

「窓口が早いほうを選ぶ」という基準は、稟議では通りやすい理屈です。 ただし規約を読むと、速さについて約束されている範囲は限定的です。

24時間体制であることと解決までの時間は別に書かれています

Enterprise 規約の応答時間に関する条項です。

Apple will provide Support Services on a 24/7 Basis, subject to the exceptions described in the Service Plan’s Hours of Operations described on the Service Plan Support Page. Apple will make best efforts to respond to a Support Service request diligently within the response time described under the Service Plan, but does not guarantee that a resolution will be provided within a specific time period.

24時間体制で提供すること、応答について最善の努力をすることは書かれています。 ただし文の後半で、特定の期間内に解決を提供することは保証しないと明示されています。

  • 24時間体制 … 提供すると書かれている
  • 応答 … 最善の努力と書かれている
  • 解決までの時間 … 保証しないと書かれている

窓口の速さを稟議の根拠にしない

3つは別の話として書き分けられています。 「24時間対応だから早い」という説明で稟議を通すと、実際に時間がかかったときに根拠が残りません。

速さではなく、窓口が開いている時間帯と連絡できる担当者の人数で比べるほうが確かめやすくなります。 保険側の手続きにかかる時間については、社用iPhoneのモバイル保険のデメリットで触れました。

社用iPhoneのモバイル保険のおすすめを26名78台で数えました

社員26名へ1人3台ずつ計78台を配る会社では、契約は26本で月18,200円・年218,400円になることを示した図

ここまでの除外を、実際の会社に当てはめます。 社員26名に社用iPhoneを含む端末を1人3台ずつ配り、合計78台を運用している会社を想定します。

期待していた4つの形を落とすと残る形が1つになります

期待していた形落ちる根拠
満期に戻ってくる積立型施行令第1条の七 第2号
3年分をまとめた複数年契約施行令第1条の五
海外拠点と通貨をそろえた外貨建て施行令第1条の七 第5号
保険金を一年超で分割施行令第1条の七 第6号

4つとも落ちると、残るのは1年ごとに更新する掛け捨ての形だけです。 選択肢を比べた結果ではなく、業態を選んだ時点で確定していた形になります。

残った形の年額を出しました

モバイル保険は月額700円で、枠は人に付きます。26名なら26契約です。

項目
契約数26契約
月額18,200円
年額218,400円
更新毎年

78台を守るために26契約という数え方になるのは、枠が端末ではなく人に付いているためです。 数える単位の違いは、複数端末の補償を一本化する単位で詳しく比べました。

社用iPhoneのモバイル保険のおすすめを決める前に会社が確かめる3つのこと

候補の形が決まったあとに残る判断は、社内の事情で決まる部分です。 条文では答えが出ないので、契約する前に3つだけ社内で確かめることになります。

契約者を法人にするか個人にするかを先に決める。 そのうえで、更新を毎年誰が担当するかを名前で決めておく。

1. 契約者と被保険者を誰にするか

モバイル保険は契約者を法人にできますが、被保険者は個人です。保険金の振込先が誰になるかは、ここで決まります。

この判断は税務の扱いにも影響します。 契約の可否そのものは、法人でモバイル保険を契約できるかで条件を並べました。

2. 更新の担当を名前で決めておくか

契約期間の上限が二年である以上、更新は毎年来ます。担当者を役職ではなく名前で決めておかないと、退職や異動のタイミングで抜けます。

3. 主端末をどれにするか

1人3台の枠では、主端末と副端末で上限が変わります。修理費が高い端末を主端末に置くかどうかで、実際に受け取れる額が変わります。

社用iPhoneの修理費の目安は、社用iPhoneの画面割れ修理費にまとめました。 端末ごとの上限は、モバイル保険を法人で使うデメリットで扱っています。

社用iPhoneのモバイル保険のおすすめについてよくある質問

Q. 積立型の端末保険は法人向けなら選べますか

A. 少額短期保険業の枠内では選べません。

施行令第1条の七第2号が、満期返戻金を支払う保険をこの業態から除いています。法人向けかどうかではなく、業態そのものの制約になります。

Q. 3年分をまとめて払って単価を下げられますか

A. 契約期間の上限が二年なので3年でまとめられません。

施行令第1条の五が損害保険分野の上限を二年としています。単価を下げる交渉より先に、期間の上限があることを確かめる形になります。

Q. 少額短期保険と損害保険会社の商品はどちらがおすすめですか

A. 引き受けられる形が違うので比べる前に条件がそろいません。

少額短期保険は期間と金額と種類に法令上の制限があり、損害保険会社の商品にはその制限がありません。どちらが良いかは、会社が求めている形が制限の内側にあるかどうかで変わります。

Q. メーカー保証と保険はどちらを先に決めますか

A. 社内で起きている事故の中身から決めることになります。

Enterprise 規約は液体との接触を外的要因の並びに置き、モバイル保険は水濡れを補償の対象としています。水濡れが多い現場なら、扱いが分かれる部分から先に見るほうが早くなります。

Q. サポートが早いほうを選ぶ基準はありますか

A. 解決までの時間は規約上保証されていません。

Enterprise 規約は24時間体制で提供すると書いた直後に、特定の期間内の解決は保証しないと書いています。速さではなく、窓口の時間帯と連絡できる担当者の人数で比べる形になります。

Q. 社用iPhoneを何台から保険にする判断になりますか

A. 台数ではなく人数で数える形になります。

枠が人に付くため、1人3台までは契約本数が増えません。4台目からは2本目の契約が必要になるので、社員1人あたりの台数を先に数えることになります。

Q. 中古で買ったiPhoneも同じ候補に入りますか

A. 引受条件は商品ごとに違うので個別に確かめる形になります。

法令の除外は保険の種類についての規定で、端末の状態については触れていません。中古端末を入れられるかどうかは、各社の引受条件の側で決まります。

Q. 契約者を法人にすると候補は変わりますか

A. 契約者を変えても業態の制約は動きません。

積立型や複数年契約が選べない理由は契約者の属性ではなく、施行令が定めた除外にあります。法人契約にしても、選べる形の輪郭は同じままです。

社用iPhoneのモバイル保険でおすすめを探すと、補償内容の比較表にたどり着きます。その表に載る前の段階で、会社が期待しがちな4つの形は法令の側で落ちています。

落ちる理由が事業者の商品設計ではなく政令の除外である以上、交渉や条件変更では動きません。稟議に出す前にこの4つを先に落としておくと、差し戻しの往復が減ります。

結論:社用iPhoneのモバイル保険でおすすめを探すと、候補の形は比較表に載る前の段階で決まっていた。モバイル保険を引き受けているのは少額短期保険業者で、保険業法第2条第17項が引き受けられる範囲を政令に飛ばしている。施行令第1条の七は満期返戻金を約束する保険と外貨建ての保険と一年を超える分割払いの保険を業態から外し、第1条の五は損害保険分野の期間を二年までとしている。会社が期待しがちな積立型・3年一括・外貨建て・長期分割の4つは、この時点で落ちる。残るのは1年ごとに更新する掛け捨ての形で、そこから先が商品ごとの比較になる。
稟議に出す前に、期待している形が政令の除外に当たらないかを確かめてください。

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