保証を横に並べて見比べたい方へ。AppleCare+・キャリアの補償・モバイル保険を1ページにまとめています。
2年前に配った社用iPhoneが、そろそろ一日持たなくなってきます。総務に上がってくるのは故障の報告ではなく、夕方に電池が切れるという声のほうです。
AppleCare for Enterpriseの規約を読むと、劣化そのものは対象外と書かれている一方で、バッテリーの蓄電容量だけが名指しで残されていました。2年経過後に何が出るかは、端末の古さではなく条文が指した状態に入っているかで決まります。
AppleCare for Enterpriseは2年経過後もバッテリーの蓄電容量が本来の80%未満なら対象にしますが、通常の摩耗と経年劣化そのものは第4.1.2条で外れています。モバイル保険は月額700円(非課税)で1契約に3台まで登録でき、60台なら20契約で月14,000円です。登録できるのは保証書のある端末なので、判断が要るのは次の入れ替えのタイミングになります。
2年経った端末を数えるより先に、次に入れ替える台数を数えてください。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後もバッテリーが80%を割れば対象です
第3.1条はハードウェアサービスが動く条件を2つだけ挙げています。ひとつは材料または製造上の不具合、もうひとつがバッテリーの蓄電容量です。
If during the Plan Term, you submit a valid service request by notifying Apple that (i) a defect in materials and workmanship has arisen in the Included Equipment, or (ii) the capacity of the Included Equipment’s battery to hold an electrical charge is less than eighty percent (80%) of its original specifications
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| (i) | 材料または製造上の不具合が生じた |
| (ii) | バッテリーの蓄電容量が本来の仕様の80%未満になった |
2年経った端末で問題になるのは後者です。契約期間が残っていれば、経過年数そのものは条件に入っていません。
修理と交換のどちらになるかはAppleが選びます
条文は修理と交換を並べたうえで、どちらを行うかをAppleの側に置いています。使われる部品も新品だけとは限りません。
Apple will either (a) repair the defect at no charge using new parts or previously used Apple genuine parts that have been tested and pass Apple functional requirements, or (b) exchange the Included Equipment with a replacement device
- 修理は無償で行われる
- 部品は新品またはテストに通ったApple純正の中古部品
- 修理と交換のどちらにするかは会社側が選べない
Appleは修理のために合理的な努力を払うとも書かれています。 手元の端末がそのまま返るか、別の個体に入れ替わるかは申請の時点では確定しません。
法人があとからAppleCareに加入する窓を扱った記事では、契約が始まる時点の条件を整理しています。 2年経った端末を新たに加えられるかどうかは、その窓の話になります。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後の通常の経年劣化を対象外にします

第4.1.2条はハードウェアサービスが適用されない場面を6つ並べています。その5番目に劣化そのものが置かれています。
(v) Defects caused by normal wear and tear or otherwise due to normal aging of the product; or
「通常の摩耗、またはその他製品の通常の経年劣化に起因する不具合」と読めます。2年使ったから調子が悪い、という理由では申請が通りません。
劣化は対象外と書きながら、劣化の代表であるバッテリーだけを第3.1条が名指しで戻しています。同じ規約の2か所が逆を向いているため、条文をひとつだけ読むと結論が反転します。
劣化のうち80%の条項だけが名指しで残っています
第3.1条(ii)と第4.1.2条(v)を並べると、境目が数字で引かれていることが分かります。感覚的な「へたり」では判断されません。
| 端末の状態 | 扱い | 条項 |
|---|---|---|
| バッテリー容量が本来の80%未満 | 対象 | 第3.1条(ii) |
| バッテリーは持つが動作が重い | 対象外 | 第4.1.2条(v) |
| 外装が全体的にくたびれている | 対象外 | 第4.1.2条(v) |
iPhoneの設定画面には最大容量の数値が出ます。申請の前に見るのはこの数字で、購入からの年数ではありません。
個人向けでアップルケアが2年経過後にどうなるかを整理した記事では、期間そのものの数え方を扱っています。 法人の契約は同じ条文を使っていないため、根拠にする書面が変わります。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後の傷とへこみを見ません
第4.1.2条の2番目は美観上の損傷です。機能に影響しない見た目の劣化は、対象から外れると書かれています。
(ii) Cosmetic damage to the Included Equipment that does not otherwise affect the functionality of the Included Equipment, including, but not limited to, scratches, dents, and broken plastic on ports;
| 例示されている状態 | 条文の語 |
|---|---|
| 擦り傷 | scratches |
| へこみ | dents |
| ポートのプラスチックの割れ | broken plastic on ports |
2年使った社用端末で一番多いのがこの3つです。機能に影響しないという条件が付いているため、充電できないほどポートが壊れていれば別の判断になります。
業務端末の補償で対象外になる範囲を整理した記事では、保険側の免責と並べています。 制度をまたいで見ると、外れる範囲は似た形をしています。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後の予防的な点検を含みません
3番目と4番目は、壊れる前の相談と端末の状態に関する制限です。どちらも短い一文で書かれています。
(iii) Preventive maintenance on the Included Equipment;
(iv) Included Equipment containing hazardous material, including, but not limited to, biological materials and allergens that present a risk to human health;
- 予防保守は含まれない
- 人の健康に危険を及ぼす生物由来の物質やアレルゲンが付着した端末も含まれない
「まだ壊れていないが古いので一度見てほしい」という依頼はここに当たります。申請の理由には、すでに起きている症状を書くことになります。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後の水没と圧壊を対象外にします
6番目は損傷の程度による線引きです。事故の種類ではなく、壊れ方の大きさで外しています。
(vi) Excessive or catastrophic damage (e.g., Included Equipment that is crushed, bent, or partially or wholly submerged in liquid).
| 例示 | 条文の語 |
|---|---|
| 押しつぶされた | crushed |
| 曲がった | bent |
| 部分的または全体が液体に沈んだ | partially or wholly submerged in liquid |
- 現場で落として踏まれた端末、洗面台に落とした端末はここに入る
1番目には液体との接触が別途書かれていて、材料や製造上の不具合による場合を除くとされています。 水に関わる損傷は二重に外れる構えになっています。
社用iPhoneの画面割れの修理費を扱った記事では、実費で直す場合の金額を並べています。 対象外と判断されたあとに残るのはその金額です。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後にOSの更新で直る問題を扱いません
第4.2条はテクニカルサポートの対象外を10項目挙げています。先頭がソフトウェアの版に関する項目です。
(i) Issues that could be resolved by upgrading software to the then current version, provided, however, that Apple will provide Enterprise with instructions and support on upgrading software;
(iv) Technical Support for OS software or any Apple-branded software designated as “beta”, “prerelease,” or “preview” or similarly labeled software;
2年経った端末はOSが古いまま止まっていることがあります。その状態で起きる不具合は、更新すれば直る問題として扱われます。
ただし条文には続きがあります。更新の手順そのものについては案内と支援を行うと書かれています。
データの復旧と再インストールも含まれません
7番目はデータとソフトウェアの扱いです。端末に入っている中身は、サポートの範囲の外に置かれています。
(vii) Damage to, or loss of any software or data residing or recorded on the Included Equipment; Recovery and reinstallation of software programs and user data are not included under this Service Plan;
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 端末上のソフトウェアやデータの損傷・喪失 | 対象外 |
| ソフトウェアの復旧と再インストール | 含まれない |
| ユーザーデータの復旧 | 含まれない |
交換になれば端末そのものが入れ替わります。返却前のバックアップは会社側の作業として残ります。
社用iPhoneのAppleCareが2年経過後に交換になると別の機種で戻ることがあります
第3.1条は交換で提供される端末の条件を、同一機種ではなく機能で定めています。例として挙げられているのが機種違いと色違いです。
All Replacement Devices provided under this Service Plan will at a minimum have the same or substantially similar features (e.g., a different model with the same features, or the same model in a different color) as the original product.
| 条文が認めている形 | 例 |
|---|---|
| 同じ機能を持つ別のモデル | 後継機種での提供 |
| 同じモデルの別の色 | 在庫のある色での提供 |
2年前の機種は在庫が薄くなります。社内で色や機種を揃えている会社ほど、この一文が効いてきます。
法人のAppleCareの期間と更新を扱った記事では、契約そのものの終わり方を扱っています。 交換と期間は別の条項で動いています。
社用iPhoneのAppleCareは2年経過後もサポートの解決を約束しません
第5.1条はサポートの単位を定義したうえで、解決そのものは保証しないと書いています。単位の判断もAppleの側にあります。
A “Support Incident” is a specific, discrete problem whose origin can be isolated to a single cause. Apple will make best efforts to resolve a Support Incident but does not guarantee that Support Incidents will be resolved.
Apple will make best efforts to respond to a Support Service request diligently within the response time described under the Service Plan, but does not guarantee that a resolution will be provided within a specific time period.
| 条項 | 保証されないもの |
|---|---|
| 第5.1条 | サポート案件が解決されること |
| 第5.2条 | 特定の期間内に解決が提供されること |
原因を単一に切り分けられる問題が1件の単位です。2年経った端末で症状が複数出ている場合、案件の数え方から相談が始まります。
遠隔サポートのソフトは端末に残ることがあります
Enterprise規約の第8条は、インターネット越しのサポートについて定めています。セッションが終わったあとの状態にも触れています。
All or portions of the remote access software files may remain on Enterprise’s computer after the Support Service session is finished.
- 遠隔操作ソフトの導入と使用が、この方式への同意とみなされる
- ファイルの全部または一部が端末に残ることがある
- ソフトの権利はAppleおよびライセンサーに帰属する
2年のあいだに何度かサポートを受けた端末には、その痕跡が残っていることになります。返却や下取りに出す前の確認項目がひとつ増えます。
社用iPhoneの2年経過後を60台の会社で数えました
2年経過後に何が残るかを、条項ごとに並べ直します。会社の端末台帳と突き合わせる形にしました。
| 端末の状態 | 扱い | 条項 |
|---|---|---|
| バッテリーが本来の80%未満 | 対象 | 第3.1条(ii) |
| 通常の摩耗・通常の経年劣化 | 対象外 | 第4.1.2条(v) |
| 傷・へこみ・ポートの割れ | 対象外 | 第4.1.2条(ii) |
| 予防的な点検 | 対象外 | 第4.1.2条(iii) |
| 水没・圧壊 | 対象外 | 第4.1.2条(vi) |
| OSの更新で直る問題 | 対象外 | 第4.2条(i) |
| データの復旧 | 対象外 | 第4.2条(vii) |
社用iPhoneを60台配っている会社で考えます。対象になるのは表の1行目だけなので、残り6行は自社で持つか別の制度で持つかを決めることになります。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 契約数 | 60台 ÷ 3台 | 20契約 |
| 月額 | 700円×20契約 | 14,000円 |
| 年額 | 700円×12か月×20契約 | 168,000円 |
モバイル保険は1契約に3台まで登録でき、月額700円(非課税)です。60台なら20契約で月14,000円、年間168,000円という並びになります。
法人携帯の補償オプションが必要かを検討した記事では、キャリア側の月額と並べています。 3つの制度を同じ表に置くと重なりが見えます。
社用iPhoneのAppleCareの2年経過後に会社が決める3つのこと
条文を読み終えたあとに残るのは、社内の運用をどう変えるかという話です。決めることは3つに絞れます。
| 決めること | 判断の材料 |
|---|---|
| バッテリーの数値を誰が見るか | 設定画面の最大容量を台帳に載せるか |
| 対象外の修理費を誰が持つか | 部門予算か共通費か |
| 次の入れ替えで何を付けるか | 端末を買う時点でしか選べない |
端末台帳に「バッテリー最大容量」の列を足します。80%に近い順に並べれば、契約が切れる前に申請すべき端末が上に来ます。
会社支給iPhoneにAppleCareが必要かを検討した記事では、加入の時点で選べる範囲を整理しています。 2年経ってから選び直せるものは多くありません。

個人向けのアップルケアの期間を整理した記事も、期間の考え方を確かめる材料になります。 法人の契約とは書面が違うため、読み替えて使うことになります。
社用iPhoneのAppleCareの2年経過後についてよくある質問
Q. 社用iPhoneのAppleCareは2年経過後も使えますか
A. 契約期間が残っていれば使えます。

規約は経過年数でサービスを打ち切る書き方をしていません。終わりの日はプラン確認書に記載された日付なので、確かめる先はその書面になります。
Q. 2年経過したバッテリーは無償で交換してもらえますか
A. 蓄電容量が本来の仕様の80%未満であれば対象です。
第3.1条(ii)が数字で条件を定めています。80%を上回っている状態では、持ちが悪いという理由だけでは申請が通りません。
Q. 2年経過後の傷やへこみは直してもらえますか
A. 機能に影響しない傷とへこみは対象外です。
第4.1.2条(ii)が美観上の損傷として除いています。ポートの割れも同じ項に例示されています。
Q. 2年経過後に動作が重い端末は見てもらえますか
A. OSを最新版に更新すれば直る問題はサポートの対象外です。
第4.2条(i)がそう定めています。ただし更新の手順については案内と支援を行うと同じ項に書かれています。
Q. 2年経過後に交換になると新品が届きますか
A. 新品またはテストに通ったApple純正部品で構成された端末が届きます。
第3.1条は新品だけに限っていません。同じ機能の別モデル、同じモデルの別の色という例も条文に書かれています。
Q. 2年経過後に水没した端末は対象になりますか
A. 部分的または全体が液体に沈んだ端末は対象外です。
第4.1.2条(vi)が過大または壊滅的な損傷として除いています。押しつぶされた端末と曲がった端末も同じ括弧の中に並んでいます。
Q. 2年経過後のデータ復旧は頼めますか
A. ソフトウェアとユーザーデータの復旧は含まれません。
第4.2条(vii)が明記しています。再インストールも同じ一文で外されているため、交換前のバックアップは会社側の作業になります。
Q. 2年経過後にモバイル保険へ切り替えられますか
A. 2年経ってからでは、その端末をそのまま登録することはできません。
登録できるのは保証書のある端末に限られています。切り替えを検討するなら、判断のタイミングは次の入れ替えのときになります。
2年経過後の社用iPhoneに対して規約が用意しているのは、バッテリーの1行だけです。傷も、へこみも、動作の重さも、条文の側では最初から外されています。
台帳に載せる列を1つ増やせば、80%に近い端末から順に並びます。切れる前に申請できるかどうかは、その並びを持っているかで決まります。
端末台帳にバッテリー最大容量の列を足して、80%に近い順に並べてください。
※料金や条件は変わることがあります。加入前に、最新の内容を公式ページで確認してください。